もう イノシシは いなくなっていました。
ひこじろうが たびの したくを して
いると、 ほらあなの でぐちで セイモ
ルが よびました。
「ひこじろう、 こっちに きてごらん。」
セイモルの ところへ いってみると、
ひとにぎりほどの ドングリが おいてあ
りました。
「たぶん きのうの イノシシが あつめ
てきたんだ。 おれいの つもりかな？」
次の日、二人が目を覚ますと
もう猪はいなくなっていました。
彦次郎が旅のしたくをしていると、
ほら穴の出口でセイモルが呼びました。
「彦次郎、こっちに来てごらん。」
セイモルのところへ行ってみると、
一握りほどのドングリが置いてありました。
「たぶん昨日の猪が集めてきたんだ。
お礼のつもりかな？」