2月16日(月)

いよいよ、チュニジアとお別れ。

朝、起きるとすぐに

スジャータさんとヒロコチャンの部屋を訪ねた。

砂漠で吹けなかったハーモニカを チュニジアに居るうちに

吹かなければ・・・と。

スジャータさんは{月の砂漠}が大好きなのだ。

寝込みを襲われて 巧くもない音色に 迷惑顔だった。

 

空港に向かった。

チュニジアに来て 初めての雨がわずかだが降っていた。

なごりを惜しむ雨なのか・・・・

 

山本夫妻の赴任先、 ピ−スボートで立ち寄ったリビアの隣国、 

イタリア旅行の際、一回りしたシシリー島のすぐ下の国、

などと それ以上に知識もなく出かけたチュニジアだったが、

ラサドさんの熱心なガイドのおかげで、

10日間で通過しただけとはいえ チュニジアを垣間見た。

 

国費の多くを教育に当て、大学まで無料、さらに勉強をしたければ

国はお金を出してくれる。

資源と言えば、わずかな錫、周りの国では原油が出るが故に

争いが絶えない。

「一応、徴兵制度はあるけれど、僕は拒否したまま、

他国が攻めてきたらチュニジアは 2時間と持たないでしょう」と

ラサドさんは言った。

 

農業国で自給自足、理想的な国ではないかしら・・・

フィラメン(さようなら)、チュニジア!シュクラン!(ありがとう)

 

 16名と ラサドさん、吉田さん

 

AF1685で再びフランスにやって来た。

わずか 2時間のフライト。

冴と成田さんは 他のメンバーと共に 成田へ飛んだ。

 

メンバーの中には アメリカから参加されたエルビー君親子が居た。

エルビー君は ダウンの障害を持っていたが、

メンバーのムードメーカーだった。

列を乱していたのは 私たち親子で さぞかし・・・だったと思う。

どうせ、旅に出たなら 120%楽しみたい!というのが

私の主義、巻き添えになった方々は 一緒になって馬鹿騒ぎをしていただきたい。

 

       *************

 

さて、 これからは 19日まで 四日間の巴里編となる。

 

スーツケースが出てきた。

・・・・・・壊れている!

車の一つがスーツケースに食い込んで 酔っ払い運転状態。

ヒロコチャンのスーツケースがまだ、出てこないけれど、私は

時間を無駄にしたくないので インフォメーションに向かった。

たどたどしい英語で何とか伝えて 証明書は貰った。

それから待つこと、30分余り、

周りには誰も居なくなってしまった。 

ヒロコチャンのスーツケースはどこへ行ってしまったのだろう・・・・

インフォメーションに再び直行、すったもんだの末、 

1時間後に スーツケースが戻ってきた。

 

酔っ払いのスーツケースをなだめながら バス乗り場に行く。

オペラ座行きのバスを見つけるにも かなりの苦労、

自由があるということは トラブルなども自分持ち、

もの凄いエネルギーを 空港脱出までに使った。

11時30分にチュニジアから到着しておきながら、

車中から巴里の景色を眺めた頃は3時を過ぎていた。

 

約40分でオペラ座に着いた。

バスは8・2ユーロだった。 タクシーなら一人 20ユーロ。

さて、今度はホテル探し。

すでに、旅行社にトリプルの部屋をとって貰っていた。

旅行社のくれた地図をひろげて、酔っ払いのスーツケースを

引きずって歩いた。  石畳の道が恨めしかった。

 

ヒロコチャンが老夫婦に声をかけた。

コートの中から 真っ赤なマフラーを覗かせて お洒落なご夫妻。

ドイツ人で 土地の人ではなかったが 親切に地図を見ながら

案内をしてくださった。 感謝! メルシー!

記念撮影もしなかった、名前も伺わなかったのが残念だ。

タクシーに乗っていたら スーツケースをなだめることも

しないですむ代わり、彼らには逢えなかった。

 

リッチモンド・オペラ ホテルは ビジネスに近い感じだが、

長期滞在型の 居心地いいホテル。

洗面も2つ付いて、3人で連泊には 有難い部屋だ。

 

日の暮れないうちに ルーブル美術館まで歩く。

スジャータさんは2度目の巴里、彼女を頼りに 到着。

まずは、カフェで休憩。

チョコレートケーキの美味しかったこと!

 

ミロのビーナス、高校生の頃、京都の美術館で観たことがある。

あの時は「立ち止まらないでください!」と係員が叫んでいた。

ここでは、誰もそんなことは言わない。ヒロコチャンと

心行くまで、前から横から眺めることができる。

ダヴィンチのモナリザだって、日本のようにロープの柵さえもない。

3時間ほど 見学をして外に出た。

 

夕食は 餃子とラーメンとビール。

ホテルに帰ると スジャータさんの友達、 ベロニカさんこと 

イハラミチコさんに電話をかけた

フランス語の勉強に横浜から単身、巴里にやって来た方。

明日の夜、彼女のアパートを訪ねることになった。

スジャータさんからメールアドレスを聞いて、すでにやりとりはしていたが、

未だ見ぬベロニカさんに逢うのも 巴里の目的だった。

                     次ページへ