un title #5
ズドォォォォン…
「!?なんだぁ?」
山下は辺りを見回した。 修二は…? 修二はゾンビの残骸と一緒に横たわっていた…
「おい!修二ぃ!!しっかりしろぉ!」
「ん…」
修二は目を覚ました。
「大丈夫か?!」
「あぁ…」
頭がグラグラする肩の痛みと手榴弾の音に体が耐えきれなかったみたいだ。
「うぅぅっ…!」
「修二!?大丈夫か?!まさかやつらに噛まれたのか」
修二は右肩を押さえていたので山下はすぐにわかった…。「見せろ!」
修二の肩は青白く変色していた…。(さっき噛まれたんじゃないな…?血が固まってる…)
「修二、お前いつ噛まれた?」
「き…昨日」
修二は苦しそうだ…今まで我慢していた痛みがゾンビの大群を倒し気が緩んでしまい、痛んできたみたいだ…。
「小林さん?どうしたんですか?」
「噛まれたんだ…ゾンビに…」
「ゾンビに…? あっ!パパが変なヤツラに噛まれたら家に隠してある注射を打てば治るって…!」

山下は修二を抱え、ユリの案内でユリの自宅まで来た。
「ユウジ鍵閉めとけ」
カチャリ ユリがリビングにある額縁の裏にあるボタンを押すと壁の一部が裏返りワクチンらしき注射がでてきた。
「きっとこれよ」
ユリは山下にワクチンを渡した。アンチウイルスワクチンと書いてある…
「アンチ…反対か…これだな!」
うぅ…修二はいまにも倒れそうだ…ユウジに手を押さえてもらい山下は修二にワクチンを打った。 うぅ… どうやら修二は落ち着いたようだ。 山下は修二が起きるまでユリの自宅で休憩することにした…。

「ん…」
修二は目を覚ました。 目が覚めた頃にはもう辺りは夕焼け空だった…
「オレ助かったんだ…」
そう言いながら修二はタバコに火をつけた。 吸い終わる頃には皆準備が整い家を出ようとしたとき… ジ…ジジジ…
「こちら本部!第7小隊応答せよ! 」
「こちら第7小隊!どうぞ…」
「今夜0時にゾンビ全滅作戦が決行…アメリカからひとつの市を壊滅させる核が落とされる!」
「なんだってぇ!?」
「第7小隊は23時までに時計塔に集まれ!」
「核…?ウソだろ」
修二はパニックになった…しかし山下は無線を聞いた途端に歩きだした…
「よし、時計塔だ!いくぞ!」
4人は時計塔に向けて歩き出すのだった…

4人は時計塔に向けて歩き出した…。修二、山下は何故ユリの家にワクチンがあったのか不思議だった…ワクチンが作れるということはウイルスの研究者に違いない…
「ユリ…君の親は仕事はなにをしているんだ?」
「私のパパとママはお医者さんなの…でも」
今度はユウジが喋り始めた。
「父さんと母さんはイラクって国のヴァルハラっていうおっきな病院で病気の研究をしてるんだ!」
修二と山下は目を合わせた…
「ヴァルハラ…」

(ヴァルハラ…?イラクのテロ組織に何故…)
しかし2人は気にしながらも手に入れた時計塔までの近道の地図を頼りに進むことにした…。

「こっちだ…」
所々で火のてが上がり、道を塞がれ4人はかなり迂回していた… ガァァン! 4人は大きな音に振り向いたが気にしないで歩いた、瓦礫が崩れる音は歩いている間に何度も聞いた。しかし、今度は何回も崩れる音がしている…姉弟を待たせ修二達は音のするほうへ近づいた。
「誰かいるのか!?」
山下の問いかけに返事はない…
「気のせいだろ…」
2人が瓦礫から背を向けたとき鉄球がぶつかったような重みが2人の背中に走った…! ボゴォッ!
「ガハァッ」
「グワァ」
2人は数メートル先まで飛ばされた!
「ゴホッッ…な…なんだアイツ…?」
「に…人間か…?」
2人が見たものは背丈がゆうに2メートル以上もある黒いコートをまとった巨人だった… 目に生気が感じられず、一点を見つめている… 2人は唖然としていた… (殺される…?!) 2人は身の危険を感じたが立ち上がらなかった…いや…立ち上がれなかった…。

こうしている間にも男と2人の距離は縮んでいく…5メートル、3メートル… 男は拳をふりかざした!
「チキショ…動けっ!動けぇ! 」
グシャァァ! 間一髪…男の拳は2人をかすめ瓦礫を粉々にした! ダララララ ダダダダダ 2人は間合いを取り鉛玉 を浴びせた… しかし男は怯む様子なくこちらに向かってくる!
「あれだ!」
山下は傍にあるドラム缶を撃った!
「修二!」
キィン ゴォォォォ! 男は炎の中に閉じ込められた…
「いくぞ!」
2人は姉弟のほうに走り出した 「なにがあったんですか?」 心配そうなユリを無視し2人は姉弟を引っ張り走り続けた! 男の生死を確認せず…。

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