アウト・オブ・ザ・ブルー (完全生産限定盤) Electric Light Orchestra
Out Of The Blue
■哀愁の70’S(ケータイ不可)
今月号のレコードコレクター「70年代ロックベスト100」となっている。1位SEX PISTOLS。時代を象徴するアルバムという事でさもありなん(なぜかLONDON CALLINGは52位)。2位ニールヤング「アフター〜」3位「ジョン魂」共に内省的名盤。以下おなじみの名盤もあれどちょっと渋過ぎんちゃうか。先月号では「ペットサウンズ」が1位やったが60年代青春の人のリアルな名盤とちゃうやろ。別に後追いの評価もええけど70年代青春派にとって決定的に欠けてるものがある。キッスとクィーンとエアロでんがな(興奮して関西弁)。あんたらミュージックライフには世話なってへんかもしらんけど時代の文化無視してどないすんねん。まあ「おやじロック」は恥ずかしいけど。
俺の最初のリアルな青春ロックはELOでんがな。ダイアトーンポップスベスト10で「テレフォンライン」の哀愁メロに胸きゅん。ビートルズ以外で初めてアルバム「オーロラの救世主」買った(ジェフリンがビートルズ復活をプロデュースするとは思わんかった)。その後すぐに2枚組大作である本作がリリースされたが期待を上回る傑作だった。ストリングスとロックの融合はすなわち映画音楽ファンだった自分にとってストライクゾーン。全曲シングルOKの美メロに疑似ヘッドフォン(コタツ内にスピーカーを仕込み頭だけ突っ込む。特許考案中)でトリップ。来日も決定し高校受験2週間前ながらチケットを購入。これがライブ初体験となった。
それにしてもロックコンサートとは如何なるものなのだろうか。キッスは火を噴いたりリッチーはギターを壊すらしいがELOはメロディ系だから大丈夫だろう。
大阪フェスティバルホール。悪友(全然好かん奴)と興奮を抑えながら会場入り。黒い布に覆われたステージにドラムやアンプが据えられバックには巨大なELOの円盤ロゴマーク。以前父と来た「第九」の時とは明らかに違う雰囲気に圧倒された。今からロックを体験するのだ。
日本初のレーザー光線が暗転したとたん会場の左右に幾何学模様を映し出す。現在からすればどうって事ないが会場がまさしく「うお〜〜っ」とどよめいた。いやが上にも期待が膨らむ。そして1曲目。馬鹿みたいに音がでけえ!会場後方の席だったが全身が震えるほどの音圧。まじで当時のPAは今の2倍音がでかかったと思う。ああこれがロックなのか。何が何の音かさっぱり解らんが知ってる曲では体が勝手にリズムをとるぞ。当時の客は最初から席を立つという野蛮な事はせん。いてもたってもいられずラスト2曲目ぐらいでやっと総立ち。それまで我慢してた分カタルシス大。アンコールは不器用なステップでナチュラルハイ。初体験気持ちよかった…。耳鳴り3日間がライブの余韻を残す。
ELOはその後大ブレークしたがやたら装飾過多となり(電車男て何?)結局ストリングスを生かしワビサビの効いたこの時期が一番優れていた。自分に酔いしれるでなくどこか諦めてる哀愁な感じがELOの魅力だった。70年代がテーマの「ヴァージンスーサイド」「ブギーナイツ」がこの時期のELOを選曲しているのにはニヤリとさせられた。
とにかくELOも「オペラ座」も「地獄」も「野獣」もない70年代など俺が認めん!どうせ80年代はQUEEN IS DEADでっしゃろ!(フジモト)
リリース 1977 A Night at the Opera
おすすめ曲 C面「雨の日のコンツェルト」
これも聴くべき!!
★★★★★
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