バブル経済時、なぜ土地や株の価格が上がったのか?
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いわゆるバブルといわれる時代、土地や株の価格が急激に上がっていったことはみなさんご存知ですね。しかし、なぜ、土地や株の価格が急激に上がることになったのでしょうか?
バブル期の土地高騰の原因
1989年には、銀座の1等地の価格は、1坪、つまり畳2畳分がなんと1億円を突破しました。4畳半でも2億5000万の計算ですね。普通のサラリーマンが一生働いても手がでない金額!!!
なんで、こんなに土地の価格が上がったのかというと、そのきっかけは1985年に国土庁が発表した「首都改造計画」だったといわれています。
これは、今後、オフィスビルの需要が急増し、将来の東京はニューヨークにも勝る大都市になるだろうという予想を政府が発表したんですね。国がそういうのなら間違いないんじゃない?ってことで企業などがこれに便乗。次々に東京を中心として土地を買いあさっていったんです。
バブル期の株価高騰の原因
そして、株!この上昇の火付け役となったのが1985年4月の電電公社の民営化。つまり、NTTの誕生です。このNTT株。まぁ、電話なんて今後もみんなが使うものですから、儲かるのは間違いないってことで売り出す前からみんなが注目してたんです。最初の売り出し価格は1株、119万7000円。サラリーマンには、ちと手が出ない金額ですが、それでも欲しいって人が殺到するんですね。多すぎて、抽選で当たらんと買えないような状態。・・・で、いざ販売しますってなったら、その抽選で、もれちゃった人なんかが殺到して買いに入ったんですね。そのおかげで、NTT株はわずか2ヵ月で200万円ほども株価が上昇。これは、大きなニュースとなりました。
すると、「株って儲かるらしいね」って話題になるわけです。まぁ、NTTは買えないけど、他の株でも買ってみようか!ってなるんです。当時は、主婦なんかも株をやったりして大儲け!すると、私も私もとみんなが株を始めたんです。こうなると需要と供給の関係で欲しい人が増えるわけですので株価が上がります。1985年1月には、日経平均株価は11558円だったのが、1989年12月には38915円にもなります。
バブル期なぜ銀行はお金を貸しまくったのか?
こうなると、困る人たちがでてきます。銀行です。
銀行は、基本的には、お金を貸して利益を得ていますね。しかし、お金借りてくれないんです。特に企業が・・・。わざわざ、銀行にお金を借りずとも株を発行すれば、高い値段で売れるんですからね。借りてくれないんです。
そこで、無茶をしたのが、銀行の営業マン。まぁ、みんながお金を持っているから銀行への預金は増えている。つまり、貸す金は余ってるんもんですから、借りてくれ借りてくれとお願いにまわるんですね。
ひどい話だと、当時は、先に土地を買ってきちゃって、その後に銀行に行って「お金貸してくれ」と頼んでも貸してくれたそうですし、あそこの土地にビル建てましょうとかトラック買っちゃいましょうとか飛行機買っちゃいましょうよとか銀行から金の使い道を進めてきたりもしたんですね。
そして、バブルの崩壊
ところが、1990年。日経平均株価はその前の月。つまり、1989年の12月末まで38915円と40000円に迫る株価だったのが、年明けとともに下がり始めます。そして、1990年の10月には、最安値19781円というところまで落ちてしまうのです。
なぜ、このようなことになったのか?
まぁ、複合的な要因がいくつもあるのでバブル崩壊の原因については、別のページでご説明しますが、政府が行った政策の一部をご紹介しておきますね。
①不動産融資総量規制。これは、銀行に土地を買う金を貸すんじゃないって命令をしたんですね。土地の価格が上がりすぎて、一般の人が欲しくても土地が買えないくらいまで上がっちゃってるもんだから、土地の価格を適正価格に戻そうとして、銀行に土地を買う金ばかり貸すんじゃない!他の会社への融資と同じレベルにまで土地購入の貸付を減らしなさいというものでした。
②地価税導入。これは、土地に掛かる税金ですね。土地を持っていると税金がかかるようにしちゃえば、不要な土地を持ち続けると損をすることになりますね。そうなれば、売りたい人が増えて土地の価格が下がるってわけです。
③日銀の金利引き上げ。日銀は銀行の銀行。つまり、銀行にお金を貸す銀行です。日銀の金利を引き上げて、結果、各銀行の金利を引き上げさせるわけです。金利が高ければ、お金を借りてまで土地を購入する人も減ってきます。
これらの政策が一気に行われたため、また、他の複合的要因もあり、バブルは崩壊してしまったわけです。
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