さて、今回は粟島へ行こうという事で、「粟島、佐渡ツアー」という企画にしまして、

2007年2月から、着々と計画を進めてまいりました。


当初の予定2泊3日は取り止めになり、「1泊2日で粟島佐渡へ行こう!」ということになりました。

土曜日が強行軍ですが、ライダーを交代で走らせて、1日で粟島佐渡を渡り切る計画です。


もちろん、海上給油無。無給油が可能な2人乗り3人乗りのジェット限定参加としました。

4月上旬、小型船舶検査機構へ申請の書類を出して、承認待ち。

今回は通信機器である携帯電話のエリア外を走行するので、通信機器にトランシーバーを使う事にし、

本部の承認が必要でした。



5月上旬、申請が通り計画続行。昼食や宿の手配、などを進め、6月下旬には新潟海上保安庁、

新日本海フェリー、佐渡汽船 各関連機関に行事報告をする。

準備完了。後は当日の天気だけ。今の時期は台風でも来ない限り、波高が1,5メートルを超える事は、

ほとんど無いのが、日本海。

しかし、その台風が発生! \(o)/!

新潟付近では、まだ海水温が低いのでここまで来ても、衰えるとわかっていても、風が吹けばやっぱりヤバイ!

ネットで波予報と毎日にらめっこが続く。



これは、潔く中止するか。と思っていたが、スピードが遅くなった。大きく方向が変わる証拠だ。

波予報も、土曜日は新潟に影響無し。それどころか、台風の風で南東になる。

だしの風だ。(陸から海へ吹く風)これは、反対に台風のおかげで波が無い状態だ。

しかし、日曜日の予報はヤバイなぁ。どうする?(-_-;)

ここは、やはり安全第一!この企画は冒険旅行ではない。土曜日だけの「粟島日帰りツアー」に

あっさりと変更。


佐渡の民宿にキャンセルを伝える。昨年に続き2回目だ。本当に申し訳ないです。

今年もご好意でキャンセル料無し。いつもすみません。ありがとうございます。

水津の「しもたに旅館」さんです。皆さん機会があればご利用をお願いします。 「しもたに旅館」0259-29-2004





粟島の昼食である、粟島名物ワッパ煮を予定通りと伝えると、

「あいや、台風が来てっがね、ほんとにくんだかね? ちいせ船でくんだろ?」

「はい、水上オートバイです。」

「ほう、5メートルくらいの船らかね?」

「へっ? いや 3メートルくらいの水上オートバイです。」どうもジェットをわからないらしい。



言葉による説明はここまでにして、とにかく予定通り行くという事を伝える。

さんざん悩んで、木曜日(12日)の夕方に決定を下した。

金曜日(13日)には、参加者全員に日帰りツアーの変更を連絡。

2名キャンセルとなり、合計26名の参加となった。

TVでは、連日台風4号の映像が映し出され、不安がますます大きくなってくる。

金曜日夕方、仕事を終えて、すぐにパソコンの電源を入れる。

波予報は……。  予想通り1メートル未満。土曜日の夕方まで大丈夫だ!


よし!明日は絶対に大丈夫だ!それどころか、台風の影響で1日中南東の風だ。

絶対に波は上がらないはず。反対にこれを逃したら絶対に後悔するぞ。

勇む気持ちを抑えて、寝床に着く。



14日土曜日出発当日。

3時半に目が覚めてしまい、眠れない。

「そーだ、海を見に行こう。」雨が降りそうなので、車で日和浜まで行ってみた。

4時前だったので、まだ暗く海が良く見えなかったが、思ったように、無風ベタ凪。曇り空。

最高のコンディションだね〜。

急いで家へ戻り、出発の準備。約束の集合時間5時半にぎりぎり間に合った。

もうすでに、みんな集まっていた。


隊長の私がぎりぎりの時間に来たので、待ちくたびれたみたいだ。

早速、ジェットを浮かべて出港準備に取り掛かる。

しかし、ここで毎年恒例の「ハプニングその一」

ジェットで行くはずの750Xiの姿が見えない。


持ち主E氏に問いただすと、今朝こちらへ向かう途中、トレーラーごとひっくり返ったそうだ?

コンビニで、買出しして、さあ行くぞと勇んで出たところ、トレーラーが縁石に乗っかってしまい、

ひっくり返ったとの事。



実は、今回参加の7艇の中で、一番古い船で、トラブルが起きそうな船だったので、

私は、ひそかに喜んでいたのだ。「なぁにぃっ!大丈夫か?」  お!不安要素が一つ減ったぞ。ラッキィ(^^

その後6時頃、伴走艇ポパイがやって来た。そう、6時出航の予定なのだ。


しかし、来るはずの伴走艇ブルーローズが来ない。

ポパイが来ているので、「荷物を載せて阿賀野川沖へ、出航しよう。」という声が出てきたので、

その意見に賛成し、ゲレンデを離れることにした。


そこへ、デニスから電話があった。「ブルーローズが阿賀野川で座礁しているそうだ。見てくれ。」

へ?座礁?「ハプニングその二」 伴走艇がだめになれば、当然計画も中止せざるをえない。

とりあえず、状況を確認するため出航する。


しばらく走ると、阿賀野川の中洲近くに、見覚えのある船がエンジンハッチを開けていた。

ブルーローズだ。

エンジンはかかっていないが、座礁はしていないようだ。自力で深みに戻ったそうだが、

座礁の弾みで、後ろからの波がエンジンシリンダーに入り、

セルが回らない状態だったようで、プラグをはずして、一生懸命水抜きをしている最中であった。



3名が乗っていたが、全員怪我も無く無事のようで、それだけが救いであった。

このまま、エンジンがかからなければ、中止の決定を下さなければいけない。

しばらく、川の上から状況を見守っていた。



20分くらいすると、ブォッン!というエンジン爆発音が。へ?あれ?かかりそうな音だぞ!

その後、黒い煙を吐きながら、エンジンがかかった。

すぐに走り出すのは危険なので、とりあえずもっと深い所まで、ジェットで曳航することに。

しばらくすると、エンジン音が普段の音になってきた。「OK!」



やったぁ!これで行けるぞ  粟島! (*^_^*

しかし、この時点ですでに7時。出航予定は6時だったはず? (^_^;)




気を取り直して、阿賀野川沖へ移動。 そこにはデニスともう2艇のジェットが、待機していた。

これで、全員集合。伴走艇3隻、ジェット6艇。



荷物と人員を積み直して、いざ粟島へ! 新潟海上保安部へ出航の電話連絡をする。

毎年、出発と到着時には、必ず新潟海上保安部へ電話連絡を入れることになっているのだ。



「お〜い!じっとしていると、船酔いしてしまうぞ!早く出発しようぜ!」

実は私、船酔いするのだ。  (^^ゞ 



波は無いといっても、うねりが有り、エンジン停止して止まっていると、結構な揺れがある。

「只今、新潟海上保安部へ連絡中だよ。」「よーしOK!」「出発!」



今回は伴走艇がスピードアップした。デニスとブルーローズは25ノットを楽に出せる。

ポパイも25ノットくらいは出る。

3人乗りのジェットに合わせてみたのだ。



予定通り巡航速度25ノット(時速約46km)ジェットはたまにメーター読みで48kmを示す。

速い 速い! 小刻みなうねりの山をつぶしながら、ジェットは走る。

ベタ凪では無いのでドンドンと衝撃は来る。



少しでも衝撃を抑えようと、伴走艇の引き波の中に入るようにする。

この方が絶対に楽だ。それもすぐ後ろについた方が楽なのだ。

デニス、ブルーローズ、ジェット6艇、後ろからポパイという編隊で走る。順調だ。



30分後ライダー交代。私もデニスに近寄り、交代。デニスの人になる。

次の30分は、一番波が出る区域だ。

本土から一番遠い所を走ることになるからだ。



予想通り少し白波が立っている。しかし、波高は50センチ程度。問題無し。

この辺まで来ると、粟島が大きくなってきた。こんなに大きな粟島を見るのは初めてだ。



ここで、小ハプニング。 伴走艇に乗っていたクルーが、船酔い状態に?

ちょっと気持ち悪いという人が続出。

次のライダー交代で、ジェットに乗ってもらうことにした。



粟島がとても大きくなった所でライダー交代。ここまで順調!

後、20分も走れば到着だ。



20分後、ポパイを先頭に内浦港へ侵入する。粟島の周りはベタ凪状態。

天気が曇りなのが残念である。海は綺麗!

粟島へ上陸する。私は2回目。



さっそく、昼食を頼んでおいた「みやこや」さんを探す。

港のほんの周りにしか集落が無い、粟島なので、すぐに探し当てた。

中に入ると、すでに昼食の準備が進んでいた。おじいさんとおばあさんの

2人だけで26名分の昼食を準備していた。たいへんそう。



挨拶を済ませてみんなを呼びに行こうと、外に出たら、

「ほれ!とうちゃん、ちいせ船でくる ゆうてたけど、あんげ小さな船で来たよ。」

う〜ん、いくら粟島でも、ジェットはそんなに珍しくは無いと思うのだが?



ここまで、天気は曇り空、雨の気配は無い。それどころか、台風の気配はまったく無い。

順調、順調 <^!^>

予定通り、粟島名物「ワッパ煮」をご馳走になる。 真鯛の刺身もあったぞ。

ワッパ煮とは、魚と味噌を入れた水の中に、熱く熱した石を入れて、沸騰させた味噌汁のことです。

詳しくはネットで検索してみてください。



みんな朝早くから動いていたので、おなかがすいている。 無言で食べ始めた。

そんな中、私は帰りの事を心配していた。

何時出発にしたら良いのか?船長と相談の後、午後1時粟島出発にした。

1245分、港に集合だ。



今から1時間半くらいある。

解散する前に、ジェットにガソリンを補給。

それぞれ30リットルくらい入りました。



ジェットで近くの海水浴場へ行く者。 粟島唯一の日帰り温泉施設で温泉に入る者。

2人乗りしてジェットで粟島を一周する者。ボケ〜としている者。

に分かれて、おのおの、少ない滞在時間の粟島を楽しむ。



やっぱり、ここはゆっくりと1泊したかったですね〜。



あっという間に、集合時間。

「ようこそ粟島へ」の看板の前で、記念撮影をして、いざ、出航。

天気は到着時とほとんど変わらず。穏やかの一言。



どんよりした雲の下、伴走艇とジェットは波を立てて走る。

台風が来る前に、新潟へ着こう!

速い 速い! メーター読みで50kmが出る。



相変わらず、周期2メートルくらいのうねりがあり、ドンドンと船底を打つ。

私のGTX-L 98 では、波切が悪いので、ちょっと疲れる。

どっかりとシートに座っていられない。



30分後にライダー交代。



粟島がだんだん小さくなってきた。

順調に飛ばす。



30分後ライダー交代。

ここで、VX110DXに乗る機会が出来てしまった。疲れたので交代してくれとの事。

群馬からの参加者は、深夜到着でほとんど寝ていない。

さすがに、体力の限界ですね。



初めて、ヤマハの船に乗る。

(o)/! 




なにこれ! 乗りやすい。波切が良い。速い。静か。疲れない。安定している。  欲しい……。(^0_0^)

GTXと交換して?



イヤー、まったく違う乗り物なので、びっくりしました。

これなら一人でも楽々粟島を往復できますね。



やっぱり新しい船にはかないませんなー。

っと、感動していたら、あっという間に、東港の煙突が近くに見えてきた。

着きましたね。




台風4号で、大幅な予定変更となってしまった今回の計画でしたが、

一人の怪我人も無く、無事に帰って来る事が出来ました。

とんぼ返りで、ちょっと残念だったけれども、これはこれで、まあ楽しかったかな。

この夜は、関屋浜海水浴場のシーポイントニイガタさんにて、大宴会を出席できる人で開催。

私とE氏、それに群馬軍団はそのまま泊りました。




翌朝、海を見てみるとまだベタ凪状態。「これなら佐渡も行けたね!」

台風4号は急速に勢力を弱めて、東の海上へ抜けていったので、新潟への影響は全く無し。

あ〜佐渡行けばよかった。 




しかし、金曜日、土曜日の予報では、とても決行は出来ない状態でした。

まあこれも仕方なし。 来年があるさ!

シーポイントさんが用意してくれた、朝のコーヒーを飲みながら、ぐっとかみ締めたのでした。

                                      mine