臣士魔法劇場リスキー☆セフティ
エピソードガイド
02

#07〜#19

#7  花とファジーと小さなエンジェル
#8  死神見習いのユーワク
#9  追いかけたくて、届かなくて
#10 シアワセの人形
脚本:佐藤勝一・黒田洋介/絵コンテ:井出安軌/演出:大西景介
作監:石倉敬一(#7,#9,#10)大河原晴男(#7,#9,#10)齋藤卓也(#7)KIKU(#8)
▼あらすじ
過去とも現在とも思える欧州風の村で暮らす自動人形作りを生業とする父と、その娘ファジー。
そのファジーに育てられた幸福の花がつぼみをつけ、花を咲かそうとしたことを祝福する為、セフティが現われる。
しかしファジーは人形作りに没頭する父親から自分は愛されていないと悲嘆に暮れる。
そんなファジーの不幸の波動でセフティは、リスキーと入れ替わり、リスキーはファジーの魂を獲ろうと画策をはじめる。
▼ポイント
・4話連続のファジー編、絵コンテは、「おねがいティーチャー」「おねがいツインズ」の監督、井出安軌氏。
・萌の登場は前回で終わりかと思いきや、#6の最後で前回去ったはずのリスキーがちゃっかり萌の元に戻ってきて、思い出話として「ファジー」の話をしているというオチがつく。
初回で見たとき、本当にもう萌は登場しないと思っていたので、ズッコケたけどすごく嬉しかった。
・ラストにちらっと姿が見える男の子と女の子は、ファジー人形のその後で、その話は原作コミックに収録されている。
つまるところアニメ版によってコミック版「ファジー」のプロローグ編が描かれ、原作コミックとアニメ版を関連させた仕掛けとなっている。
・椅子を倒しても掃除を続ける自動人形が不気味で、ファジーの追い詰められた切迫感がやけに重い。
このエピソードだけリスキーが本当に魂が取れそうな雰囲気なのだが、火事がおきたときのリスキーのうろたえ方がコミカルで、リスキーの人の(?)良さが災いして結局魂は取れないといういつものパターンに落ち着く。
(記2005.02.16)

#11 秘密すぎる花園
#12 大嫌いからはじめよう 
脚本:岡本和久・黒田洋介(#11,12)
絵コンテ:舛成孝二中山岳洋/作監:中山岳洋(#11)
絵コンテ:小寺勝之/演出:成川武千嘉/作監:滝沢潤(#12)
▼あらすじ
お弁当を忘れた萌が鈴子と琴音にお弁当を分けてもらい、一緒に校庭でお昼をたべながら談笑していると、そこにリスキーがお弁当を狙って忍び寄る。
▼ポイント
鈴子&琴音前後編、黒田洋介お得意のソフト百合な女の子友情もの、なお話。
今回も、校庭での一幕の女の子三人による会話劇で、前半はほのぼのとした女の子同士の会話とお弁当を狙うリスキーのコミカルさに終始するが、後半は一転してシリアス度を増し、琴音の嫉妬心に気づいたリスキーが琴音の本心を代弁し、その挑発につられ琴音も鬱積した思いを鈴子にぶつけてしまう。
さあ、修羅場だどうなる!と、本来は盛り上がるところなのだが、鈴子の天然というか超人ぶりによってはぐらかされ、なぁなぁで終了。
「大嫌い」とまで言われた鈴子が、それを咎めたり傷ついたりするそぶりも見せず、「でも私は琴音が好き」で済んで良い訳はないのだが、そこにはそれが許されてしまうトリックが存在している。
それが#12の頭で萌が「お昼終了まであと7分で済ませてね」と時間を区切り、リスキーはその為の時計を用意するという場面である。
もともと尺の短い作品であることをギャグにしているわけだが、ここであえて、本編の残りが実際あと7分しかないから時間がきたら終わるよ、という宣言を入れるられることで、多少強引なオチでも、視聴者はそれを納得せざるを得ないようにしてしまっている。
このトリックの為、完璧超人・鈴子の善人過ぎる性格もコメディとして許せる範囲のものとなり、結果的に、友人間にある嫉妬というちょっと苦いテーマを、甘いキャンディでコーティングしたような口当たりの心地よさのなかに収めることに成功している。
(記2005.02.21)

#13 くじの数だけ抱きしめて
脚本:黒田洋介/絵コンテ:小寺勝之/演出/成川武千嘉/作監:滝沢 潤・齋藤卓也・中山岳洋
▼あらすじ
初詣にきた萌と優雅、その神社に祀られた氏神さまに気に入られ、祝福を授けようとする。
▼ポイント
・萌と優雅のラブラブっぷり以外、特筆することの少ない回ではあるが、最終回まで見ると、さりげなく最終回に向けた伏線というか前ふりの役目を負っている事がわかる。
・萌が優雅にあげる手編みマフラーはもちろん第1話からさりげなく出ていた小道具のひとつ、ドクロマークは#6でリスキーがつけたもの。
・アバンの新年の挨拶は放映当時、年明けの放映三回目という微妙な位置で行われている為、変な口上になっているが、放送スケジュールの本来の予定ではこの回が年明け一回目になるはずだったのではないかと思われる。
・笑う外人と地中のカブトムシの幼虫は何の意味があるのかよくわからない。
(記2005.02.24.)

#14 桃太郎伝説
#15 SUPER桃太郎伝説
脚本:白根秀樹・黒田洋介/絵コンテ:山中栄治/演出:宮下悠斗/作監:大河原晴男
▼あらすじ
桃太郎の昔話が嘘ばかりだと、リスキーとセフティが紙芝居で萌に桃太郎の「真実」を語って聞かせる。
▼ポイント
・桃太郎伝説前後編、こちらもファジー編とおなじような形で、原作コミックエピソードにリンクさせた話になっている。
原作では背の大きいリスキーとセフティがアニメ版のように融合してちっちゃくなった原因も明かされる。
・本編の半分以上がラクガキイラストの止め絵による紙芝居という作画省力の手抜き回であることは間違いないが、紙芝居パートはNARUTOの作監などで評価の高い鈴木博文氏が担当し、台詞まわりもパロディがちりばめられ遊びが詰め込まれている。
(記2005.02.28.)

#16 胸を張りまっしょい
脚本:黒田洋介/絵コンテ:小寺勝之/演出・作画監督:橘秀樹
▼あらすじ
優雅の同級生で優雅のことが好きな女の子、美月。優雅に恋人がいることを知って悩んでいるところにリスキーが現われ、告白しろとそそのかす。
▼ポイント
細かな遊びや実験が多い本作でもとりわけ特異なのがこの回で、サイレント映画風になっている。
また、音楽も、シーンごとキャラの芝居や心情にぴったりシンクロさせるように演出され音楽劇的でもある。ちなみにこの回に使用された曲はフルバージョンでサウンドトラックに収録されている。
絵コンテの担当は小寺勝之で本作では#13、#14、#23に参加、舛成監督作では「ココロ図書館」にも参加し、後に「ボンバーマンジェッターズ」を監督しその才覚を発揮。
演出・作画監督の橘秀樹はこの回で原画も一人で担当するまさに入魂の一作。氏は、R.O.Dでも作画に参加、ココロ図書館ではキャラクターデザインも手がけ舛成作品では欠かせない存在となっている。

サイレント映画風という特殊なスタイル、リスキーのコミカルさ、少女漫画チックな内容とラストのさわやかさで、「かわいさ」に溢れ、、舛成コンテ回以外では、まずベストといって間違いなく、シリーズの中でも別格の地位にある。
(記2005.03..10)

#17 セーフティン・パワーズ
#18 セーフティン・パワーズ・でらっくす
脚本:白根秀樹・黒田洋介/絵コンテ・演出:小林孝志/作監:菊地康仁
▼あらすじ
怪我をした魔物の幼生体と出会ったセフティ、手当てをしてあげたことからいつのまにか仲良しになり”まーちゃん”と名づけてあげる。しかし、セフティが寝ている間、森が炎上してしまう。果たしてこれはまーちゃんの起こしたことなのか。
▼ポイント
普通にみれば、セフティと魔物のまーちゃんとの”いい話”ではあるのだけれど、シリーズ中では、今一歩印象のよくない回でもある。
それは、リスキーの出番がほとんどないセフティメインのテコ入れ回で、普通の感動話を作ろうとしてしまった為ではないだろうか。
しかし、それははからずも本作の鍵を握るキャラがあくまでリスキーであること証明してしまったような気がする。
最初に萌が当たり前のように見ていた怪獣のTV中継が、最後のオチにつながるところは上手い。
(記2005.03..16)

#19 ぼかぁ、しあわせだなぁ
脚本:黒田洋介/絵コンテ:秋山勝仁・演出:久米一成/作監:重国勇二
▼あらすじ
エンジェルアローが刺さったままでセフティにつきまとっていたラニィ(犬)に、セフティが説得してなんとかアローを抜こうとする。
▼ポイント
・#3の「犬に間違って天使の矢が刺さってしまった」というギャグ漫画的にありがちなオチを良くここまで引っ張ったなあと感心。
ラニィのセフティに対する態度が紳士的で、セフティもそれに真面目に悩むという、話としてはまじめっぽいのだけれど、犬と天使と言う絵面とのギャップで、余計に可笑しさがます。
・放蕩を繰り返す、ラニィに愛想をつかした飼い主の安達さんがあてつけに飼おうとするサルが、なぜかKOFのテリー・ボガードの恰好をしている。
・安達さんが声だけでなく姿を見せるも顔は見せず。
(記2005.03..23)

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