★症状 発病初期には、体表に異常は確認できませんが、魚が痒がって、底砂や流木などに体をこすりつけたりするような動作を見せることがあります。その後、程なく直径1mm以下の白い点が、体表・特に尾びれ等に現れ、それがだんだんと体全体に拡がっていきます。症状が進むと金魚は元気が無くなり、底でジッとしていたりするようになります。また、エラに寄生すると、異常に分泌された粘液で窒息状態になり、急速に衰弱して死亡することがあります。 ★原因 原生動物の繊毛虫(イクチオフチリウス・白点虫)が金魚の体表に寄生することによります。体表に現れる白い点は、成虫が寄生している状態です。白点虫が繁殖可能な水温は2〜27℃といわれています。成虫はしばらく魚の体表に寄生した後、魚から離れ、水底で分裂して幼虫(?)になります。この幼虫は程なく水中を漂い、新たな寄主を探します。運良く寄生するのに適当な魚が見つかると、体表に張り付いて寄生し、体液を吸いながら成長していきます。このサイクルを繰り返します。 ★対策 ◆水温を25℃以上(できれば30℃くらいまで)に上げる。 水温が低い場合は急激に水温が変化しないように、1日に数℃ずつ、日数をかけて温度を上げていきます。水温を上げるのは、白点虫が金魚の体から離れるのを促すためです。虫が金魚に寄生した状態では薬の効果が現れません。効果を高めるには水温は高い方が良いのですが、金魚がひどく弱っているようなら、やや低め(25〜28℃くらい)にとどめた方がよいでしょう。なお、25℃以上で白点虫は増殖しなくなるといわれており、それ以下の水温では効果が劣るおそれがあります。 ◆0.5〜0.6%の濃度の塩水浴を行う。 ◆魚病薬(色素剤、二塩化炭素剤)による薬浴を行う。 (※)症状が軽く金魚が元気な場合は、水温を上げて塩水浴するだけで治癒する場合もあります。ある程度症状が進んでいる場合は、これに魚病薬による薬浴を併用すると効果が高まります。 (※)魚病薬は白点虫が魚に寄生している間は効果がありません。よって治癒したと思ってからもしばらく(1週間くらい)は、さらに水温を高めにし、塩水浴や薬浴を続けたほうが良いでしょう。 ★予防 観賞魚では最もポピュラーな病気です。特に一日の水温変化が大きくなる春と秋はかかりやすいので要注意です。予防策として次のようなことに気を付けます。 ◆水温の急変(特に水温低下)を避ける (置き場所の検討、ヒーターの設置) ◆過密飼育を避ける ◆他の水槽から金魚や水草などを持ち込まないようにする (持ち込む場合は、水槽に入れる前に1週間くらいトリートメントする) |