Gallery 7-26
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花材: 苔すもも一種
花器: 耳付変形瓶 工藤眞人陶芸教室
花器は自作と書きたいところですが、先生の
お助けが ・・・。 掛け花にも使えます。
わが園の 李の花か 庭に落(ちる)
波太礼(はだれ)のいまだ 遺(のこり)たるかも
万葉集 第19巻 4140 大伴家持
万葉集の花: 李(すもも)
現代名: 李(すもも)
学名: Prunus salicina
山水にささやく
あなたが花です。
「春の苑の桃李の花をながめて作れる歌2首」の内の1首です。
桃の花を詠んだもう一首の 第19巻4139 と同じ日の夕べに作った歌です。
大伴家持が赴任していた越中は旧国名で、現在の富山県に当たります。
北陸の雪深い越中では、春になっても雪が溶けないでのこっているようです。
庭の白い李の花を眺めていると、その下の土も白く見えます。すももの花が落ちて
いるのでしょうか。それとも溶けずにまだらに残っている雪の白さなのかもしれません。
白い李の花と、まだらに残る雪との見分けがつかないほどに、春の時刻は黄昏ていた
のでしょう。忍足で訪れる春の喜びを清らかに歌い上げています。
(記:2010年4月12日))
李は、バラ科さくら属の高木です。
春になると新葉とともに、雪のように白い花が密に咲きます。