小豆島に別荘を持っている友人がいて、学生の頃何回か泊まりで遊びにいった。泳いだり、ドライブしたり、ど下手なテニスをしたり、アホ話をしたりして夜は更けていくのである。
そんなとある秋の夜更け。若さ故、自然に腹が減ってくるのである。そんな時はラーメンと相場が決まっている。みんな酔ってたり、話に夢中で、食べたいのはどうやら俺だけらしい。台所に行き雪平鍋でラーメンを煮る。カップ麺はあまり好きではない。野菜とか玉子とかいれて作るのが好きなのだ。その時はそんな気の利いたものはなかったのだが。いや、でも、おいしそうにできました。器にいれるのももどかしく、鍋のまま皆のいる部屋へ。すかさず獲物に群がるハイエナよろしく、3〜4人が鍋に群がってきたのだった。箸をつっこむヤツ、鍋を奪おうとするヤツ、酔ってヘラヘラしてる奴、「返せ!」、「くれろ!」の押し合いへし合い・・・。ざばっと俺の足の甲に煮えたぎったラーメンが降り注ぐ。「あづぅ」と言い残し、俺はその場で空中遊泳。ぴょーんて飛んでました。マジで熱かったからね。靴下はいてたから余計にね。みんなそのジャンプに「すごい」、「マンガみたい」、「とびます飛びます」と、のほほんコメント。「人間、助走なしでもあんだけ飛べるんやね」などと変に感心してる奴もいた。ええっと、俺、歩けないぐらいヤケドしてるんですけど・・・。
例えるならば、『Fishbone』デビューEPのジャケットみたいなハイ・ジャンプ。真ん中で飛んでるクリス(キーボード・トロンボーン)のような格好で「あつあつ」言いながら、