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イラストを描くかたわらで気になったこと、気に入ったものを時折ポケットから取り出してためつすがめつ綴っています。
In this page ,I want to talk about my favorite things.But sorry,japanese only.

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©Hiromi Suzuki All rights reserved 2003-2004 禁無断転用転載

ミズクライド

Ms.Cried?

いえ、「水くらい土」と書きます。
武蔵野台地には、厚い火山灰の関東ローム層の下に礫層があり、雨水がすべてそこに吸い込まれてしまうという伝説の土地があります。

「ミズクライド」は、イラストの資料を探しに図書館に行ったとき、玉川上水関係の棚でみつけた言葉です。私は、東京の失われた川(暗渠:あんきょ)をめぐる旅、というか散歩が趣味で、ついつい仕事をはなれて、関係のない郷土史料まで集めてしまいます。

玉川上水は、江戸への上水供給を目的として、玉川兄弟によって掘削されたものです。
東京都羽村の多摩川から取水して、今の新宿御苑あたりまで。現在、都心部ではほとんど暗渠になっており、緑道として人々のいこいの場所になっています。

西武線拝島駅のちかくに、その伝説の土地があるそうです。掘っても掘っても、水が吸い込まれてしまうので、しかたなく流路を変えたのですが、その苦労の掘り跡が、今も見られるとのこと。今度、ぜひ訪れてみたいのです。

ところで、ミズクライド、という語感が私には、武蔵野の丘陵に城をかまえる眠りの女王を思わせるのです。土奥深く、礫の砦を築きあげ眠りつづけるミズクライド、汗をぬぐい困惑する若い兄弟たち・・・・。まったく、勝手な想像ですが(笑)。

私のすむ地元、笹塚では、駅前で玉川上水が一部開渠となって、せせらぎが顔をのぞかせています。春から夏にかけては、水量も増え、土手際でせりを摘む人もいます。この水、実は、羽村から来ているものではなく、どこからともなく湧きだしているそう。

春になれば、ミズクライドもお目覚めの季節、なのでしょうか。

写真は、まちで見かけた美女?たち、眠りの女王ミズクライド(笑)をもとめて、カメラ片手に歩きまわった時に撮影しました。

北区西ヶ原。「さち洋装店」のモダンな看板娘。
“Mannequin” nishigahara,kita-ku,Tokyo

文京区西片。「ムサシヤ靴店」では、なぜかビキニでお出迎え
“Bikini” nishikata,bunkyo-ku,Tokyo

中野区南台。看板屋2Fのテラスで人待ち顔のオードリー。
“Audrey”minamidai,nakano-ku,Tokyo

*Backnumber*
Pocket 01 『イギリスの遊園地』
Pocket 02 『バス通り』