ピッツバーグ大学のCurranらはシリカゲル表面のシラノール基をパーフルオロアルキルシリル化剤で修飾したフルオラスシリカゲルを用いた固相抽出法(フルオラス固相抽出、Fluorous Solid Phase Extraction、FSPEまたはF-SPEと略されます)がフッ素含量が小さいフルオラス化合物の分離法として利用できることを示しました。この分離法は分けようとしている化合物の5から10倍量のフルオラスシリカゲルを一般的な固相抽出用に利用されているポリプロピレン製のチューブに詰めて以下のような手順で行います。
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このようにろ過をするような感覚でフルオラス化合物とそれ以外の化合物を簡便・迅速に分けることができます。また、フルオラスシリカゲルは使い捨てではなく、適切な溶媒で洗浄することで性能が喪失するまで再使用できます。なお、FSPE用のカートリッジならびにフルオラスシリカゲル担体は市販されています。
FSPEでフルオラス色素(オレンジ色)と非フルオラス色素(青色)を分離する様子は以下のようになります。
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この分離の原理は逆相系のシリカゲルと同様に分配で説明されます。非常に切れ味よく分離することができます。経験的に一番難しいのは試料のチャージです。うまくやらないとリーチングしてしまいます。
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