読み物  越佐海峡横断


まず初めに、ジェット12艇の内 シードゥー3Dが体調の不良により、参加できなくなって、ジェット11艇。
仕事の都合で参加できない人が3名あり、4人減って 合計25名の参加となりました。 (^_^;)


序章

2006年7月22日土曜日 いつもの年より大雪となった冬のおかげで、未だに冷たい阿賀野川。
前日までの梅雨の大雨で、信濃川が警戒水位を超えるほどとなり、阿賀野川の水も茶色となっている。

しかし、天気予報は雨のち曇り 波の高さ0,5メートル。絶好の横断日和だ!
前日に宿へも「予定通り」と連絡してある。 (*^。^*)

集合時間の午前5時半。すでに全員集合していた。
1艇づつ川へ降ろし、エンジンをかける。
ここでトラブル発生! SPXのチャンバーにヒビが入り、冷却水がエンジンルームへ漏れている。

すぐに横断中止命令を出す。残念ながらジェットを引き上げる。 (ToT)/~~~
これで、ジェットの数10艇。思えばこれが今回の横断を暗示していたのかも知れない。(所有者談)



次なる試練

予定の出発時間7時になったので、一路佐渡を目指して出発。
しかし、阿賀野川を出て新潟港沖へ来た時には、波高1メートルくらい。

風波でぐちゃぐちゃの状態、波頭が白く牙をむいている。
後でわかった事だが、伴走艇はワイパーが必要なくらいだった。

いつもは、もやで見えない佐渡が、今日はハッキリと見える!
こういう日は危険なのだ。
「何で?予報は0,5メートル。こんなはずでは?」 (゜o゜)
それでも、様子を見ながら前へ進む。

しばらく、隣を走るシングル艇を見つめる。
波のおかげで、とてもスピードを出せない。
左手で「大丈夫か?」の合図を送る。 「ダメダメ!」の首横振りが帰ってきた。

そんな私のGTXーLも波を超えて1メートルくらい落とされる。「ドーン!」
それからお決まりの船首から水中浴「ザバァー!」
「何で?3人乗りだぞ。………」

これでは、給油ができない!と判断して、中止を決意! (ーー;)

全員で引き返す。新潟港から新潟港までの間、約40分間。
新潟港へ着いた時には、シングル艇550がガス欠になる。
シングル艇に給油をして、阿賀野川のゲレンデを目指す。

佐渡の宿「下谷旅館」へ本日波が高くて中止を伝える。
当日キャンセルにもかかわらず、キャンセル料は必要ないとの事。
すみません。ありがとうございます。 m(__)m

しかし、ここでトラブル発生!750のバッテリーが死んでエンジンかからず。
伴走艇に引っ張ってもらいゲレンデへ。(良かった!これが沖で発生していたら………) (ToT)/~~~

何とか全員でゲレンデへ引き返してきた。
主催者の私としては、残念ながら今年は中止という事で、頭の中は整理がついていた。
無理は事故を招く。自然は怖い、何が起こるのかわからないのだ。

ところが、私以外の人は意見が違っていた。
「船だけでも佐渡へ行きたい!」  なるほど、船だけなら何も問題は無い。
凌風丸船長も、仲間の船や、気象情報、佐渡汽船波情報などを使い、
波は落ちてくる事を確信した。

とりあえず、お昼になってしまったので、急遽お弁当を買いに行き、
ゲレンデで腹ごしらえし、1時間ほど状況を見る事に。

やっぱり、波は落ちてきた。
よし、では宿へキャンセルのキャンセルをお願いした所、
すでに他のお客さんを回してしまったとの事。 (T_T)/~~~

これではお手上げだ、泊まる所が無ければ、今から行っても野宿しかない。
やっぱり今年は中止だ!

しかし、これでも収まらない今年のメンバー。
佐渡観光協会へ電話して、何とかならないか?とゲレンデで、電話しまくり状態。
ところが、これが何とかなってしまった。

それも、水津の目と鼻の先、大川漁港だ。
25人が入れるという。

波は確実に落ちてきている。3人乗りジェットだけで行く。宿の手配は整った。
これでは、中止のしようがない。

午後2時。ここで出発を決意!  しかし、私の3人乗りジェットは置いていく事にした。
1艇でも少ない方が、トラブルの確率が減るからだ。
それに、精神的にくたくたで、とにかく少しでも開放されたかった。

げんきんな事に、自分のジェットを上げたら、ちょっと元気が出てきた! !(^^)!
よーし!行くどー!!  仕切りなおしジャー!   (^O^)/

ジェット3艇に3名。その他22名は伴走艇に分乗して、いざ佐渡へ!
ところが、新潟港から海上保安庁のジェット船が近付いてきた。
そして、真っ赤なウルトラへ近付くと、なにやら話し始めた。

なんだ?ちゃんと保安庁にも連絡済だぞ?
これで、出発が20分ほど遅れる。
検査証と佐渡への臨時検査証をタモで差出し、しっかりと調べられて、
結局は、「気をつけて行って下さい。」との事。  ヽ(^。^)ノ

気を取り直して、いざ佐渡へ!



順調な佐渡航海?

そこには、午前中とは違った日本海がいた。
さすがに、波が無いとは言えないが、ずいぶんと落ちてきた。
3人乗りには、楽勝ペースだ。

給油の必要が無く、3人乗りには比較的楽な波なので、
伴走艇の滑走速力で航行開始。

それでもジェットにはまだ遅いらしく、伴走艇の横を余裕で走っている。
30分ほどして、ライダー交代。
この時点でも、まだ新潟の町並みが見える。
それに、佐渡も見える。

今年はいつまでたっても、新潟の高い建物(NEX21,朱鷺メッセ,県庁)が見える。
それに佐渡が近くなってきた。

30分後またライダー交代。
ここでアクシデントが!! (@_@;)
海上保安庁から臨検を受けた、真っ赤なウルトラが
セルモーター回らず、エンジンがかからない。

バッテリーが死んだ? でもメーターは点いている。
とりあえず、給油装置に縛り付ける事にした。

波があって、なかなかフックが掛からないので、
私が海に飛び込み、下から船首のバウアイにフックを掛けた。
海は冷たかった! \(◎o◎)/!

給油装置に船首を固定して、エンジンルームの点検。
なんと、バッテリー端子が緩んでいただけ。
良い気分で、波とたわむれすぎたかな?

何とかエンジン始動! (*^。^*)
そのまま、すぐそばに見える佐渡へ。

沢崎鼻灯台を左に見て、いざ大川漁港へ。
到着は夕方4時半頃でした。
昨年に比べると、大きな時間短縮。

やっぱり給油が無い事が、時間の短縮になり、
何よりも、気が楽でした。
来年からはこれだな? (^ム^)

いろいろあった、佐渡行きでしたが、一人のけが人も無く
無事に着きました。
翌日は、予報どおり晴れ上がり、もやがかかり、
昨日と違い、新潟も見えず、波も穏やか。

順調にゲレンデまで引き返してきました。


今年の反省

今年は、予報では50センチの波だったのが、いざ海に出てみると
1メートルを超える波があった。
来年からは波の具合を見てから出発するべきだと思いました。

今年わかった事は、タンデムの無給油艇なら、多少の波でも
佐渡まで行けるという事だ。

シングル艇は、本当に波が無い状態でないと、まず、給油ができない。
昨年のトロなぎでも給油には手間取ったのだ。

基本的に無給油艇のみの参加にしようと思った。
やはり、海は恐ろしい。 自然は驚異だ!  (-_-)


今年も無事に事故や怪我が無く終了できました事は、
皆様のおかげです。

ありがとうございました。

これからも、毎年行なう恒例行事としていきますので、
よろしくお願い致します。


                                 ショアジェットチーム   代表    mine