平成17年9月18日(日) 

第65回 大阪透析研究会

会場  千里ライフサイエンスセンター

『 院内透析食体験学習会参加者の食事に対する意識 』

 新しい試みとして透析食体験学習会と題する集団栄養指導を実施し、
アンケートによる意識調査の結果についてまとめたので研究会で報告しました。

対象者:13名(男性3名 女性10名)
年齢:42歳〜78歳(平均年齢 62.2歳)
透析年数 5ヶ月〜24年1ヶ月(平均年数 8年3ヶ月)

 実際に日本腎臓学会ガイドラインより自分に合った目安量を
それぞれ計算し、実際に透析食を試食して、ふだんの食事の味付けや
量などを見直し、透析の食事療法について再確認して頂きました。
(平成17年6月21・29日 院内患者学習会参照)

1

2

1

2

3

2

3

2

6

2

5

3

6

4

10

9

その他

意識していない

たんぱく質

エネルギー

リン

水分

塩分

カリウム

6

4

 ふだんの食事において、どのようなことを意識
しているかを体験学習会全後で比較しました。
参加前を青、参加後をピンクで示しておりますが
いずれの項目も参加後に意識していると答えた
人がが増えています。特にカリウムは前共に
意識している人が多く、体験学習会後は水分と
答えた人が大幅に増えました。

 体験学習会終了後、弁当の味付けについて
薄かったと答えた人が1名、ちょうどよかった、
濃かったがそれぞれ6名で、ふだんから減塩
出来ていると思われます。またおかずの量に
ついては、各自で計算した目安量に対して、
ふだん食べているおかずの量が多かったと
答えた人が7名、ちょうどよかった人が4名、
少なかった人が2名でした。

学習会に参加した患者さんから・・・
 ・バランスのよい食事を摂りたい
 ・薄味で調理出来ていることが認識できた
 ・塩分に気をつけていかなければならない
 ・自分の食事量が多いことが分かった
 ・野菜を多めに摂っていかなければならない
 ・透析食でも十分おいしく食べられる
 ・実際は工夫しないと難しい

といった感想を聞くことができました。

 体験学習会を行ったことにより、意識していなかったことについても
意識するようになり、学習前から意識していたことについては、より
関心をもち意識が高まったということが、アンケート結果から分かりました。
食事療法について、話を聞くだけでは理解出来ても実践となると難しいが、
実際に透析食を試食することで、ふだんの食事と比較でき、食事量や
味付けの目安を確認していただくことができ、実践にもつながりやすいのでは
ないかと思います。
 今回は初めての試みということで参加人数は少なかったけれど、患者さんから
好評で、透析食に対する関心、意識の向上につながりました。今後も
さらに実践につながる新たな内容の指導法についても考えていきたいと
思います☆

ふだんのおかず量と
目安量の比較

濃かった
  6人

ちょうどよかった
    6人

薄かった
1人

お弁当の味付けについて

少なかった
  2人

ちょうどよかった
    4人

多かった
  7人