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【雪国での暮らし−降雪対策】  

関東から秋田県大仙市に移り住んだものにとって最も厳しいのが冬の雪。
寒いだけでなく、生活の妨げや家屋、植木の損壊なども起こりうるため、10月後半からは
降雪対策に追われます。

元からこちらに住んでいる方にとっては、毎年当たり前のことですが、新参者にとっては
どうしたらよいかということも多くありますが、そうしたことを扱ったHPは極めて少な
いようです。

1.家の雪囲い

家の雪囲いをする理由としては、@屋根から落ちてくる雪によるガラス等の損壊を防ぐ、
A積雪の重みによるガラス等の損壊を防ぐ、B雪が付着して凍結することを防ぐ、C家の
中に雪が入り込むことを防ぐ、などが挙げられます。
このため、家の1階部分の窓がある部分が中心となり、昔は家全体を覆っていたようです
が、最近では壁の部分には行いません。
   
−窓の雪囲い−

雪囲いは毎年行うため、保管と取り付けが容易であることが肝心です。窓の雪囲いで代表
的となってきているのが、網戸のレールにはめ込むタイプです。以前は大工さんに一ヶ所
ずつ手作りしてもらったようですが、最近ではサッシ店等で雪囲いパネルとして販売され
ています。板の素材としては、かつては木材が中心でしたが、重く、腐食が激しいなどの
理由からあまり使われなくなってきており、現在では廉価で軽量なダンボールと同じ構造
でポリプロピレンを材料としたシートと、ポリカーボネートを材料とした波板が主流で
す。直接屋根からの雪が当たる部分にはポリカ波板が使われます。

網戸レールにはめ込むタイプの前には、家の外壁にL字型の釘を打ち込んだり、丸太を立
て、それにL字型釘を打ち込み、雪囲い板をはめ込むタイプです。丸太を建てる場合は、
外壁と紐などで固定する必要があります。丸太は軒まで届く必要があるため、3mを超える
ものとなり、保管が大変です。 

  
    (網戸レールにはめ込んだ雪囲い)          (L字型釘で固定された雪囲い)

更にその一世代前のものは窓枠にL字型の突起が並んだものを取り付け、その突起に木の
板をはめ込んでいくものです。これですと、窓が完全に覆われてしまうため、家の中が暗
くなってしまいます。

  
      (丸太を使った雪囲い)               (材木を使った雪囲い:六郷)


−玄関の雪囲い−

雪国の玄関では風除室といって、玄関が二重になっています。室内の暖かい空気を逃がさ
ないようにするためや、衣類に付いた雪を落とす場所が必要なためなどから、殆どの家や
商業施設でそうした作りとなっています。

風除室はサッシで作りこんで通年あるタイプと、窓の雪囲いと同様、冬になると取り付け
るタイプがあり、多くの家ではサッシで通年使用しているようです。当YHは残念ながら
取り外しが出来るタイプで、雪が積もる前に取り付けなくてはなりません。 

  
     (雪囲いを取り付ける前の玄関)            (雪囲いを取り付けた後の玄関)

  
     (サッシの風除室:六郷)              (コンビニなども二重扉になります:金沢)



2.植木の雪囲い

−植木の雪囲いの種類−

植木の雪囲いは、主に降雪から植木を守るために行いますが、一部道路に面しているとこ
ろでは除雪車から守るためという意味もあります。

植木の雪囲いの種類は各家それぞれですが、主に@小さな単独の木、A大きな単独の樹
木、B並んだ樹木、に分けられるようです。

@小さな単独の木

小さな単独の木の場合、横に広がった木ではすのこを立てかける方法が簡単で多く見られ
ますが、縦長の木の場合、まとめて紐で結わっておくだけのものや材木を三角錐に並べる
方方が取られます。

  
      (中学校の植木の雪囲い:藤木)          (丸太を使った三角すい雪囲い)

  
     (材木を使った雪囲いと雪吊り:六郷)        (縄で縛っただけの雪囲い:六郷)


A大きな単独の木

大きな単独の木の場合、枝が折れないように支えを立てるものや材木を並べる方法が一般
的なようですが、松などでは雪づりをするなど形に応じた方法を取られる方もあるようで
す。

  
     (丸太を使った雪囲い:藤木 )          (竹さおを組んだ雪囲い:藤木)

  
  (幅広い樹木はこうした本格的なもの:藤木)    (防風ネットを利用した雪囲い:藤木)


B並んだ樹木
     
並んだ樹木の場合、まとめて囲ってしまう方法を取っています。

  
     (近くの工場の雪囲い:藤木)       (生垣などはこうして雪と除雪車から守る:藤木)

 
 (ベニアや家の雪囲いを廃物利用して:藤木)


3.除雪道具

(1)雪かき道具の種類と使い方

雪の少ない地域では雪かき用シャベル1つで足りてしまいますが、雪の多い地域では雪の状
態に応じて道具を使い分けます。

降りたての雪は大曲では比較的水分が少なく軽いため、雪かきやポリスコップなど軽量で
量を捌けるものを使います。融雪パイプなどで水分が多くなった場合には穴が開いて水分
だけ落ちる雪かきを使います。そうしないと水分も運ぶことになるため、非常に重くなり
ます。積雪量が多くなってくると更にスノーダンプ(通称ママさんダンプ)で雪を運びま
す。
     
2月、3月と根雪になったり、凍りついたりした場合、金属製のスコップが活躍します。
プラスチック製の雪かき等で凍った雪を取り除こうとすると、先が欠けてしまい使い物に
ならなくなってしまいます。鉄製のスコップは破壊力抜群で氷を砕くことが出来ますが、
結構重いため、ずっと使っていると腕が上がらなくなります。このため、鉄製スコップで
砕いて、ポリスコップやスノーダンプで運ぶということになり、雪かきをする場所に道具
が散乱することになります。

スノーブラシは主に車で使いますが、車の中に1本、玄関先に1本と複数が必要です。車
のトランクに入れておくと、積もってしまったときに取り出せません。ただ、車に常備し
ていないと、買い物等で出かけた時に使えませんので、困ります。
     

   
   左からラッセル、雪かき、ポリスコップ       左からアルミスコップ、鉄スコップ(先丸)、
                                         鉄スコップ(先角)
 
     左からスノーダンプ、スノーブラシ