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世界大恐慌
世界大恐慌
1929年10月24日の午前10時25分。ニューヨークの株式市場にてゼネラルモーターズの株価が80セント値下がり・・・。これを機に市場は売り一色となり株価が大暴落することになります。
わかっているだけでも株式関係者11名がこの日、自殺をし、これをきっかけにアメリカの株価は下がり続け、やがて、この景気悪化は世界へと広がっていくのですが、この
世界大恐慌
の原因はどこにあったのでしょうか?すこし、詳しく見てみましょう。
1929年の少し前に世界では大きな出来事がありましたね。そう1914〜1918年の
第一次世界大戦
です。この戦争では、主にヨーロッパが戦場となりました。この頃、アメリカはヨーロッパに軍事物資や工業製品など大量に輸出し大きな利益を得ていたのです。戦争が終わってからも、それまで世界の工場といわれていたヨーロッパがその機能を果たせなくなると世界経済の中心はアメリカへと変わっていきました。
こうなるとアメリカは、もう”ウハウハ”なわけです。広い家を建ててみたり、当時はお金持ちしか持てなかった車を購入してみたり・・・。また、増えたお金はもっと増やそうと株に手を出す人も多くでます。まぁ、アメリカの企業の株を買っていたのは、アメリカ人だけではなく世界の投資家の多くが買っていたんですけどね。戦争で疲労した自国の企業の株を買うよりも順調そうに見えるアメリカ企業の株を買ったほうが儲かりそうですからね。そうなってくると、もはやアメリカ企業の株価は本来の企業価値など関係なくどんどん上がってしまう銘柄も出てくるのです。
しか〜し!そんな時代は長くは続かないもの・・・。
当時のアメリカの好景気の要因は第一次世界大戦によってヨーロッパが疲弊していたこと。そのヨーロッパが復興してくるとアメリカでは雲行きが怪しくなっていきます。
まずは、農業。
ヨーロッパ農業が復興してくるとヨーロッパからのアメリカへの注文が減ります。自国である程度まかなえちゃったらアメリカに頼る必要もなくなりますものね。さらに、冷凍運搬のシステムが当時普及し始めます。こうなると安いラテンアメリカの肉や農産物がどんどんアメリカに入ってくるようになるのです。かつては、安いといっても腐っちゃったら何にもならなかったわけですけど、冷凍システムが発達してくるとその心配もなくなるから安いラテンアメリカ産も物が売れるようになってきちゃうんです。また、干ばつなども農業不振に追い討ちをかけます。これで、農業恐慌がアメリカで起きるのです。
次に工業。
こちらも同様にヨーロッパの復興によりアメリカ製品が売れなくなっていきます。さらに、アジア諸国の安い労働賃金の国もアメリカにとってのライバルとなっていきます。これで工業も不振に陥るのです。
そして輸出。
アメリカ政府は、当時かなり高い関税を輸入品にかけていました。当然のように各国もこれに対抗しようとアメリカからの輸入品に高い関税をかけます。アメリカにとっては、関税を高くすれば、安い輸入品が入ってきづらくなり、自国の産業を守れるというメリットがありますが、相手国にまで高い関税をかけられたら輸出品が売れなくなるのですね。これで、アメリカは輸出不振にも陥ります。
そして、ついにその日がやってくるのです。株価大暴落。ゼネラルモータースといえば、超が付く有名企業ですよね。アメリカを代表する企業の株価下落に吊られるようにUSスティールという鋼鉄メーカーの株も下がり、次々に他の企業の株価も落ち続けます。これが「
暗黒の木曜日
」といわれる10月24日の出来事です。週末にはいったん持ち直しますが、週明けには売り一色!!株価大暴落となるのです。
では、なぜアメリカの不況が世界大恐慌にまで発展していったのか?
まず第一次世界大戦で敗戦国となったドイツが直撃を受けます。これは、「当時ドイツに対してアメリカが資本を輸出してあげるからドイツは経済を復興させて、しっかり賠償金をイギリス、フランスに対して支払いなさいよ」という約束がなされていたのですね。なぜ、アメリカがドイツにそんなに優しいのかというと戦争中にアメリカはイギリス、フランスにお金を貸していたのです。イギリス、フランスは賠償金貰って経済が立ち直ったらお金をアメリカに返してねということですね。
ドイツ賠償金の仕組み
しかし、この資本輸出が停止されてしまいドイツはピンチに陥ります。こうなると賠償金が返ってこないイギリス、フランスもピンチとなるのです。
さらに、アメリカが大恐慌となればアメリカへの輸出でやりくりしていたラテンアメリカの国々でもピンチ!こうして、世界中に恐慌が広まっていくのでした。
とはいえ、この大恐慌に世界の国々もただ、指をくわえて見ている訳がありません。アメリカでは、ニューディール政策、イギリス、フランスではブロック経済。ドイツ、イタリアではファシズムと政策を打ち立てることになるのですが、これが後の命運をわけることになっていくのです。
世界恐慌の各国の対応
アメリカ
イギリス
フランス
ドイツ
日本
ニューディール政策
修正資本主義、政府が経済に介入するなど政府の管理を強化。
ブロック経済
ポンドブロック。自治領、植民地間での貿易。自給自足の経済に。
ブロック経済
フラン・ブロック。植民地との結びつき強化。
ファシズム
全体主義、個人の自由よりも国家の利益優先へ。植民地獲得に走る。
金解禁
金輸出、金兌換の解禁をするが失敗。
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第一次世界大戦へのアメリカ参戦
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第二次世界大戦へのアメリカ参戦
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ファシズム
ニューディール政策
ブロック経済