高麗芝は通常の状態でも約2.5cm位に刈る。しかもその使用目的故にその状態を維持する為、度重なる刈り込みとなる。高麗芝は、その作業の為に葉先は刈られ草丈も短いから肥料成分の過剰・欠乏症状を判断するのは非常に困難が伴う。
冬季の芝枯れの期間を除いて、下記の状況で判断すると良い。
@ 圃場にきのこが発生している。 A 根際の茎が水浸状となって軟化している。 B 11月中に冬枯れ状態になる。 C 芝刈り後の伸長が遅い。注)−1. D 芝生全面の緑色が冴えず、古い葉が黄化する。 E 葉脈を除き、葉が全体的に黄緑である。その葉を陽光に透かすと濃淡がある。 F 人が通って後倒伏して起き上がるまで時間がかかる。 G 芝生全面が黄褐色となり、人が通った後落葉してしまう。 H 葉の先端が褐変している。 I さび病。 J 葉の先端が引っ掛け針のように鋭角に折れ曲がっている。 K 葉の裏表の同じ位置に褐斑が発生している。 L 葉の先端が白変している。 M 葉が細い。 N 葉に黄色の縞状の斑点が発生している。 O 葉に点々と小さい白色斑点が発生している。 P 葉脈は緑お色をしているが葉脈間は全面的に黄褐色化している。 Q 11月になっても白い花が咲かず、結実(黒褐色)しない。 |
・・・・未熟堆肥や未熟有機物肥料の投与 ・・・・施肥過多か過湿 ・・・・・・肥培管理不良 ・・・・N肥料をNH4−Nで施肥又はCa欠 ・・・・・・Mg欠乏 ・・・・・・Ca欠乏 ・・・・P、Ca欠乏 ・・・・・・P 欠乏 ・・・・K欠乏、又はNH4−N過剰のK欠乏 ・・・・主としてB欠乏 ・・・・・・B 欠乏 ・・・・・・B 欠乏 ・・・・・・Mn欠乏 ・・・・・・Zn欠乏 ・・・・・・Zn欠乏 ・・・・・・Cu欠乏 ・・・・・・Fe欠乏 ・・・・・・微量要素の総合欠乏 |
注)−1.芝生の土壌は有機物が少ないことが多い。
その上、砂を混合したのような資材を目土に用いたりもする。この様に有機物の少ない土壌に於いて、窒素肥料をアンモニア態窒素だけで施肥すると硝酸化成菌が活性できず、
窒素分解は進まない。そのため植物が吸収できる養分としての硝酸態窒素が生成できず、結果的に窒素が不足する。又、アンモニアの害も生じ易くなる。
[ 対 策 ]
1. 一般の圃場と違い耕起を繰り返す事はできないので、土作りの際の表土は出来るだけ厚く、また有機物は十分に施用することが大事であ
る。
2. キノコの発生(NH4−N過剰)
キノコの発生は根がキノコ菌糸に侵され、草勢が著しく減退する。
対策なし・・・・@未発酵有機物は絶対に使用しない。
A尿素やアンモニア態窒素を多く含む肥料は使わない。
Bグリ−ンアップの葉面散布を週2回励行する程度の対策しかない。
3. 芝草は根が浅い為にアルカリ度の高い水の影響度は大きく、根を傷めてしまう。従って、灌水に使用する水のPHは6.2とする。
4. 追肥、その他は3項同様、その影響度が大きい、土壌の精密分析をして栽培中に生じた各成分の適切な施肥が不可欠である。