川棚温泉物語5-1へ
川棚温泉物語  
(3)彦太郎の穴より私の口に下さい

 こんな媾合だったら一時間でも二時間でもいいと私は思った。
 然し先生は急に二、三回激しく私の喉を突きまくってから、私の口から自分のものをずるりずるりと抜き出すと、真赤に充血した目で私を睨み、早口でこう言ったのだ。

「五郎は、今夜ゆっくり抱いてやる。そして口からも尻からも精液を注いでやる。だからこれから彦太郎のオカマを掘ってやる。彦太郎は実をいうと今日で二日目だ」

 私は素早く上体を起して、瞬間ぽかんと口を開けて先生の顔を見た。
 先生の目は普段はどんな時でも美しく澄んでいるのに、強く昂奮すると充血して赤くなる。たとえば私のバックを掘り乍ら射精の時が近付くと、次第に目が充血して潤んで来る。

 先生が彦太郎の中に射精したがっている。何故私の中に注がないのか。私は先生が彦太郎のバックを掘ると宣言した時、先生があまりの快感の為狂ったのではないかと思った。

 けれども私の目が彦太郎を見た時、先生の言葉が本心だった事を改めて知らねばならなかった。
 彦太郎はさんざんユーサクに舐められた巨根を振りたてて膝で先生の傍にいざり寄ると、くるりと後ろを向いて尻を高々とあげ、両手を肘の所からペタリと畳につけて、その中に顔を伏せたのである。

 まるで何かを拝んでいるようだった。そんな受身の型になりながら、私の親しんだ巨根が勢いよく勃ちあがり太鼓腹を叩きそうだった。
 先生に匹敵する程の巨根で私を犯し、広島の家族から私を川棚温泉迄連れ去った彼は、正に私を妻として日夜抱き続けてきた男だった。その人が今、先生の前に尻を晒し完全に先生の巨根を受入れる態勢に入っていた。
 彦太郎だけは受身にはならないと思っていた私は、何かの間違いではないかと目をこすった。

「彦太郎、いくぞ」

 先生はそう言った。
 彦太郎が尻をこきこきと動かした。私は倒錯した不思議な感情に支配され、まるで牝犬のように四つ足で這って二人の繋がる場所ににじり寄った。

 近くで見ると、ユーサクの唾を塗りこめられたらしく彦太郎の穴が濡れていた。然し、どの様に見ても、まだまだ挿入された経験が浅いらしく固い蕾である。先生の巨根がスムーズに入るとはとても思えない。然し、私の口の中で散々舐められ、締めつけられた先生のものは極度に昂奮し、上反りに延びてどこかの穴に入る態勢を整えてふるえていた。

 深い先端の割れ目から流れた先走液が、その周囲を濡らしてはいたが、それは先頭のほんの一部分だけで、殆どの部分は既に乾いていた。特に鋭く尖った冠状部は干乾らびてぎらぎら光っていた。
 私は、主人の彦太郎が少しでも苦しくない様にと思った訳ではなかったが、ごく自然に先生の巨根を右手に持って二、三度しごき、張りつめたものを今一度口に含んだ。先生の先走液はひどくにがかった。
 私のバックを最初に犯してこの世界にひっぱりこんだ私の師匠である梅吉が、精力の強い良い男程、先走液はにがいのだと言った言葉を思い出した。

 先生は一物の先端を彦太郎の穴にぴたりとあてがった、私は右手で先生のものを握って固定し、顔を一物に近付けて口の中のありったけの唾を残さず彼のものに塗りつけた。
 ゆっくりゆっくり先生が腰をのの字に廻し、それはきしみ乍ら亀頭だけを穴の中に埋めこんだようだった。それから先生は一呼吸してから両足をふんばり、ひといきにずるりずるりと根元迄突き刺したのである。

 もう私の右手は先生のものを握ることが出来なかった。
 私は先生のうしろに廻って、股の間から結合部を覗いた。先生の下半身が蟹股の恰好になり、太鼓腹が彦太郎の尻にぴったりと張りついている。私はうしろから先生に抱きついて太鼓腹を撫ぜた。余程腰に力を入れているらしく、太鼓腹が石のように固かった。ずっと撫ぜさげると、彦太郎の穴に入った先生の一物の根元が、僅かに私の手にふれた。

 それから私は、先生の尻の穴に舌を這わせた。根元まで入れこんだ先生のものを、彦太郎の括約筋が締付けているらしく、先生の尻がひくひくけいれんしている。
 私は舌で掘りおこすようにして先生の尻の穴を舐め乍ら、両手で先生の二つの玉や、一物のつけ根を揉んだ。先生のものの付け根がピンポンの玉大に瘤のように固く盛りあがっている。それを手の平でかぶせるようにして揉んだ。

「五郎、そこを揉まれると、我慢出来ないよ」

 先生は身慄いしながらそう言って、腰をゆらゆらゆすりながら、雁首だけを彦太郎の穴の縁にひっかけるまでずるりずるりと抜き出し、又反動をつけて根元迄埋めこむのだ。ずるりずるりと引き抜く時彦太郎が、吐く息だけでふうっというような呻き声を出した。

「そら、彦太郎が女になってよがり出した。俺もどんどんよくなるぞ」

 先生は上半身を反らし、うしろから彦太郎の尻をかかえこんで下から突きあげるように腰をたわめて埋めこみ、こんどは彦太郎の背中を咬んでから言った。

「彦太郎、五郎の前で俺にバックされる気持はどうだ。いいだろう」

 相当深く入りこんでいるらしく、彦太郎が顔を天井に向け、尻を先生の太鼓腹にぴたりと押しつけてくるりくるりと回すような動作をすると、先生の顔が快感の為時々ひどく歪むのだった。

「よし、彦太郎亀になれ、今日は下から掘ってやるぞ」

 先生は優しい声でそう言うと、うしろから突き刺したままゆっくり腰をかがめ尻を畳の上におとした。そうすると先生のものが上を向くので、彦太郎の尻が痛さから逃れる為先生のあぐらの上に乗りあがる。
 先生は彦太郎が痛がると右手を前に廻して彦太郎のものを優しく握ってずるりずるりとしごくのだ。すると彦太郎の痛みが急速に薄れ、奥の方から快感が増幅されるらしく、あーあと長い唸り声を出し全身のカを抜いて、先生にもたれるのだ。

 先生はそんな彦太郎の反応をうかがい乍らゆっくり両足を前方に長く伸した。彦太郎も先生の両足に重ねて足を伸ばす。
 すると彦太郎の体は、先生と同じ方向を向いたままきちんと先生の上に重なっている。結合部に手を差し入れると丁度私の手で握れる位の長さの先生のものが外部にはみ出していた。

 私は、この時激しい嫉妬を感じた。過去、先生が川棚温泉に来た時は、先生のものは総て私のものだった。それが、どう狂ったのか完全に彦太郎の体の中に入り、彦太郎はあまりの快感の為殆ど意識をなくしているようだった。

 先生は、彦太郎を抱いたままゆっくりうしろに倒れた。彼の背中は四十センチの厚い布団に支えられ、彦太郎を突き刺したまま両足を一杯に開いて彼の背中を自分の胸にぴたりと抱きとったのだ。
 彦太郎はバックに挿入され、まるで亀のように先生の体の上に仰向きに転がされている。

「五郎、俺がこのまま彦太郎の体の中に射精する。お前は主人を尺八して精液を飲んでやれ、わかったか」

 先生はそう言うと左手を彦太郎の首に回して抱き寄せ、首だけ捩って口を吸った。

 私は再び二人の股の中に入って、すぐ彦太郎のものを口に含んだ。彦太郎のものは既に射精したらしく精液がどろりと流れて強い匂いがした。
 ここ十年来毎日の様に愛撫した彼のものは、私の手や口によく馴染んだ。然し、それはあく迄私を女として犯す時の男の道具であらねばならなかった。
 そんな私の心を察したのか先生が言った。

「いろんな愛の型があっていいのだ。だから彦太郎がたまには俺の女になって泣いても、何の不思議もない。然し、俺は完全なタチだよ、決して女にはなれない」

 先生は、そのままの姿勢でくいくいと腰を上下にゆすり始めた。私は彦太郎のものを吸い乍ら、右手を二人の結合部に入れて先生のものを触った。先生のものは、腰を突きあげる時その大部分が彦太郎の中に隠れるが、抜き去る時その半分が外部に出ている。私はそんな先生のものが外部に出てくるのを待って手で握り、くねくねとこすった。私は先生のものの感触と固さがなつかしかった。何とかして口に含みたいと思った。

 時々、先生のものは亀頭の割れ目までが、外部に晒されることがあった。私は彦太郎のものを口から外して、先生のものがバックから飛び出る時を待って、瞬間的なタイミングでそれを捕え、ねっとりと口に含んだ。
 私の口や鼻に彦太郎のバックや陰茎がぺたりとあたったけれど、そんなものは何の障害にもならなかった。私の口や喉は、既に先生のメリハリのついた巨根をくわえて微妙な動きをみせていた。
 それは彦太郎のバックの中よりずっとデリケートな動きを見せねばならなかった。私は、今に先生がよがり声をあげるに違いないと思った。

 先生は大の字にひろげた両足を、外側から彦太郎の両足に絡め体を弓なりに反らせて、大腰を使い始めた。私の喉の奥迄先生の先端が突き刺さっては又、ひいていった。
 彦太郎は先生の体の上に亀のように転がされ、がんじがらめに抱き締められて何一つ喋らない。

「うっ、うーう、彦太郎出すぞ」

 先生のうわずった声が、部屋中にひびいた。先生は私にくわえられたことに気付かず、彦太郎のバックに挿入していると思っているらしい。私の喉を深々と貫いていた一物が、どんどん引抜かれて上下の唇に雁がひっかかった所でやっと止まり、先端だけが前後左右にふるえ、私の口の中のあちこちを突き、そして撫ぜては又、どんどん埋めこみ喉を通過して胃の中まで入って来るような感覚である。

「あーあ、あっ出すぞ」

 先生は再びそう言って、私の喉の最も深い所迄入れこんで腰の動きをぴたりと止めたのである。
 私は、先生のものを根元まで飲みこみ、両手で二つの玉や付根の瘤をまとめて揉んだ。そして突然、私の手に精液の噴出する感触があった。それは、二、三度勢いよく私の手の奥の瘤を通過したあと、暫くして小刻みに何度も残りの精液を吐き続けたようだった。

 私の喉の奥に入り込んだ亀頭が一段とふくれて、精液を喉の周囲に撒き散らしたけれど、私の口は彼のものをあまりに深く飲みこんでいたので、射精のプレッシャーを強く感じただけで、その匂いや味は何一つ分らず、私はそれが少し不満だった。

 私はその夜、一晩中先生を愛して過した。先生の体は、私の手や口の中で一層私好みに成長して恐しい程だった。
 私は、先生に何故彦太郎の中に入れたのかとなじった。世界中で先生が一番好きだと言って、精液はおろか小便まで何度も飲んだ。私にとって先生は、彦太郎以上に大切な人だった。にもかかわらず、こんな気持は私を何となく不安にした。
 もしも私が彦太郎から離れたら、その日から按摩としての生活が不安だったし、先生が私をすぐ受入れてくれるか分らなかったからである。 

川棚温泉物語5-1につづく
 
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