フィッシュボーン /  サイコティック・フレンズ・ネットワークス Fishbone &
The Familyhood Nextperience
Psychotic Friends Nuttwerx
■驚異の跳躍力
 小豆島に別荘を持っている友人がいて、学生の頃何回か泊まりで遊びにいった。泳いだり、ドライブしたり、ど下手なテニスをしたり、アホ話をしたりして夜は更けていくのである。
 そんなとある秋の夜更け。若さ故、自然に腹が減ってくるのである。そんな時はラーメンと相場が決まっている。みんな酔ってたり、話に夢中で、食べたいのはどうやら俺だけらしい。台所に行き雪平鍋でラーメンを煮る。カップ麺はあまり好きではない。野菜とか玉子とかいれて作るのが好きなのだ。その時はそんな気の利いたものはなかったのだが。いや、でも、おいしそうにできました。器にいれるのももどかしく、鍋のまま皆のいる部屋へ。すかさず獲物に群がるハイエナよろしく、3〜4人が鍋に群がってきたのだった。箸をつっこむヤツ、鍋を奪おうとするヤツ、酔ってヘラヘラしてる奴、「返せ!」、「くれろ!」の押し合いへし合い・・・。ざばっと俺の足の甲に煮えたぎったラーメンが降り注ぐ。「あづぅ」と言い残し、俺はその場で空中遊泳。ぴょーんて飛んでました。マジで熱かったからね。靴下はいてたから余計にね。みんなそのジャンプに「すごい」、「マンガみたい」、「とびます飛びます」と、のほほんコメント。「人間、助走なしでもあんだけ飛べるんやね」などと変に感心してる奴もいた。ええっと、俺、歩けないぐらいヤケドしてるんですけど・・・。

 例えるならば、『Fishbone』デビューEPのジャケットみたいなハイ・ジャンプ。真ん中で飛んでるクリス(キーボード・トロンボーン)のような格好で「あつあつ」言いながら、

火事場の馬鹿力的奇跡の跳躍をみせたのだった。周りのみんなもこのジャケット同様の表情をしていた。うん、きっとそう。

 さて、今回のアルバムはタイトルなどでもわかるようにいろんなミュージシャン、友人が参加している。 レッチリのフリー、ジョン、チャド。それからジョージ・クリントンやリック・ジェームス(!)まで。他にもいろんな顔ぶれが揃っている。故に曲調も多彩。スカはもちろん、ファンク、レゲエにロックと『フィッシュボーン』節を聴かせてくれます。91年の『The Reality of My Surroundings』で目立ったハードな感じは少なく、今回は全体的にハッピーな曲調が多い印象ですな。大好きなスライの名曲「Everybody Is A Star」もカバーしてて、個人的に好感度大。そう言えば、『フィッシュボーン』ってスライやP-FUNK的なところがあると思いません?ホーン使ったり、何人かで歌い回ししたりするとこなんか。いかにもね。
 同時期、同ジャンルでデビューしたレッチリとはセールス、知名度ともに歴然な差をつけられてしまった感がありますな。よく言われるように、このジャンル黒人には向かないのか?いやいや、その昔録画した「Sony MusicTV」でのライブやオフィシャルサイト「FISHBONE DOT NET」のビデオを観て、彼らの凄さを再認識しましたよ。ほんとカッコいい!!

 俺のフェイバリット、クリスはやめてしまい、オリジナルはアンジェロとフィッシャーだけになってしまったが、一度でいいから彼らのライブを生で観てみたい。元気にぴょんぴょん跳びはねてるフィッシュボーンを!!!!!!!!!

リリース 2000 リンボーマニアックス
おすすめ曲 Everybody Is A Star
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