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所在地:奈良県宇陀市室生区室生
最寄駅:近鉄大阪線「室生口大野」下車、奈交バスで
上田口弁天行きなどで「室生寺」下車 |
室生寺は寺伝では、777年(宝亀8年)山部親王(後の桓武天皇)の病気平癒祈願のため、興福寺の僧・賢けい(けいは王偏に景)ら5人が室生山中で「延寿法」を修した。この功により室生山寺の名を賜わり、勅命により、賢けいの高弟修円が建立したと伝わる。また別の伝えとして、白鳳年間(7世紀末〜8世紀初頭)天武天皇の勅願により、役行者が山林修業道場として開創したとも伝わる。
一時荒廃していたが、唐より帰国した空海が恵果阿闍梨より授かった如意宝珠を室生の山に納め、復興を計ったと伝わる。
以来、室生寺は山林修行の道場として、また、法相、真言、天台の各宗兼学の寺院として独特の仏教文化を形成した。江戸元禄年間に真言宗として、独立、女人の参詣が許され、高野山の女人近世に対し、「女人高野」として多くの人に親しまれてきた。
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[参考資料] 『女人高野 室生寺』 室生寺パンフレット
『役行者霊蹟巡礼』 役行者霊蹟札所会編 朱鷺書房 |
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室生寺仁王門。
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太鼓橋を渡ると表門がある。傍らの石柱には『女人高野室生寺』とある。 |
金堂(国宝)は平安初期の建立。単層寄棟造り
本尊の釈迦如来立像(平安初期・国宝)をはじめ、薬師如来像、地蔵菩薩像(平安初期・重文)、文殊菩薩像(平安初期・重文)、十一面観音菩薩像(平安初期・国宝)、運慶作の12神将像(鎌倉時代・重文)が安置されている。 |
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灌頂堂(本堂:・国宝)は鎌倉時代の1308年(延慶元年)の建立。
真言密教の最も重要な法儀である灌頂を行う堂である。 |
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弥勒堂(鎌倉時代・重文)。厨子入りの弥勒像が安置されている。修円が興福寺の伝法院を移築したと伝わる。 |
護摩堂。
堂前の櫻が満開であった。 |
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空海が一夜で建立したとの伝えがある五重塔。(平安初期・国宝)
屋外に建つ五重塔では最も小さく約16mの高さ。
1998年(平成10年)9月22日台風7号により、杉の大木が倒れ、五重塔は大きな被害を受けたが、2000年(平成12年)9月修復工事が完了した。 |
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伝北畠親房の墓。(室町時代初期・国重文)
『神皇正統記』の著者として知られる北畠親房と室生寺とどのような関係があるのか、よくわからないが、かなり昔より、北畠親房墓と伝えられてらしい。
大正時代に発掘調査が行われ、納入品(木製五輪塔や納骨壷)も発見されているが、埋葬されている者は確定出来ていない。
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五重塔の横の道を行くと、奥の院まで450段(下からでは720段とのこと)の階段が続いている。上り詰めると、目の前に常燈堂の木組みの舞台が見えてくる。 |
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奥の院に建つ常燈堂(位牌堂:左側)と御影堂(右側)。
御影堂は鎌倉時代の建立で国重要文化財。方3間の単層宝形造、厚板段葺で、頂上に石造りの露盤が置かれている。パンフレットには他に例のない珍しい建物とあったが、この露盤と同じものが、宝塚の平林寺にも存在する。 |
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役行者霊蹟札所 |
室生寺奥の院 |
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[2006年4月12日参拝] |
[2006年4月12日参拝] |
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