ヘヴィメタルである。メタルゴッドである。
80年代初頭、東京ロッカーズや九州のめんたいビートが宝島な若者の感性にビビッと来ていた頃、ここオオサカではそんな全国の事情に関係なくメタルの嵐が吹き荒れていた。
ラウドネス、アースシェイカー、マリノ…レコード屋に勤めつつ内なるロック衝動をバンド活動に叩き付けようと虎視眈々としていた私だが、回りにいるのはやたら気さくなバイトでロン毛のヘビメタ野郎ばかり。ルースターズ演る奴なんかおらんちゅうねん。付き合いで色んなライブハウス観に行ったなあ。バハマ、ブローダウン、ヤンタ鹿鳴館…みんな演奏はもの凄い(色んな意味で)のだが何故かいつも前列10人くらいはノリも悪く反応も鈍い。ライバルのバンドメンバーが演奏のテクや曲の完成度を黙々と観察しているのである!
ヘビメタの総本山と言えばジューダスプリーストである。元はといえば英ハードロックバンドの1つだが曲のクオリティと常に進化する姿勢が評価されての結果である。ちなみにこのジャケ。実際ハードゲイのロブハルフォードが趣味で採用したレザーがそのままヘビメタファッションの代名詞ともなったのだ。フォ〜。
しかしいつからヘビメタはロック王国の被差別民となってしまったのか。ミュージックライフとロッキンオンしかなかった時代、昔は皆何でも聞いてましたよ。だがスタイルとして煮詰まったロックがパンク以外の選択肢としてテックニックと様式美を追求したおすというのも一つの方法論だった訳である。