真犯人は誰だ!?
〜イル・ムートの惨劇 問題編〜


報告:あさって

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『イル・ムート』上演中に、主演のカルロッタ・ジュディッチェルリさんに降りかかった”カエル声”の悲劇は、誰もがオペラ座の怪人の仕業によるものだと考えていた。
しかしその後、オペラ座の怪人より送られてきた手紙によって、真犯人は別にいるのではないかとの疑惑が浮上している。
というのも、オペラ座の怪人より劇場の支配人に送られてきた手紙には、次のようにしたためてあったからだ。

親愛なる諸君。
どうだね、私の見事なショーは?
カルロッタの香水に忍ばせた作品No.182”ケロケロボイス”の効力は、実に素晴らしかったではないか!
あれは少量なら問題ないが、継続的に吸い続ける事により徐々に喉の粘膜に蓄積され、一定量を越えると支障をきたす。
舞台が中盤に差し掛かる頃、カエル声になるよう調節しておいた。

他にも、おやじのだみ声になってしまうNo.187”か〜〜〜っ、ペッボイス”、大阪弁になってしまうNo.192”なんでやねんボイス”などがあるのだよ。
くれぐれも私の機嫌を損ねないで頂きたいものだね。

諸君の心からの友、そしてエンジェル・オブ・ミュージックより。



しかし事件当日、ジュディッチェルリさんは「気分を変えたい」と、いつも使っている香水を使っていなかったのだ。
そして事件の数日前、今は亡き大道具主任のジョゼフ・ブケーが、「地下で面白い物を見つけた。これを飲むと声が変わるんだ」と、”ケロケロボイス”と見られる小瓶を、コーラスガールに自慢していたとの証言もある。
オペラ座の怪人以外の第三者に、”ケロケロボイス”が流出していたのである。

その後の調査により、”ケロケロボイス”は香水ではなく、カツラにふりかけられていたことが分かった。
密閉された香水瓶と違い、カツラにふりかけられた”ケロケロボイス”は、時間が経つと蒸発して効力が失せてしまう。
そのため、何者かによって公演直前にふりかけられた可能性が高い。
つまり犯人は、公演直前にカルロッタの楽屋に忍び込む事が可能であり、楽屋周辺をうろついていても怪しまれない人物だ。

以下に事件関係者の証言をあつめた。
この証言から、事件の真犯人を特定して欲しい。
しかしここで一つ注意がある。
本当のことを言っているのは3人のみ、後の5人は嘘をついている。
誰が本当のことを言っているのか、そして誰が真犯人なのか。
皆さんの健闘を期待している。


[クリス]
メグじゃない、私よ。

[ラウル]
カルロッタは嘘をついている!

[メグ]
ごめんなさい・・・私がやりました。
いつもクリスティーヌを脇へ追いやろうとするカルロッタが許せなかったの。

[マダム]
メグはそんなことをする子じゃないわ。誰かをかばっているのね。

[カルロッタ]
クリスティーヌがやったに決まってるわ!
私の成功を妬んだのよ!!ムキーーーーッ!!

[裏方1]
シャニュイ子爵がクリスティーヌのためにやったんだろう。
当日、開演直前にカルロッタの楽屋から出てくる子爵を見たんだ。

[コーラスガール1]
メグかクリスティーヌがやったんだと思います。
いつも二人でひそひそ内緒話してることが多かったから。

[コーラスガール2]
メグだと思うわ。
いつも「カルロッタがクリスティーヌをいじめる!」って怒ってたもん。

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