歴史年代ゴロ合わせ暗記  

歴史年代ゴロ合わせ暗記アメリカの歴史>リーマン・ショック

リーマン・ショック


 2008年にサブプライムローンの破綻をきっかけとして起こった
リーマン・ショック。このリーマン・ショックとはいったい何だったのか?実は、コレ、かなり複雑な内容なんです。
 
 なるべく学生さんにもわかりやすいように説明していきますね。

 まず、リーマンショック以前にその発端となった
サブプライムローンとは何なのかを見ていきましょう。
 
 
サブプライムローン

 サブプライムローンっていうのは、まぁ、アメリカの住宅ローンです。でも、普通の住宅ローンとはちょっと違うんですね。サブプライムっていうのは、格下っていう意味があるんですがサブプライムローンは低所得者を対象にした住宅ローンでした。ですが、金利が高いんです。

 低所得者に高い金利でお金を貸すってアクドイ・・・。だれが借りるんじゃ?って感じですが、これはアメリカの住宅ローンのシステムと関係しています。

 日本で住宅ローンを2000万円で組んだとします。500万円払い終えた時点でギブアップ!もう払えません!ってなったらまず担保としていた家と土地が取り上げられますね。これの価値が1000万円だったとしたら残った500万円の借金はそのまま払い続けなければなりません。

 ですが、アメリカではローンが払えなくなったら担保の家と土地を取り上げられておしまい。それですべてチャラなんですね。これなら夢のマイホームを購入し、仮に払えなくなったらマイホームは取り上げられてしまいますけど、まぁ、借金が残るわけじゃないのでまた賃貸のアパートとか実家暮らしに戻ればいいわけです。

 なぜ、こんなことがアメリカでは可能なのかといいますと当時のアメリカは住宅バブル。住宅の価格がどんどん上がっていっていた時代だったのです。

 住宅ローン会社にすれば、借り手の返済が滞っても担保の住宅の価値が上がっていれば、それを売って十分にもとはとれる!って具合だったんです。まぁ、すべて返済してもらったほうが金利が高いので安定した大きな利益となるんですけどね。

 ただし、それでも低所得者を対象としている住宅ローンですので住宅ローン会社としたらリスクがあるわけです。貸したお金を返してもらいない可能性も大いにありますし、住宅の価値が上がるとも限りませんしね。

 ですから、債権(お金を返してもらう権利)を証券会社や投資銀行に売ることにしました。リスク管理ってヤツですね。リスクは他人に押し付けろ!って感じです。

 
債権の証券化

 でも、そんなリスクのある債権を買って証券会社や投資銀行はどうするんでしょう?実は、彼らにはある”策”があったんです。

 その策というのが「債権の証券化」。つまり、債権を別の金融商品にして高い金利を付けて売り出したんです。

 この手法は1970年代半ばからありました。マイケル・ミルケンという人始めた手法なんですが、まず倒産しそうな会社の社債を買いまります。安定した一流企業の社債なら低い利息でもみんな欲しがりますが、倒産しそうな会社の社債なんて誰も欲しがりませんよね。ですから、利息がめっぽう高い、つまり儲かるんです。ただし、倒産して返してもらえなければ意味がない。

 そこでマイケル・ミルケンはいろいろな倒産しそうな会社の社債を大量に集め、それをパッケージ化して小口証券として売り出します。たとえ、1つの会社が倒産しても沢山の企業の社債を集め、分散してしまえば利回りが良い分リスクは少なく儲かるってわけです。この手法で彼の所属する3流投資銀行はいっきにウォール街NO1にまで上り詰め、彼の報酬も桁違いだったといわれています。

 つまり、リスクのある商品でも大量に買い集めて分散して売ってしまえばリスクは減り儲かっちゃう!っていうのが大流行するんですね。

 サブプライムローンの場合も同じです。ただし、サブプライムローンだけを分散してもリスクが高いので普通の住宅ローン債権や一般企業の社債などごちゃ混ぜにしてさらにリスクを分散して売り出します。

 これならリスクは少なくていいね!ってことで投資家や金融機関だけでなく格付け会社も「AAA」という超安全評価を下すほどになるのです。

 
住宅バブル崩壊

 さて、無理をしてまで購入したマイホーム。でも、給料少なくなっちゃったし払えないよね。っていう人が出てきます。今まで払った住宅ローンとマイホームさえ諦めれば元の暮らしに戻るだけですので比較的簡単にマイホームを手放しちゃう人も多くいるわけです。すると家は競売にかけられます。住宅バブルの時代は、これがいいお値段で売れたわけですが、競売にかけられる家が増えてくるとだんだん価格が落ちてくるんです。すると、アレ?利息は高いけど不動産の価値が上がると思ったから無理して買ったのに住宅の価値がそんなに上がらないんじゃ、やっぱいらない!と投資もかねて購入した人も住宅を売り出します。

 住宅を購入する方も「家の値段、下がってきたねっ。もうちょっと待ってればもっと下がるんじゃない」ということでなかなか購入しません。すると、住宅の価格はさらに落ちていき・・・。バブルの崩壊です・・・。

 この住宅バブルの崩壊が2007年の初め頃からでした。土地や住宅の価格は暴落、サブプライムローン債権の価格も暴落です。

 しかし、サブプライムローン入りのパッケージ商品は、売買を繰り返しているうちに中身がわからなくなってしまいました。先ほど、格付けのお話をちょっとだけしましたが「AAA」「AA」「A」「BBB」という具合にリスクが少ない順に格付けが決まります。「A」の商品と「BBB」の商品も混ぜちゃえば「AAA」狙えるんじゃない?なんてことでもう評価を上げるためにゴチャ混ぜにしまくったんですね。もはや中身がどうなのかなんてことよりも評価しか買い手も売り手も気にしていなかったわけです。

 しかし、住宅バブルの崩壊。これにより格付け会社も2007年8月にはサブプライムローン関連の格付けを一気に引き下げます。

 「あれ?俺のもっている証券もサブプライムローン債権が含まれているんじゃない?」

 と不安になった投資家たちは下がりきらないうちに・・・。と一斉に売りに入ります。もはや市場は大パニックです。

 
リーマン・ブラザーズ倒産

 こうして、パッケージ商品を購入していた銀行、販売した証券会社、投資銀行が倒産に追い込まれます。その中のひとつが大手投資銀行リーマン・ブラザーズです。

 当時のアメリカ大統領は共和党のブッシュさん。政治が民間の経営に介入することを嫌う傾向のあるのが共和党。たとえ大手投資銀行であっても救済することはありませんでした。

 巨大な投資銀行の倒産によりリーマン・ブラザーズの社債や株を持っていた銀行も大打撃。銀行から融資を受けていた企業も融資が受けられない。悪循環の繰り返しです。

 銀行が自動車のローンまで貸し渋りを始まるのでアメリカで販売していた日本の自動車販売も大打撃を受けます。もちろん日本の自動車業界だけではありません。世界中に金融危機が訪れることになったのです。

 世界各国は、こうした金融危機に一致して協力することを約束。欧米では、銀行を国がサポートし銀行の貸し渋りを減らしたりしていきました。

 このように世界的な金融危機には世界各国が協力して問題を解決に導いていく必要があります。
 
9.11同時多発テロ