川棚温泉物語2-2へ
川棚温泉物語  
(1)抱かれてみたかった卓三さん

 昨日は三人の男性客と二人の女性客を夜中過ぎ迄揉んで、それから夜食を食べて寝たので正午過ぎ迄起きられなかった。
 午後、疲れた体をひきずって起き上り、朝食と昼食兼用の食事をとりテレビを見ていると、電話の呼出ベルが鳴った。
 ベルが鳴ると私は直ちに時計を見るだけで、誰からかかった電話なのか大体分る様になっている。一番多くかかるのは旅館カウンター係の若い男から按摩をとる客室番号と時間を簡単に知らせるだけであり、他の二、三人の五十代の男は総て、私の体を求める為の呼出しだった。受話器をあてた耳許できき馴れた声がした。

「五十七、八歳の肥った男が今風呂に入っとる。あがったら按摩して貰いたいって。頼んだぞ」

 彦太郎からの仕事の報らせだった。
 受付カウンター以外に彦太郎から直接かかってくる電話は滅多になかったけれど、一ヶ月に一度位の割で声をひそめて命令形で伝えて来た。それが、五十六、七歳の肥った男という様に具体的な客の風貌を伝える時は、男同士の秘密の快楽を意味する事が、長い年月の間に分って来て、その声をきいただけで、私の体の奥にひそんだ小さな欲望の炎がちろちろと燃え始め、その炎はその男の傍に行く迄激しく燃えひろがるのだった。
 十年前彦太郎の傍に来たとは云え、最近では彦太郎に抱かれるのは十日に一回位しかなかったので、いつでも男恋しい気持に変りなかった。

 主人の彦太郎から直接連絡があっただけに、その男の部屋は三階の離れに二間つづきになった八畳間だった。私が入口のドアをノックすると、中から「入れ」という声があった。時計はやっと午後七時を廻ったばかりなのに、床の間近くに敷かれたふとんが、異様に高くもり上っている。よく見るとふとんのえりから、つるつるに禿げ上った美しい頭が見えた。あ、卓三さんだと私はすぐ分った。卓三さんは身長一六○センチで体重が七十五キロもある肥満体で、やっと五十歳になったばかりの彦太郎と同業の紅葉荘の主人である。

 過去に何度か見た事はあったが、私と彦太郎の関係を知っており、体の関係は一度もない。然し私は彼の様な顔や体が好きだった。彼は真夏の午後、越中ふんどし一つで紅葉荘の裏庭に立っていた事もあったし、濃紺の大島つむぎを着て温泉駅の前を歩いている事もあった。でっぷり肉のついた太鼓腹や、可愛いい童顔を見る度、一度抱かれて見たいといつも思い過していたのだ。

 驚いて見つめる私に、卓三の腰にあたる部分がゆっくり波打っているのが見えた。突然、卓三が下に組みしいた男を上半身起して抱きしめて、「おい、よくなったのかい」と尋ねた。下の男が、「はあーあー」というような呻き声を出した。私はあっけにとられて二人いるらしいふとんのすそに廻ってなりゆきを見守りながら、彦太郎が何故この様な場所に行く事を命じたのだろうと考えていた。

 卓三は、私の方に顔だけふりむいて、ちょっと待ってくれと云い、更に「あんたは彦太郎さんのかあちゃんじゃけん手が出せない」と云ったあと好色そうな顔を歪めた。

「今、わしのかあちゃんのバックに入れてるところや、一ヶ月ぶりや」

「女ですか、その人」

「バックいや、男じゃがなあ、男じゃが女以上に色気があってやさしい男や、今日下乗からわざわざわしのもの入れて貰いに来よったんや、ほんまいいおまんこしてるで」

 彼は、そう言って腰から下のふとんをはいで見せた。下の男が腹這いになって卓三のものが根元迄尻の穴に入っていた。下になった男は色が黒く卓三の方は白かったが、二人共見事な肥満体だった。

 見られる事によって昂奮するらしく、卓三が腰をぴくぴく動かして二、三回ずるりずるりと抽送した後、雁だけをバックの内側にひっかけ股をひろげて、外れない程度に引き抜いて見せた。
 風呂上りらしく二人の体から湯気があがり、下の男の黒ずんだ肛門の内部が淀んだ赤色にふくれて、卓三の黒紫のものをくわえているのが見えた。下の男の二本の足はうつぶせになったまま大きくひらかれ、うしろから卓三に完全に入れられている。

「適当に下の方揉んで貰おうか」

 卓三がそう云って根元迄ずるずるとさしこみ、又抜き出して下の男の腰を抱きあげ、ダイナミックに抽送しながら、あーあーあ、とよがり始めた。
 私は卓三の背中や腰のつぼを押さえたり揉んだりし乍ら、彦太郎の顔をつぶすような事は自制しようと思った。

 けれども、ふとんの中の二人はこれ見よがしに肥った足や手をからめ、ぱんぱんに張った太鼓腹で押し合い、卓三の美しい太マラはいつでも下の男のせまい道に入りこんで、ふるえ乍ら抽送をくり返すのだった。
 私は先程から我慢出来ずに顔をふせて、卓三の双玉や尻の穴をぺろりぺろりと舐めていた。彦太郎の声がかかってこの部屋に来たのだから、これ位の事は当然許されると勝手に解釈していた。

 私の両手は卓三の石の様に固い陰茎や、それを飲みこんでいる下の男のバックの入口を丁寧に揉んでいる。そして下の男がどんな男か見たくてたまらなくなっていた。
 それは私の左手が卓三の太鼓腹を撫ぜる時、偶然の様に手の甲にふれる下の男の一物の太さが並々ならぬものである事を見抜いていたからだった。彼のものはぼってりしたボリュームで私の手の甲を叩くのだったが、私が握ろうとかまえる度、卓三の左手が素早くそれを握り太鼓腹がガードするので掴まえる事が出来ないのだ。

「パパ、パパ、あーいーいー」

 下の男が突然甘えた声を出した。すると卓三が下向きになった男の頭をかかえて自分の方に廻し噛みつく様に口を強く吸った。

「そうか、そうか、そんなにいいのかユーサク、けどまだ気をやるな、今日は前と後から責めて、いい気をいかせてやるからな」

 卓三はふとんを全部はいで上半身をおこし、両足を長く伸して膝の上にユーサクを乗せて両手をうしろについた。卓三のものは根元までユーサクの中につきささり、時々くいくいと腰を使った。

 卓三の上に坐って責められているユーサクはずんぐり肥って背の低い男だった。肥ってはいるが、ぶくぶくふくれているのではなく固肥りで、両腕の力瘤や太腿の筋肉が若者のように張っている。
 厚い胸がいくらか凹んだその下にぱんぱんに張った太鼓腹があり、その下に短いけれど太くて格好のいいものがあった。それは長くはないが亀頭部が大きく、雁の張り出しが卓三のものより魅力的だった。
 彼の顔は四角で、口許が横に大きくしまって角刈りの髪型がよく似合った。彼の口を見ていると私は吸いつきたくなる様な昂奮を覚えた。

 私は押しいただく様にユーサクの玉を下からすくい上げて、太い亀頭を口にくわえた。それは私の口の中で五、六度転ばせただけで石のように固くなった。私の口の中でぴくぴくふるえ踊り始めた。私は口にくわえたまま前から卓三の太いものを揉んだり、それを飲みこんだバックやユーサクの双玉を軽くさすったりした。

 ユーサクは両足を大の字にひろげて、よがり乍ら腰をつきあげ首だけを左右に激しく動かした。卓三もそんなユーサクの喜悦をたのしみ乍ら、リズミカルに突きあげた。
 私は前からユーサクのものを根元迄飲みこんで、知っている限りのテクニックを使って愛撫したので彼の体が卓三の上でブリッジを作り「パパ、パパ、イクウー」と訳の分らない事を叫び乍ら私の口の中にビシッビシッと多量の液を吐き出した。


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