夜眠れなくなったのはいつの頃からであっただろうか。昔からもともと夜型人間だったようである。それが中学、高校、大学と年を経るに従い、それが顕著になってきたように思える。要するに不眠症なのである。ただ、世間一般そういう症状がある方々の対処---眠れぬことに対してのイライラ、焦り、諦めなどのネガティブな感情---とは違い、もっと眠れぬ時間を有効利用しようという積極療法(?)を実践していたように思う。
例えば大学時代は下宿生の部屋を何日も泊まり歩いたり、(あまりにも頻繁なのでヒンシュクを買ったこともある。)本を読みあさったり、遊びまくったり、とにかく眠れない体質を逆手にとって無理矢理有効利用しようとしていたのだ。
そういう無理は体と心の両方をむしばむ。昼間の生活はむちゃくちゃになり、親兄弟は言うに及ばず、友人たちなどにも多大なる迷惑をかけたことだと思う。この場を借りてお詫び致します。ゴメンナサイ。こういうギリギリの状態でなんとかやってこれることができたのも音楽があったからである。MDや「
iTunes 」が出てきて以来やることはなくなってしまったが、よくいろんな曲を編集してミックステープを作ったものである。それも徹夜で作っているのだからタチが悪い。
友人、彼女、見知らぬ人、架空の人、そういう人のためにテープを作り続けた。だけど一番は自分のためだった。今はクリック一発でできることだが、その当時はいかに最高のテープを作るのか苦心していた。曲の流れ、A面B面、時間、曲のつなぎ目などなど、いろいろ考えなければならなかったからだ。