□ Inside My Mind □

クリスティーヌの心の中にいる「オペラ座の怪人」とは?


・・・――――――――――――・・・――――――――――――・・・
Do I dream again?
For now I find
The Phantom of the Opera is there
inside my mind...

You turn from me,
to glance behind,
The Phantom of the Opera is there
inside your mind...

・・・――――――――――――・・・――――――――――――・・・

私の中にあなたがいて、あなたの中に私がいる。
「君達がいて僕がいる」のノリとよく似ておりますな(爆)
いや、一緒にしちゃいかんのですが。

日本語の歌詞ではなかなか分かり難いのですが、ここで歌われている「The Phantom of the Opera」とは、肉体を持って現実に存在する一人の男を指しているのではなく、クリスティーヌの心の奥に眠っている歪んだ夢、病んだ願望が生んだ幻としての「オペラ座の怪人」を指しているのではないかと思いますね。
現にクリスティーヌは、「私は見つけたわ、オペラ座の怪人を。ここに・・・私の心の中に」と歌っているし、ファントムは「実在する私から目を逸らし、心の奥の影を覗いてごらん。私はそこにいるのだよ、君の心の内側に」と歌っている。

ファントムがクリスティーヌに惹かれた要因を考える上で、この「心の影を同じくする人」という実感は、かなり重要なポイントの一つだと思います。
「あの人の中には私がいる。私たちは一つになれる」という認識は。
クリスティーヌの中に自分と同じ魂を見出した時、ファントムはさぞかし嬉しかっただろうと思います(笑)

人とは違う呪われた顔、人とは違う祝福された才能。
何一つ他人とは分かち合えなかった人生。
気が遠くなるような孤独の中で、もっとも根源的な心の深淵を分かち合える相手と出会えたのだから。

もちろん肉体的な欲望もあったかと思いますが、それ以上にファントムはクリスティーヌの心と自分の心を一つに溶かしてしまいたかったのでしょうかね。
一つの心を別々の肉体が共有しているのは、おかしな話ではないか?
ならば肉体も一つになればいい・・・。

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