高校3年の文化祭を控え、僕らのバンドはステージ発表に参加するためのオーディションを受けた。そのオーディションでのことだ。2年生のあるバンドに僕はちょっとした衝撃をうけてしまった。
まだ流行り出したばかりだったストレイキャッツの曲を、彼らは見事にコピーしていた。おまけに髪形もブライアン・セッツァーばりのリーゼントできめている。当時は、「バンドやってる」といえばほとんどがハード・ロック。ほかのヤツらはほとんどがディープ・パープルとかレインボーとか、そんな時代である。ブライアン・セッツァーみたいなギターをこんなに弾きこなせるヤツが、もうすでにいたなんて!やられた!
当時、リアルタイムで興味のある数少ないバンドがストレイ・キャッツだった。夜中のミュージック・ビデオ番組で、僕が心待ちにしていたのが「ストレイ・キャット・ストラット」のビデオ・クリップだった。アメリカでのブレイクのきっかけとなったビデオ・クリップだ。ちょっとした革新的なバンドの例にもれず、彼らもやはりまずはイギリスでブレイクし、見事にアメリカに凱旋帰国を果たすこととなった。
ストレイ・キャッツはほんとにカッコよかった。「ロカビリーって古くさい」(とくに日本では、平尾昌晃とか、誰かとか、懐メロ番組で観る音楽だったので、よけいにそう思っていたのかもしれない。)そんなイメージを吹き飛ばすインパクトがあった。リー・ロッカーのウッド・ベースに