毛皮(ファー)素材の取り扱い

店頭での会話の中で、「毛皮って何かとお手入れが必要で大変そう」というお声を耳にすることが少なくありません。
いくつか注意することはありますが、気にしすぎる必要など全くございません。
「○○に注意!」 という書き方もありますが、【良い状態のまま長持ちさせるための心がけ】としてお考えをいただきましたら幸いです。



ご着用時の注意点

圧迫による痛み、毛グセ

圧迫による痛み、毛グセ。


ロングコートなどを着たまま長い間座っていると、毛の流れにクセがついてしまいます。
よほどの状態でなければ、軽く振ってあげるだけで直ってくれますが、できるだけハンガーに掛けておいてください。

■対処
毛グセがついてしまったときは、ブラッシングしてみてください。
直らない場合には、硬く絞った蒸しタオルなどを毛先にあて、ブラッシングをしてください。


 

摩擦による痛み

摩擦による痛み


シートベルトや斜め掛けのバッグなどの摩擦は、毛皮を傷める危険が高いです。
特にラビットやチンチラなどの耐久力がない素材は、場合によってはすぐにスレや剥げが起こります。

■対処
毛皮のスレや剥げの修理は難易度が高く、部位によっては修理後の見栄えがとても悪くなってしまいます。
できるだけ、局所的な負荷がかからないようにご注意ください。


 

香水、その他の臭いが強いもの

香水、その他の臭いが強いもの


毛皮には臭いがつきやすく、「タバコの臭い」や「防虫剤の臭い」などは中々抜けません。
もし臭いがついてしまったら、風通しの良いところへ掛けておくようにしてください。
また「香水」や「ヘアスプレー」などが毛皮に直接付くと、毛の痛み、色あせなどのトラブルの原因となることもありますので、ご注意ください。

■対処
それほど強い臭いでなければ、風通しの良い場所で数日陰干しするだけで 改善することも多いです。
それでも難しい場合には、「脱臭加工」を行う必要がございます。


 

火気、熱による痛み

火気、熱による痛み


毛皮は火や熱にとても弱いため、注意が必要です。
ストーブ、ライターやタバコなどにはご注意ください。

■対処
毛皮は熱に弱く、裏地からアイロンをあてるだけでも革が収縮して硬くなってしまいます。
毛グセ直しにスチームを使うときには、できるだけ離して蒸気をあてるようになさってください。


 

雨や雪などによる「革」の濡れ


多少 毛に雨や雪が当たるくらいでは何の問題もありませんが、革まで広範囲に染み込んでしまうと厄介です。

■対処
水がしみ込んでしまっている場合には、乾いたタオルで水気を取り、ゆっくりと陰干しで乾かすようにしてください。
ドライヤーなどの熱風を当ててしまうと、革が変質して硬くなることがございます。


 

ご着用後のケア

ほこりを払う

ご着用後には、目に見えないホコリがたくさん付いています。

■対処
地味ながら、ブラッシングがとても大切なお手入れです。
もしブラシがお手元に無い場合には、軽く全体を振っていただくだけでも多少の効果があります。


 

汚れを落とす

袖口やエリ、首周りなど直接肌に触れるところは、変色や傷みの原因となる汚れが付きやすい部分です。

■対処
ぬるま湯に着けてかたく絞ったタオルなどで、毛並みに沿って撫でるように拭いてください。
特に目立つ汚れが無ければ、水気が染み込まないように、サッとで大丈夫です。
万が一、革まで濡れてしまったら、急がず陰干しをして乾かしてください。


 

保管時の注意

スペースにゆとりを持つ

たくさん詰まったクローゼットの中に入れておくと、毛グセの原因になってしまいます。
できるだけゆったりと、圧迫しないようにご注意ください。


 

通気性の良いカバーを掛ける

通気性の良いカバーを掛けることで、ホコリや光を避けることができます。
蛍光灯や日光による紫外線は、毛の変色や褪色の原因になります。
特に長時間クローゼットに入れておく場合には、注意が必要です。


 

防虫剤の使い方

2種類以上の防虫剤を同時に使うと、化学変化を起こしてシミなどの原因になってしまうことがありますのでご注意ください。


 



>毛皮(ファー)修理

>毛皮(ファー)リフォーム

>毛皮(ファー)種類