土 壌 分 析 の 記 録_010


  
( G・ Ima.農園 ) INDEX
                                                                    更新日:2015年 9月30日


 
圃場 NO.1

 ’82年度
作物:とまと(品種 桃太郎)                                                  分析者:ナガサト産業(株)分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’82. 2.27 4.98  6.62  1.13  70.92  10.59  92.60  31.65 2.73 EC 0.08
 40 Kg
 30 〃
440 〃
 20 g
     5.56    18.63
 16.23


223.20


注)44.0



2.70
硝酸加里
硫酸加里
炭酸石灰
微量要素
修正値    6.62  6.69  70.92  45.46 315.80  75.65 5.43  

水田転作。ハウストマトを始める。つまり、この分析は、普通一般にある稲作の圃場分析と考えても良い。
此処は滋賀県守山市。琵琶湖岸から300mほどの所にあり、5mも鑿井(サクイ=井戸を掘る)すると水は勢いよく引きあがってくる(pH 7.0)。

@ この時期、窒素成分は10kgを標準としていた。この頃、窒素成分の吸収に補給が間に合わないことが分かり、順次20kg、、、30kgと設定値を上げている。そのようにしないと欠乏が止まらない。
A 注)苦土は誤って苦土石灰を用いたため10%の成分が入ってしまった。全国どこのJAでも、苦土石灰は在庫しているものの苦土が多いときの石灰の補給は考えていないようで、炭酸石灰は取り寄せになる。 この状況はH27年の現在でも改善されていない。

分析の結果は、ECが低すぎる。有機物の養分もほとんど施肥されていない様子が伺える。稲作では資材を使うと採算が取れないという。
有機物を使用していないから、アンモニア態窒素 > 硝酸態窒素となっている。
石灰が大欠乏。結果、苗を植えると、写真@のように折角の緑色が黄色くなり、枯れ始めた。慌てて設計通りに施肥すると緑色を呈してきた。

写真 @ 撮影:’82年 3月**日
トマト
写真 A 撮影:’82年 3月**日
トマト
         定植後の写真@。pHが低い。養分、特に硝酸態窒素と石灰が全然不足。修正するとすぐに回復する。写真Aは
         10日後の写真。

分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70  
’82. 4.13 6.18 6.69 2.33 94.56 70.38 144.51 34.27 1.94 EC 0.42
 60 Kg
320 〃
 20 g
    7.08    14.16
169.60
 

2.70
硝酸石灰
炭酸石灰
微量要素
修正値   6.69 9.41 94.56 70.38 328.27 34.27 4.64  
 ECは、ちょうど良くなってきました。それでも有機物がないために、アンモニア態窒素が硝酸態に代わってくれません。
前回は6.62、今回の分析が6.69です。つまり先月、硝酸加里で与えた硝酸態窒素だけが4.46吸収されたことになります。 有機物を用いなければいけないということがこの分析で分かると思います。さもないと、硝酸化成菌が活性化しない→硝酸態窒素に変わらない→pHも下がらない→病気になる。 正確な分析を見ていくと、このようなことが読み取れ、なぜそのような事、つまりここでは有機物を入れなければいけないとか、有機栽培は栽培がやり易い(防除は別ですよ!)といったことが分かるようになってきます。
写真 B 撮影:’82年 4月**日
トマト
写真 C                撮影:’82年 5月**日
トマト
この写真BCでは、石灰の効果がまだ出ていません。まだまだですが、段々良くなってきています。

写真 D 撮影:’82年 *月**日
あきひめ
写真 E 撮影:’82年 *月**日
トマト

 写真Dでは、NとCa欠の後遺症は残っているようですが、ちょうど良くなってきました。そのままで、果実に問題はありません。
写真E頃になると何の問題もありませんでした。この地区は名古屋からも近いし、業者が盛んに買い付けに来ているようです。愛知県の某自動車メーカーの生協が“チョット食べさてくれ!!” ということで試食させたところ“この品物を引き取りに来たいが、4トン車を仕立てるからまとめて欲しい”との事でした。しかし、なにぶんにも自分単独の栽培ですから、商談には至らなかったということでした。
私も訪問するたびに味のチェックはしていましたが、分析の通り微量要素がたっぷり余裕ある栽培でしたから、味は最高でした。バイヤーは絶対欲しがるはずです。

分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70  
’83. 4.11 7.20  5.88 16.74 176.12  40.13 273.59  38.30 0.27 EC 0.48
100 Kg
 20 g
           53.00  
2.70
炭酸石灰
微量要素
修正値    5.88 16.74 176.12  40.13 326.59  38.30 2.97  
  

 
圃場 NO.2

 ’82年度
作物:とまと(品種 桃太郎)                                                  分析者:ナガサト産業(株)分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’82. 4.13 5.26  7.94  3.78 119.38  49.69 141.70  32.26 2.16 EC 0.46
 60 Kg
300 〃
 20 g
     7.08      14.16
159.00
 

2.70
硝酸石灰
炭酸石灰
微量要素
修正値    7.94 10.86 119.38  49.69 314.86  32.26 4.86  

 ここはNo.1と同じ圃場です。600坪の圃場に300坪を2棟建てました。
No.1のハウスは加里が多く検出されていたようですね。多分、採土したとき、たまたま多いところを掬ったのでしょうね!こんなことがあるから、初めの3回ぐらいは注意する必要があります。

分析をして標準値に修正していけば、このように双方とも同じような生育をします。
分析して、少ない成分は入れる。多い成分は、唯、ひたすら減るのを待つ!単純に、これだけです!!!

写真 B 撮影:’82年 5月**日
トマト
写真 C 撮影:’82年 *月**日
トマト

分 析 日
肥料投入量
酸度
(pH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70  
’83. 4.11 7.43  5.29 15.21 223.40  43.17 374.60  45.36 0.19 EC 0.59
 20 g            53.00   2.70 微量要素
修正値    5.88 16.74 176.12  40.13 326.59  38.30 2.97  
  

 
圃場 NO.3

 ’83年度
作物:とまと(品種 桃太郎)                                                  分析者:ナガサト産業(株)分析室
単位mg / 乾土100g ( ≒ Kg / 10a )
分 析 日
肥料投入量
酸度
(PH:Kcl)
アンモニア
(NH4-N)
硝酸
(NO3-N)
全リン酸
(P25
加里
(K2O)
石灰
(CaO)
苦土
(MgO)
可給態鉄
(Fe)
追 肥
標準値 6.0〜6.2 2〜3 30 50 50 320 30 2.70   
’83. 4.13 7.17  5.07 13.48 191.48  33.24 308.66  55.44 0.24 EC 0.61
  20 g               2.70 微量要素
修正値    5.07 13.48 191.48  33.24 308.66  55.44 2.94  
  


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