TLC Marvin Gaye
What's Going On
■P2Pの原点
 Winny、WinMX、KaZaA、LimeWireなどなど、インターネットを楽しむWin系ユーザーであればこれらのソフトはもうすでにご存じだと思う。いわゆるファイル交換ソフトと呼ばれるものである。これらはP2P(ピアツーピア)と呼ばれ、不特定多数の個人間で直接情報のやり取りを行なうインターネットの利用形態である。10年ほど前「Napster」や「Gnutella」という音楽ファイル交換ソフトに端を発し、そのクローンソフトとして前出の「Winny」などがブロードバンドの爆発的普及により利用者が格段に増加したのである。(善し悪しは各自のご判断にお任せしたい。)

 さて、この「P2P」の原初的な形態として友人、知り合い、親兄弟との貸し借りというのがある。「○○のCD持ってる?」とか「この本読み終わったら貸してよ。」など、経験のない人を探す方が難しいくらいだと思う。その中でも『借りパク』をするという不届きなやからがいるというのも否めないであろう。彼らの心理状態は如何に?他人のものは自分のものとでも思っているのであろうか?はたまたただ単に返しそびれただけなのか?読者も知りたいところではあるまいか?
 以下、俺が『借りパク』されたものの一覧である。(古い順)
本(ベーブルース物語)、エロ本(ビニ本)、レコード(フリーズ・フレーム)、カセット(Let It Bleed)、カメラ、ドラムスタンド、ビデオ(P-Funk Live)、マンガ(アドルフに告ぐ)、ビデオ(Sly & The Family Stone Live)、CD(いろいろ)、テレビデオ(?)・・・など等など!

 これらを書き連ねているとある傾向が見えてくる。テレビデオを除き、全てが小物であるということだ。(当たり前か?)
 本・ビデオ(もう読んだり、観たりしたんだから返さなくてもいいか)、CD(どっか紛れてしまったなぁ、まぁそのうち返すよ。)・・・という言い分であろう。喝ーっ。そういうものは大概が使われないで、どこか隅に追いやられているのだ。P2Pよりタチが悪い!

 今回紹介するMarvin Gayeの『What's Going On』は彼が復活を果たした記念碑的アルバムである。
 60年代、彼はソウルシンガーとして歌姫タミー・テレルとともに「Ain't No Mountain High Enough」など数々のデュエット曲をリリースしていた。彼女がコンサート中に彼の腕の中で倒れるまでは・・・。彼女亡き後、マービンはすっかり引きこもってしまったのである。それでも「自分に何ができるのか?」と自ら問い続けたのだそうだ。その苦悩を経てリリースされたのが本作なのである。
 ベトナム戦争を目の当たりにして、死んでいく兄弟や悲しみに暮れる家族に向け「愛」の大切さを歌ったのである。

 ところで前フリと何が関係あるのか?と不審を抱く読者もおられよう。何とこのアルバム20年近くも俺が『借りパク』しているレコードなのである。最初は聴きたかったのである。次にジャケットがよかったので部屋に飾りだした。何度も返してくれと言われました。それどころか、『置いててええから、せめてテープに録音してくれ!』ともおっしゃってましたねフォトデリック2号さん!そろそろ返しましょうか?

リリース 1971 Mary J. Blige
おすすめ曲 What's Going On
これも返すべき!
Marvin Gaye / Let's Get It On
★ ★ ★ ★
Super Bad
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photodelic
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