アメリカが民主主義を広めたかった理由
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冷戦時代、アメリカは民主主義、資本主義をソ連は社会主義、共産主義を世界に広めていこうと考えていました。しかし、よく考えるとなんでそんなに必死に自分たちの「主義」を世界に広めていきたかったのでしょうか?
今回は、アメリカが民主主義を世界に広めていこうと考えていた理由について学んでいってみましょう。
さて、これを知る手がかりはアメリカの始まりの歴史にあります。
ご存知のようにアメリカはインディアンと呼ばれる人たちから土地を奪い取って国をつくっていますね。もともとは18世紀初めにイギリスからプロテスタントと呼ばれる人たちがやってきたのが始まりです。
キリスト教にはプロテスタントとカトリックというのがあります。カトリックは有名ですね。ローマ法王がカトリックの最高峰です。
このカトリックに対抗して誕生したのがプロテスタント。宗派はいくつもあるんですが、まとめてプロテスタントといいます。英語で「対抗する人々」といった意味です。
このプロテスタントの中でもいちばん純粋な形でキリスト教を信仰しようと考える人たちを「ピューリタン」といいます。キリスト原理主義の人たちで清教徒ともいわれていますね。
この人たちが迫害を受けてヨーロッパにいられなくなり、アメリカにて理想の土地を求めてやってきたのです。
そのアメリカにヨーロッパから多くの人たちがやってきたわけですが、彼らは天然痘などの病気も一緒に持ってきたんです。インディアンにしたら「いらねー土産もってきやがって」って感じですが、免疫を持っていなかったインディアンたちはどんどん命を落としていってしまいます。これを見たヨーロッパから来た人たちは、「神がインディアンたちを追い払い、我々にこの土地を与えてくださった」と都合のいい解釈をするんです。
こうして、純粋な清教徒がつくった国がアメリカなわけです。なので、今でも大統領宣誓式では、聖書を大統領が手にしていますね。
その後、ヨーロッパからいろいろな人が移り住み、信教は自由となりますが、本来はキリスト教の中のどの宗派でもいいですよ。と”宗派”の自由だったんです。キリスト教であることが当たり前だったんですね。ですから、宣誓式では聖書を持っています。今では、仏教とかイスラム教徒かユダヤ教徒か本当の意味で「信教の自由」となっていますけどね。
さて、アメリカが出来て間もなく「マニフェスト・デスティニー」という言葉がありました。「明白なる使命」といった意味ですが、「神から与えられた土地を耕し、神の教えを広めていくことが使命である」と考えるようになっていきます。
アメリカは誕生した当初は、北米大陸の東の端っこだけの国でした。しかし、フランスから土地を買い取ったり、先住民を追い出したりしながらどんどん西に開拓を進めていきます。その後、メキシコ、スペインと戦争をし、土地を拡大していきます。
そして、その後は海外にも目を向けます。当時はヨーロッパの国々が海外の植民地を増やしていっていた頃。彼らヨーロッパの強国は経済的な利益を求めて海外に植民地を増やしていったわけですが、アメリカは「キリスト教民主主義を世界に広める!」というのが理想としてはあったんです。
大きなお世話って話ですけどね。アメリカにしてみたら、良いことしてるって本気で考えていたわけですね。
そして、ハワイやフィリピンを植民地としていきます。
そして、第二次世界大戦です。第二次世界大戦では、ヨーロッパが戦場となり勝利したとはいえ、イギリスなどの力は衰えてしまいます。逆に戦場とならなかったアメリカは強国へと変わっていくのです。
そして、もう一つの強い国がソ連でした。ソ連は神を信じない、宗教を認めないという方針でした。さらに社会主義・・・。アメリカとは反対の理想を掲げているような国です。
アメリカとしたら「ソ連のいいようにされていたら、民主主義もキリスト教も地に落ちる」ということでソ連に対抗するために軍備を拡大。そして、冷戦へと突入していきます。
しかし、もはや、この辺になってくると本来の目的とは違う理由も出てきてしまうんですね。
「ソ連と戦うためには強くなる必要がある。その為には仲間を増やす必要がある」
その結果、民主主義ですらない国でも支援したり、政権が腐敗しているような国でも社会主義に反対しているから援助したり・・・。
さらに軍備拡大も純粋にソ連と戦うため、民主主義を広めるためというよりも”お金”が絡んできてしまったり・・・。
そして、冷戦の時代が終わりを告げると「あれ?なんであんな国を支援してたんだろ?」「もともと、民主主義の国を応援するつもりだったのに・・・」と気づき始め腐敗政権への支援をやめ、独裁政権国家なんかがあっちこっちで崩壊していきます。まぁ、理由は、アメリカの支援の打ち切りだけではないですけどね。
このようにアメリカが民主主義を世界に広めようとした理由には、キリスト教民主主義という素晴らしい理想をみんなにも知ってもらおう、広めていこう!というのが根本としてはありました。もちろん、全員が全員、おなじ理想をもっていたというわけではなく、お金や権力にかかわることもありますけどね。根本としては、そういうことなんです・・・。
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