25年程前の話。渋谷陽一のFM番組に山下達郎がゲストで来て、その頃達郎は"Loveland island"で大ブレイクした直後で自らのルーツを紹介するということで様々なシングル盤を持参し当時からオタクぶりを誇示していたのだが、以外にもその内容は英国のポップバンドが中心だった。その時ゾンビーズというキワモノな名前のバンドの“Tell Her No"という曲を初めて聞いた。
その胸キュンなメロディセンスにドーテーの私は心打たれたのだが、CDはまだ流通しておらず輸入盤も60年代は品薄な時代で、このCDを入手したのは10年以上経過してからだった。
タイトルから解るようにDECCA時代のシングル盤をA面全部、B面全部の順に網羅したものである。現在はリミックスやら何やら山ほどベスト盤が出ているが、発表順にA面11曲をど〜〜っと聞けるのはこのアルバムのみ。
圧巻そして感動である。
捨て曲なし。ツボ押さえまくり。ビートルズにもキンクスにも引けを取らないこれらの楽曲群が全く売れなかったらしい。最大のヒット曲がデビュー曲の"She's Not There"で“Tell Her No"は3曲目。
2曲目の"Leave Me Be"が地味で勢いをつき損ねたという要因もあろう。ギターとベースがダブル眼鏡というルックスのハンデもあろう。ヤケクソでつけたゾンビーズという名前のイメージもあろう。それらを差し引いてもあまりある魅惑の名曲の数々である。