Hell Bent for Leather Judas Priest
Hell Bent for Leather
■オオサカ・メタル・シティ
 ヘヴィメタルである。メタルゴッドである。
80年代初頭、東京ロッカーズや九州のめんたいビートが宝島な若者の感性にビビッと来ていた頃、ここオオサカではそんな全国の事情に関係なくメタルの嵐が吹き荒れていた。
ラウドネス、アースシェイカー、マリノ…レコード屋に勤めつつ内なるロック衝動をバンド活動に叩き付けようと虎視眈々としていた私だが、回りにいるのはやたら気さくなバイトでロン毛のヘビメタ野郎ばかり。ルースターズ演る奴なんかおらんちゅうねん。付き合いで色んなライブハウス観に行ったなあ。バハマ、ブローダウン、ヤンタ鹿鳴館…みんな演奏はもの凄い(色んな意味で)のだが何故かいつも前列10人くらいはノリも悪く反応も鈍い。ライバルのバンドメンバーが演奏のテクや曲の完成度を黙々と観察しているのである!

ヘビメタの総本山と言えばジューダスプリーストである。元はといえば英ハードロックバンドの1つだが曲のクオリティと常に進化する姿勢が評価されての結果である。ちなみにこのジャケ。実際ハードゲイのロブハルフォードが趣味で採用したレザーがそのままヘビメタファッションの代名詞ともなったのだ。フォ〜。
しかしいつからヘビメタはロック王国の被差別民となってしまったのか。ミュージックライフとロッキンオンしかなかった時代、昔は皆何でも聞いてましたよ。だがスタイルとして煮詰まったロックがパンク以外の選択肢としてテックニックと様式美を追求したおすというのも一つの方法論だった訳である。
 演ってる方は命がけだが普通のロックファンからはしだいに「こいつら狂ってる…」と認識されてしまう。他人に理解不能なアホな事を切磋琢磨し真剣に取り組む!ヘビメタファンとプロレスファンが何かと熱く語ってしまう所以である。かく言う私もこのアルバムを某サイトで熱く解説したものである。
「このアルバムで初期ジューダスのサウンドは完成した。(中略)これ以後ジューダスはリスクを負ってでも時代と折り合いを付けるべく試行錯誤するバンドとして変貌していく訳だが、それはこの作品によってHMバンドの基盤を築けたからだ。」
実際このすぐ後にアイアンメイデンを筆頭としたNWOBHM(長げー)が始まりスタイルとしてのHMが定着する訳である。その意味で正に分岐点。ヘヴィながらも単純にカッコイイ!と思える曲が満載なのだ。至高のバラードもこの時期までは定番。

その後ジューダスはメタルの率先者として全米制覇しロブが10年以上脱退する等の試練も乗り越え今なおただならぬ威厳で君臨している訳だが、この頃の作品と比べると…何かおもろないで。
思うに昔のジューダスはヘビメタへの風当たりも自覚しつつ圧倒的パフォーマンスで自分たちを笑い飛ばすセンスを持ち得ていたように思うのだ。もっとバカになって今一度カタルシスに満ちたカッコイイ曲を演って頂きたいものである。何?次作のタイトルが決まった?『ノストラダムス』…

笑うな! SATSUGAI するぞ!!
                    (フジモト)

リリース 1978 Screaming for Vengeance
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