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歴史年代ゴロ合わせ暗記>金正恩の政治方針

金正恩の政治方針


 2011年12月17日。北朝鮮では、金正日が現地指導に向かう列車の中で死亡しました。そして、12月29日の追悼集会で正式な後継者として金正恩が選ばれます。

 その後、金正恩は世代交代をアピールするため、
「並進路線」を宣言します。これは、父の行ってきた先軍政治に終わりを告げ、経済建設に集中し、武力は核開発を中心として、その他の軍事費を削るというものです。

 う~ん。北朝鮮が軍事を削っても大丈夫なんでしょうか?

 北朝鮮建国の父といわれている金正恩の祖父。金日成。彼の時代の北朝鮮は共産主義を目指す国家でした。

 その頃は、共産主義の国も力をもった国が多くあったんですね。ソ連、中国が代表格!しかし、80年代になると雲行きが怪しくなってきます。

 中国では、鄧小平が登場。市場経済を受け入れ、事実上、毛沢東が行ってきた政策に終止符が打たれ資本主義だか共産主義だかわかんなくなっていきます。

 ソ連ではゴルバチョフがペレストロイカという改革を行います。

 そういった共産主義を理想とする国家が徐々に変化していく中、北朝鮮でも金日成が死去!ちょっと、最悪なタイミングですね。

 さらには、東欧の共産圏が崩壊。そんな中、北朝鮮でも本来、共産主義では嫌うはずの親子による政権移行。その後継者は、金日成ほどのカリスマ性は持ち合わせていない金正日。次は北朝鮮が崩壊するのではないかとささやかれます。

 そこで、金正日は、軍のクーデターや国家崩壊を防ぐために「
先軍政治」を宣言するんです。

 これは、軍、軍事を最優先させる統治方式。軍に特権や責任を与え、金正日体制を転覆させるような動きがあれば、軍がそれを阻止するわけです。

 これによって、クーデターなどは起こらず、結果的には金正日体制は安泰。まぁ、成功っていえば、この線軍政治は成功だったのかもしれません。金正日体制を維持する目的では・・・。ただし、金正日体制を支持するかわりに軍の幹部も贅沢な暮らしを続けることになり、やがては人民軍が北朝鮮のGDPの30~40%をも使いまくっていたというデータもあるほど、軍が金食い虫になっていってしまったんです。

 軍がこんなに贅沢していたら経済成長もあったもんじゃないですね。

 また、これに飢饉などが重なり、北朝鮮は中国の援助に頼るほかなくなってきます。こうなれば、中国の北朝鮮に対する影響力も力が増してくる・・・。

 これでは、いずれは中国のいいなり国家か、飢餓、暴動、反乱による国家転覆か・・・。

 そこで、北朝鮮が新たな方針として打ち出したのが「並進路線」というわけです。

 軍から金を取り返し、それを経済成長と核開発につぎ込む!そうすれば、中国への経済的依存は減るというもの。ただし、軍の力を削ぐため、核兵器とミサイルは継続!というかスピードアップで開発、実験をしている節がありますね。

 北朝鮮に核開発をやめさせるには、まず、この「並進路線」を改めさせる必要があるわけですね。