体験実記 サンフランシスコの男 
 
---プリーズ キャンセル フライト--- 
                 不倒翁 甚平   
(四)二人の男と私と

 二階から最初に降りて来たジョンは、外から帰った時と同じジーパンと半袖だけの恰好だった。何だかひどく目がうるんでいた。それにしても三十分以上もジョンは二階で何をしてきたのかと思った。野口さんと相当な所までやったのは確かであるが、まさか野口さんのものをうしろに受けることまではしていない気がしたし、彼はまだ射精していないと思った。その証拠にジョンの股間が前以上に高く盛り上っており、長く待たされた私は狂喜して彼に近寄った。

「随分、お待たせ致しました。野口さんが、仲々離してくれませんので………」

 ジョンは、早口で更に続けた。

「さあ、裸になりましょう」

 私は、棒立ちになったままジョンが裸になっていくプロセスをじっと見ていた。半袖シャツを脱ぐと、裸の上半身が見えた。色が白くてぬめるような肌だった。厚い胸の両側がお椀でも伏せたように盛り上り、その中心に大豆大の乳頭が勃起していた。野口さんに余程舐められなければ、これ程まで大きくはならないと思った。胸の下の凹みから一気に太鼓腹がせり出していた。

 ジョンは太鼓腹に巻きついたベルトをゆるめると、ひといきにジーパンを脱いだ。ジーパンの下は六尺ふんどしだった。カストロストリートを歩いた時、彼は越中ふんどしをしていると言ったので、帰宅してからすぐ野口さんと愛の確認をしたあと、お互いに越中と六尺を交換したのだ。ジョンの足は普通のアメリカ人に較べると少し短いので、驚く程六尺ふんどしがよく似合った。それにしても、何と美しい裸形なのかと思った。そして私の最も好きな股間のものは、つい今さっきまであの野口さんがしめていた六尺ふんどしで隠されていたが、その内部の量感と激しい昂奮とを隠しきれず、これみよがしに六尺ふんどしを突きあげていた。

 私は耐え切れずにあわてて裸になると、まるで目まいでもして倒れるようにふらふらと絨毯の上にうずくまり、それからジョンの下半身に抱きついた。何時、誰がそのようにしてそうなったのか、ジョンの六尺ふんどしが解けて足にからまったまま複雑に巻きつき、ジョンの性器が四、五回バウンドし乍ら私の顔を叩き、それは見る見るりちに天井に向かって力強く勃ちあがった。

 私は右手でそれを抄うような恰好で握った。石のように固くはなかったが、充分握りごたえのあるそれは、私の手の中で絶え間なくぴくぴくと震えた。私は右手を前進させ、中指と薬指でボールのつけ根を揉み、後退させる時、手首に近い盛りあがった手の平で亀頭の鈴口附近をデリケートに摩擦した。その動作を四、五回続けると、ジョンの顔が歪んだ。彼の顔は歪めば一層いい顔になった。

 私は、ジョンの下半身にしがみつき、彼の顔を見ながら亀頭を口にくわえた。それ程とは思わなかったが、口にしてみると予想外に大きく、亀頭だけで口一杯になったような気がした。それでも私は喉の奥までそれを飲みこみ、鈴口の周辺を舌でなぞった。既に先走の液を流している彼の鈴口は大きく開いて、私の舌を容易に受入れた。私はそれから彼のボールやもっと奥の方に舌を這わせ、その勢を借りてハーモニカでも吹くように、彼の茎を横からくわえて左右にゆっくり動かした。ジョンはそうされながら、絶えず顔を歪めて
必死で快感に耐えているようだった。

 野口さんが私達の所に来たのは、丁度その時だった。私は階段の方を向いていたので、それがすぐ分った。私はジョンのものを口からすぐ外そうと思ったが、私がそう思った時野口さんは少し上体をかがめて、越中ふんどしをはらりと落して真裸になった。私はそれをいとおしそうに見ながら、ジョンのものを一層深く飲みこんだ。そして、ジョンが野口さんに惚れる理由がよくわかった。

 野口さんの頭には毛髪が一本もなく、つるつるに禿げていた。余程ジョンが手入れするらしく、鏡のようにぴかぴか光って部屋の天井の様子が映る程だった。秀でた額、豊かな頬、太い耳や鼻も申し分なかったけれど、最もセクシーなのは彼の部厚い唇だった。その唇が少し動いただけで頬の筋肉をゆるめたりひっぱったりしたが、固く閉じると上下の唇が複雑にからまって吸いつきたい程セクシーだった。

 ジョンのすぐうしろに立った野口さんは、まるで大入道でジョンの肌が白いだけに体全体が茶掲色にみえた。そしてジョンに較べると少しだけ背丈が低かったが、その分顔も体ににもたっぷり肉がつき、その分厚い胸も殆ど球体に近い太鼓腹もぱんぱんに盛り上って、押せば弾き返されそうだった。それでいて太鼓腹のすぐ下は適当に凹んでおり、足首も又その巨大な太鼓腹や太いももを支えるには、小さすぎる程しまっていた。その体型は、私の最も好きな男のタイプだった。

 それ以上に私の目を釘付けにしたのは、彼の驚くべきふてぶてしい股間のものだった。それは太鼓腹の下の凹みから、だらりという形容がぴったりのたたずまいで下に向いて垂れさがっていた。茎の方は皺だらけで殆ど真黒いような気がした。然し、その最下端にぶらさがった彼の亀頭は鶏卵よりも尚大きく、しなやかな曲線にふちどられて濃紫色でぬめるような艶があった。このようなものが欲情して勃起すれば、どう変化するかが大体分ったし、そのおだやかな顔の表情がジョンの体を見ることによって、次第に潤んで行くのを私はジョンの股間ごしに、瞬きもせずじっと見つめていた。

 けれども野口さんの類まれなその体が私のすぐ傍まで来た時、私はためらいもせず両手で彼のものを握った。彼のものはジョンの体を見るだけで、どんどんその容積を増し、半勃ちであるのに私の平均より大きな両手で握っても、尚その亀頭が外側に突き出る程だった。そしてそれは私の柔かな手で握られた故か、一呼吸毎にどんどん勃ちあがり完全な男に成長するのにいくらの時間もかからなかった。

 それは、ジョンのものとは較べものにならない程固くて長大だった。そして私の手よりもずっと温度が高かった。私は命令もされないのに右手で茎を握りそれを口に頬ばった。口に含んだけれどもあまりに強大で固い為に、ただ先端部を含んでいるだけで、私の口では手におえないことがすぐ分った。私は、左手で茎の根元を握り右手を股間深くさしこんで、ボールのつけ根をデリケートに揉み乍ら、亀頭部の周辺をくまなく舌で舐めた。

 それは私にとって何物にも代えられぬ程おいしいものだった。私はそれを口から外して時々じっと眺めた。だらりとぶらさがっていた時皺だらけだった彼の茎は、ぴんと張りつめてその周囲を大小様々の血管が蔦のように巻きついていたし、根元が細くてその中間が王冠でも巻きついたように盛り上り、更に細くなって子供の握り拳程の亀頭に続いていた。そしてその色彩は、茎の黒さも亀頭の濃紫色にも赤味が加わって、持に亀頭全体は赤紫にぴかぴか光って、私の顔がそのまま映った。

 何時そうなったのか、ジョンが四つん這いになり、そのうしろから野口さんがその巨大なものをジョンのバックに埋め込み始めていた。野口さんは両手を太鼓腹の脇においたまま腰だけをゆるやかに動かした。二人は夫婦だから何時もそのままで入れるのだろうと思ったが、私は野口さんの茎を握ってその先端をジョンのバックにあてがった。すると野口さんの腰が前後左右にゆらゆら揺れ乍ら、ほんの少しづつ中に入ってゆくのだった。

 それは私が過去に見たどんな性交よりも迫力があり、そして又淫らなものだった。ジョンの方が少し背も高く足も長いので、結合部を合致させる為少しだけ両足をひらいてバックの位置をひくくしており、野口さんは腰に両手をあてて上半身をぐっと反らして、腰だけを小きざみに動かし乍ら挿入している。

 ジョンは野口さんの亀頭のでっぱりと茎の中間の盛り上りが通る時だけ、僅かに頭をあげていやいやでもするように首を左右に振って、その痛みに耐えているようだった。それとも十年近くも連れ添う夫婦だから、それは痛みではなく野口さんのジョンに送る最初の快感なのかも知れないと思った。いずれにしろ、二人がどんな表情をしていようとも、私の手首程もある野口さんのものが、根元まで完全に埋めこまれてしまったのだ。

 本格的な油送が始まって、絶えず声をあげて叫ぶのはジョンの方だった。ジョンはうつ伏せになった体全体に喜びをあらわして、ある時は大袈裟に唸り、又ある時は野口さんが如何に好きかを口の中で叫びつづけたが、その声が次第に泣き声に変わり、やがて吸う息だけですすり泣き乍らクライマックスを迎えようとしていた。

 野口さんはその間、相変らず両手を腰にあてたまま腰だけを前後左右にねろねろと動かしつづけた。そしてジョンが泣き出してからは、一層深い場所に挿入して下方から上方に向けて、あるリズムを以て突きあげた。するとジョンの泣き声が、すすり泣きに変ったのである。野口さんの体はジョンを一突きする毎に、強い快楽を送りこんでいる様だった。

 私はあお向きに寝そべって、四つん這いのまま野口さんのものを受けているジョンの体の下にもぐりこんだ。そして、すぐ目の前にあるジョンの性器を吸った。私のものもすぐジョンの口にくわえられた。私は、あまりの昂奮の為、今にもジョンの口中に射精しそうだった。それは野口さんの巨大なものがジョンのバックを出たり入ったりする様子が、もろに見えたからだった。

 もう暫く射精を延す為、私はずり上って私の口に野口さんのボールを含んだ。彼のボールはその中に一杯の精液を貯えて、こりこりして固く仲々私の口になじまなかった。それでも両手を使って、私の知っている限りの愛撫を加えると、野口さんもジョンも私も、三人の体があるリズムに乗って次第に快楽の頂上にかけ登り始めた。

 私の体はジョンの下からもぐって野口さんのボールやバックを舐めているので、私とジョンの性器が複雑に擦れあった。そして野口さんは両手を腰にあてたまま、始終無言で、ジョンのバックを犯していた。そんな格好の時、野口さんの例の太鼓腹の下の凹みが、ジョンの白い尻の上でデリケートな表情を作り、それはそのまま男性の魅力に溢れて、私を有頂天にするのだ。

 ジョンが、おとうちゃんおとうちゃんと叫んで射精し、私が射精したそのすぐあと、野口さんもジョンの体の中に何度も何度も濃い精液を流しつづけた。その感触は、野口さんのボールのつけ根に吸いついている私の舌や唇に敏感に伝えられた。私は野口さんの愛液を受精したジョンが羨しくてならなかった。けれども、その時の私の快感は過去一度も味わったことのない程強烈で深いものだった。私の体中が解けてなくなるような感覚ともいえたし、目玉が飛び出して呼吸が止るとも表現出来た。
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