商品名に冠詞として書かれている「super yeast」の文字を見て、思わず目頭が熱くなる。「こだわりの極」の時に「個人的には「スーパーイースト」を限定復活させてくれた方がよっぽどうれしいんだが」と書いていたら、まさか本当に実現するとは。別にこのホームページを見たわけではないんだろうが、ありがとう、アサヒよ!
アサヒがかつて発売していたスーパーイーストについては、こちらですでにまとめてあるが、すこぶる美味しいビールであったにもかかわらず、当時はまだビン内に酵母が残っているビールというスタイルが受け入れられないまま生産中止になってしまったのをずっと残念に思っていた。
しかしその後、銀河高原ビールやキリンのチルドビールなど、生きた酵母の入ったビールが商品としてきちんと流通するようになって時代は大きく変わりつつある。
そんな中での満を持しての「スーパーイースト」ブランド復活となった訳である。
うれしいことにキリンのチルドビールシリーズと違い、同じビンでもスタイニーボトル、つまりはリターナブルビン使用なのである。そのため、店頭小売価格はキリンのチルドよりも安い。
副原料を使用しているので、オールモルトのような強いコクや香りはないが、なんとも言えないまろみのあるふっくらとした味わいは、確かにかつてのスーパーイーストの味を彷彿とさせる。787号という下面醗酵酵母で醸造させた後、558号という上面醗酵酵母によってビン内2次醗酵を行うという、タイプの違う二種類の酵母を使用することによって、時間が経って熟成がすすむと味が変化していくとか。うーむ、これは今までになかったタイプの発想のビールである。
ただ、それだけに夏場の暑い時期には室温保存して品質劣化することを恐れてか、「冬季限定発売」となっている。
しかし、今はコンビニルートを通じての冷蔵状態でのみの販売、ということも可能なのだから、さして特徴も面白みも何もない「こだわりの極」をコンビニの冷蔵ケースから撤去して、この「刻々の生ビール」をこそ長期に力を入れて売ってほしいと思うのだが。