その長さを感じさせないところがさすがやね。逆にもっと聴きたいぐらい。
デューク・エリントンに捧げられた「Sir Duke」やこれに続くファンキーな「I Wish(回想)」のブラスアレンジがカッコイイ。ところで、スティーヴィーって、人のために曲を作るってことが好きみたいで、かの「Superstition(迷信)」もジェフ・ベックのために書かれたものらしい。他の曲でギターを弾いてもらってたからね。義理堅いんだね、スティーヴィー。ちなみにスティーヴィー・レイ・ボーンのために書かれた曲もあるらしい。ええ奴っちゃで、スティーヴィー(ワンダー)。佳曲「Pastime Paradise」はクーリオの「Gangsta's Paradise」のサンプリングネタで一気にブレイク!!再発見でしたね。
LP-C面(CDだとDisk2)1曲目「Isn't She Lovely」でノックアウト!!!娘のアイシャの誕生を素直に歌ったラブリーな曲。途中で入ってくる子供の無邪気な声はもちろんアイシャ。何だかほのぼのしますな。“トゥー・ル・ル・ル・ル〜”と冒頭から入る「As」。いかにもスティーヴィーって感じで味わい深い。全体を通しても、スティーヴィーのポップセンス爆発の、まさに“ワンダー”な作品なのだ!!!
時として別れというのも突然やってくる。今作にも参加したミニー・リパートンが79年に他界している。スティーヴィーが見舞いに行った翌日のことである。葬儀の日スティーヴィーの歌う「If It's Magic」が参列者の涙を誘う。
「もしそれが魔法なら・・・太陽がいつも輝いているように、
なぜ永遠に続かないの・・・」