法律の本は、難解・独特の表現があり読みにくいことは否定できません。
素晴らしい本でも読みこなせないと意味がありません。そこで読みやすさという項目を挙げてみました。
結論として、芦部信喜先生の憲法が一番優れていると思います。
芦部憲法は、平易な文章で簡潔に記載されており、大学受験(政経)で使用する高校生もいます。
一方、野中先生他の共著は、詳細に記述がされており初心者にはとても難しい本だと思います。
今後他の試験を受験される方は、芦部先生とその他に1冊を用いるのがよいのではないでしょうか?
この項目では行政書士試験における各基本書からの出題の網羅性についての評価です。
なお基本書の網羅性には限界があり、全てが基本書から出題されるわけではありません。
この点はご注意下さい。
芦部先生以外の書籍は、詳細に記述がされておりますので網羅性においては優れています。
統治は若干人権に比べると網羅性が欠ける気が致しますが、網羅性については芦部先生より優れて
います。但し、個人的には統治は芦部憲法と条文で十分なのではないかと思います。
百選は重要な判例は網羅しておりますので勉強の進んでいる方は参照するのもいいかも知れません。
近年、試験の変更に伴い法律的素養を問う問題が学説問題等を通じて出題されています。
これは他の司法試験・司法書士などの国家試験の影響だと思われます。
学説・論理問題を検討する上では、野中先生他の書籍は学説やその根拠なども詳細に記載しており、
うまく基本書を読み込んでいけば論理力の養成につながりかなりの対策になるかと思います。
芦部信喜先生の憲法は、代表的論点についてのみの言及ですので多少の不足は否めません。
そこで憲法の勉強がある程度進んでいて、平成14年前後までの過去問はほとんどできるという方は、
芦部先生以外の書籍を利用した方がいいかもしれません。
初学者(初受験・現役法学部生以外の方)は、芦部憲法を基本書に
経験者(複数回受験者及び現役法学部生で、憲法が得意な方)は、野中先生他の共著憲法を基本書
として勉強されるのがいいかと思います。
ただ初学者の方も野中先生他の共著憲法を辞書的に利用することはお勧めします。
百選は、参考程度にご覧下さい(統治より人権の百選の方が重要です)。
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