Musical type1
Musical type2
Standard type
PHANTOM
OF THE PARADISE type
Phantom
Takaraduka type |
ミュージカル『オペラ座の怪人』の中で、ファントムは顔の右半分を覆う白いマスクをつけていますが、あの片面マスクのデザインはかなりの少数派でして、(私の知る限り、ミュージカルオンリーか?)多少のデザインの違いはあれど口以外を全て覆うタイプのデザインが主流ですね。
ミュージカルに於いても、パンフレットなどのデザインは両眼を覆うタイプの仮面が採用されていますね。単体でデザイン化した場合に、片面タイプだとバランスが悪いんでしょうな。
しかしこの片面タイプの仮面のデザイン、実際に人間が着用した場合に、素晴らしい視覚効果を発揮しますね。
もちろん両眼を覆ってしまうと視界が狭くなり、ただでさえ暗い舞台の上で、役者にとって危険だという現実的な問題もあったかとは思いますが、役者の表情を生かしつつ、全てを覆うよりも謎めいた雰囲気を引き立てる片面マスクのアイデアは秀逸だと思います。もしミュージカルでファントムが顔全体を覆うタイプの仮面をつけていたら、ビジュアル面での魅力は落ちるのではないかな〜。
ちなみに原作のエリックはどんなマスクをつけていたかと申しますと、
「黒い大きなマントを着て、顔全体を隠す仮面をつけた男」
「四角い黒の絹のマスク」とありますね。
どうやら白マスクではなく、黒いマスクをつけていたようです。
さらに口髭のついた混凝紙(パピエマッシュ―紙を固めたもの)の鼻を付けていたらしい・・・・・・えーと、いわゆる一つの鼻めがね?
スーザン・ケイの「Phantom」の中では、仮面そのものに対する描写は多くありません。幼少時は「小さなヤギ革の仮面」、成人してからは「顔は白い仮面で完全に覆われている」と言うことで、タイプとしてはスタンダードタイプに近いでしょうか。
映画では1974年制作の「 PHANTOM OF THE PARADISE」でのメタリックな仮面が異彩を放っていますが、1943年制作クロード・レインズ(Claude Raines)主演の「Phantom of the Opera」、1990年制作チャールズ・ダンス
(Charles Dance)主演のTVドラマ「The Phantom of the Opera」、またケン・ヒル(Ken Hill)版の舞台においても、多少のデザインの違いはありますが、両眼を覆い口元だけ露出するタイプの仮面をつけています。
1993年アーサー・コピット(Arthur Kopit)版の舞台も上のタイプの仮面なのですが・・・このチープな感じはなんだろう。仮面を留めているひも状の物体が、私の目には黒いゴムに見えるのですが、そうでないと信じたい。
宝塚で上演されたのはこのコピット版ですが、仮面は宝塚独自のデザインが採用されています。
アンドリュー・ロイド=ウェバー版と同じく片面タイプの仮面で、卵の殻をつなぎ合わせたようなひび割れ感のある、面白いデザインになっていますね。
仮面の右上に配された黒い羽が宝塚的。
1998年ダリオ・アルジェント(Dario Argento)監督の「IL FANTASMA DELL'OPERA(オペラ座の怪人)」では、怪人はマスクをつけていません。
怪人=醜いという図式を崩し、ジュリアン・サンズ(Julian Sands)演じる長髪二枚目な怪人が登場します。
二枚目なんだけどねずみフェチなんだな〜勿体無い。 |