温泉津(ゆのつ)温泉と沖泊
島根県太田市温泉津町小浜 撮影:H19.10.14
沖泊と温泉津温泉は平成19年11月に石見銀山の文化的景観の一部として世界遺産に追加登録された。
沖泊:水深が深く、地元で「綱知らず」と言われるほど穏やかなため、銀の積み出し港として大いに栄えた。両岸には岩を削ってとも綱を結んだ「鼻ぐり岩」が残っている。
戦国時代に尼子氏の武将だった温泉(ゆ)氏がこの地を支配して、北側の岬に築いた「櫛山城址」がある。尼子家は1566年に毛利に滅ぼされたが、その4年後に一族の尼子勝久が出雲で再興の挙兵をした時、毛利元就は港の南の山に「鵜の丸城」を築城して毛利水軍の拠点とした。
温泉津温泉:沖泊の港町として栄え、銀山衰退後も北前船の寄港地で薬効の高い湯治温泉としても栄えた。温泉津港も沖泊と並んで銀の積み出しと銀山関連物資の搬入港として賑わい、港近くには廻船問屋の屋敷も残っている。町の中央にある共同浴場「薬師湯」は明治5年の浜田大地震で湧出した源泉をそのまま使っている薬効の高い湯として評価されている。自噴の天然温泉はここを含めて全国で12箇所と言われている。
恵比寿神社
温泉氏の時代に筑前住人が神託で建立したらしい。
沖泊の櫛山城址
港入り口の北の山上に尼子氏の武将であった温泉(ゆ)氏が築いた櫛山城址がある。
早朝の温泉街
宿は殆どが民宿風のひなびた温泉町で、静かで落ち着いた雰囲気がよい。宿は全部で17軒ある。
温泉津温泉の夕景
最も大きくて近代的な「のがわや旅館」。ただしエレベーターは未装備。
沖泊と温泉津を結ぶトンネル
両地を結ぶ唯一の車道。一車線の狭くて薄暗いトンネルを出ると目の前が沖泊であった。
温泉津温泉と沖泊の観光図
石見銀山ホームページから転載
鼻ぐり岩
入り江の北側の岸壁の岩を加工してとも綱を結んだもので数十個残っている。往時は400個はあったらしい。
自噴の天然温泉「薬師湯」
右手前に見える「薬師湯」は源泉から湧き出る湯をそのまま流している薬効が高いと評判の共同浴場。
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