Live at Fillmore West King Curtis
Live at Fillmore West
■シチューつながり
 梅田にバーボンハウスがあった頃、ウエスト・ロード・ブルース・バンドをよく観にいった。いうまでもなく、ブルースとライブハウスは相性がよく、しかも彼らはサービス精神が旺盛なので、中休みを入れ3時間近くもライブをやってくれたりする。そうなるとブルースファンの熱狂ぶりはすさまじく、思わず笑っちゃうようなヤジやら、時にはえげつない言葉が飛び交ったりして、大盛り上がり大会の様相を呈する。俺らもご多分にもれず、ぎゃーぎゃー騒いだり、勝手に録音したり、レシート破り捨てボトル隠して持って帰ったり、やりたい放題!!申し訳ない・・・ただの酔っぱらいで。
 ある時、熱狂のライブも終わり、しばらくたった頃、俺とHG(レーザーラモンではありません)は我慢ならず、楽屋へと向かったのだった。あと何曲かやってくれってことを伝えに。
 「すいません。もっとやってくださいよ。」
 先ほどまで強烈なヤジを受けていたギターの山岸とヴォーカルのホトケがグラス片手にタバコの煙をくゆらせながら、何か談笑している。俺らのことは無視というかまるっきり眼中にないといった感じだ。
 「あ、あのですね・・・」
 近くにいたベースの小堀が俺らの言葉を遮り、大人な対応をしてくれた。俺らは半分酔いが醒め、すごすごと引き上げるしかなかったのだった。申し訳ない・・・若気の至りで。

 彼らの2枚組のレコード「Live In Kyoto」に"Kyoto Soul Stew"というメンバー紹介のインストが収録されている。
最近まで彼らのオリジナルと思ってたけれど違ってた。作曲クレジットを見ると「King Curtis」と書いてあった。

 キング・カーティスは主に60年頃から10年間ほど活躍した サックス・プレーヤーだ。元はジャズ系のようだが、R&Bやソウルを中心にブルース、ファンク、さらにはロックまでもこなすマルチな才能の持ち主である。今回紹介するアルバムにもツェッペリンやスティービー・ワンダーのカバーが収録されているし、デュアン・オールマンと作った曲"Games People Play"がグラミーを獲ったりしている。
 このアルバム「Live at Fillmore West」は71年の3月に録音され、7月にリリースされた。その1ヶ月後の8月にジャンキーに刺されて死ぬという悲惨な最期を遂げるには余りにも惜しい名演である。コーネル・デュプリーやバーナード・パーディーがバックをつとめる「キングピンズ」を従え、ゲストにビリー・プレストンという豪華メンバー。アルバムでは"Memphis Soul Stew"から始まるのだが、それが「メンフィスのソウル・シチュー」というごった煮---ジャズ、R&B、ソウル、ロックの融合を暗示している。俺のようなインストのみに耐えられない読者は、同じ日、カーティスとキングピンズがバックをつとめた、アレサの「Fillmore West」を続けて聴いてみよう!

 オリジナル"Soul Stew"のジェリー・ジェモットのベースはもちろんすばらしい。小堀バージョンはファンキーだ。だけど、俺にとっては、HGが得意満面に上へ下へと弾きまくる姿も忘れるにわすれられない。何故って、HGと会うときは決まってこのベースラインが俺の頭ん中で鳴り響くからだ!
リリース 1971 Aretha Live at Fillmore West
おすすめ曲 Memphis Soul Stew
これも聴くべき!!
Aretha Franklin /
Aretha Live at Fillmore West
★★★★★
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