ザップの記念すべきファースト・アルバムである。ロジャーとの共同プロデュースがブーツィーで、さらにジョージ・クリントンとも関わりがあるのでPファンク系と見られがちだが、オハイオプレイヤーズ直系ファンクなのである。(どこが違うの?と聞かないでね。)まぁ、オハイオ州出身で、ザップも彼らを敬愛してるからね。
1曲目「More Bounce to the Ounce」で一発KOされちゃいます。ブリブリベースにシンプル&パワフルドラム、大きめのハンドクラップにギターカッティングが入り、トークボックスボーカルが大きな展開のない10分もの大作を彩っている。まさに完璧!ファンク好きが「うわ〜っ」と飛びつくナンバーであります。ちなみにトークボックスをヴォコーダーと同じだと思っている人が多いけど(俺も!!)、違うようです。ロジャーはトークボックス使いです。ファンならお間違えなく!!(俺やん)
2Pacが『Keep Ya Head Up』でサンプリングした5曲目「Be Alright」も秀逸。この曲も最後の「Coming Home」もそうやけど、何かザップってブルースに通じるものがあるね。エレクトロニクスを駆使した80年代的ブルースやね。
『California Love』でロジャーと共演した2Pacが凶弾で倒れたように、ロジャー自身も1999年4月、兄ラリーによって射殺されてしまう。メンバー2人を失った(ラリーも自殺してしまった)ザップは紆余曲折を経ながらも、現在も活動をつづけている。ロジャーはもういないが、そのグルーヴやショーマンシップは健在なのである。