Terence Trent D'Arby James Brown
In The Jungle Groove
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■ショービジネス界のゴッドファーザー
 JBである。「ゴッドファーザー・オブ・ソウル」「ミスター・ダイナマイト」「ファンキー・プレジデント」などの異名を持つジェームス・ブラウンである。え?今、どなたか失笑しませんでした?失礼ですよ。プレジデントに。
 ここ日本に於いてJBとはまだまだキワモノに近い存在として一般ピープルから見られている、と俺は感じる。というより俺も少なからずそう思っていた。それもそのはず、機嫌が良いと『お前はソウル・ブラザーNO.1だ!』と誰にでも言うし、『俺のルーツ(祖先)は日本人だ!』と平気で嘘をつく(アジア系の血は混じっているらしい)。警察とのカーチェイスや銃撃戦、ライフル乱射、挙げ句の果てにはセクハラ疑惑や妻へのドメスティック・バイオレンスなどの内外での暴れっぷり。そう、本業以外でのおもしろ?エピソードが多すぎるのだ。名作『In The Jungle Groove』を紹介することで、最高のエンターテイナーという本来の姿も再認識していただければ幸いである。

 本作は69年から72年までの、まさに黄金期ともいえる油の乗り切った時期の曲を集めたもので、86年にリリースされた。おぉ〜、この発売時期はまさに初期ヒップホップが隆盛を極めようとする時期に一致しているではないか。「世界で最もサンプリングされているアルバム」として有名なのもあながち嘘ではないらしい。実際、名曲『Funky Drummer』はアイス・キューブ、アイス T、パブリック・エネミーなどのビッグネームにサンプリングされている。しかもこの曲、

『bonus beat reprise』(ドラムとJBのシャウトのみのトラック)が収録されており、ヒップホップな人にとって非常にユーザーフレンドリーな作りとなっている。また、この時期にベースのブーツィー・コリンズが加入したのだが、これには逸話がある。ライブを前にバンドが賃上げを要求してストを起こしてしまった時のこと。JBは即座にブーツィーのバンドを自家用ジェットで呼び出し、文句を言っていたメンバー全員をその場で解雇してしまった。自分こそがバンドの核であり「勝手に文句は言わせねぇ」ということらしい。お、おそろしやJB。
 本題に戻ろう。アルバム全体を通して聴くと“熱い”の一言。1曲目から全身汗だくである。JBが上半身裸でシャウトしている姿が目に浮かぶようだ。要するに、スタジオ録音ではあるが、JBがステップを踏みながらこちらに飛び出してくるようなライブ感がバーンと伝わってくるのだ!ならばこちらも負けてはいられない。パソコンなんかでちまちま聴いている場合ではない。『BOSE』のスピーカーがぶっ飛ぶぐらいの大音量で踊りまくるのだ。そして叫べ!汗には汗で対抗だ!

 10年ほど前、大阪城ホールでJBのライブを見た。70年代頃のビデオと同じだったので(違うのは体型と動きだけ)笑ってしまった。しかし、彼の動き一つでバンドがコントロールされているのには正直驚いた。確かに彼がバンドのコアだ。
 R&B→Soul→Funkという時代の流れの中で常に第一人者だったJB。ミック・ジャガーが足繁く通い、ジャクソンズが合間に出演を懇願し、プリンスが彼のステップを取り入れようとした驚愕のステージ・・・etc。JBは奥が深いのだ。

リリース 1986 JB's
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