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■本会議代表質問
平成23年6月23日(木) 一般質問 森高議員(自民)
1.知事もみずからが東日本大震災の被災地を訪問され、現地の状況を直接見聞きするとともに、被災県の切実な生な声を聞かれたが、何を感じ、何をなすべきと考えるのか。
未曾有の大被害をもたらした東日本大震災は、発生から3カ月が経過しました。この間、自民党県議団としては3班17名が、宮城、福島両県を中心に、慰問、復興支援、そして調査に被災地を訪ねました。
私自身も、党県連の東日本大震災復興支援プロジェクトチーム座長として、5月、6月の2度にわたり団長を務め、岩沼市、仙台市、南三陸町、気仙沼市、二本松市、浪江町、そして東松島市、亘理町、飯舘村の市町村長、議長、県議などの生の声に接してまいりました。
現地に入り、余りの惨状に、生まれて初めて息をのむ、言葉を失うという経験をいたしましたし、ある自衛隊関係者によると、くしくも66年前の3月10日、あの東京大空襲を受けた翌日の東京の様相と重なったとの表現もありましたが、まさに戦場でした。
家も家族も職場も一瞬のうちに失い、災害時のよりどころである役所も被災し、機能停止になるという想定を超えた津波の恐ろしさは、決して他人事ではありません。
気仙沼商工会議所の臼井会頭の「世界一の防災都市をつくる」という言葉に励まされ、安心させられつつも、政府の余りにも遅い復興策と、国会が被災者に本当に向き合っているのかとの疑問を感じるとの多くの声があったことも報告しておきます。
それにしても大変なのは、福島県で原発事故による終わりの見えない闘いと、福島差別と言われる風評被害は深刻です。私たちができる最大限の支援を続けるとともに、本県伊方原発で決してあってはならないこととして、しっかり検証してまいりたいと存じます。
【答弁者:知事】
被災地の訪問についてでありますけれども、4月30日から5月2日の3日間、被災地で支援活動を行っている県の職員、そしてまた、市町の職員など派遣職員の激励と、そしてまた、各県知事との面談や被害状況を確認することで、今後の支援ニーズのヒントを得ることなどを目的として、岩手県、宮城県、福島県を訪問させていただきました。
岩手県の大槌町や宮城県の石巻市などの被災地域では、大津波によって多くの犠牲者が出ているほか、海岸沿いの家屋がすべて瓦れきと化している状況を目の当たりにして、津波の被害の大きさに言葉を失うほどでありました。
また、福島県の佐藤知事との面談では、原子力発電所の爆発事故という、だれもが経験したことのない困難な課題に全力で向き合う決意を直接伺ったほか、風評被害による県内農産物や観光への影響に苦慮しているとのお話があり、同じ原発立地県としての協力がこれからも必要であると感じたところでございます。
これらの思いから、被災地のニーズに応じた息の長い支援を続けていく必要があると考え、えひめ愛顔の助け合い基金により、県民の皆さんの温かい思いやりの気持ちを支援という形にして被災地等へお伝えしているほか、災害ボランティアや行政支援のための職員派遣も継続実施しているところであり、今後とも、被災地の一刻も早い復興を願い、本県としても可能な限りの支援を続けていきたいと考えております。
また、本県においても、発生確率が高まっている南海地震への備えや、原子力発電所立地県としての一層の安全確保など、県民の安全・安心の確保に最優先で取り組んでいかなければならないと決意を新たにしております。
2.東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故を教訓に、県民の生命、身体及び財産を守るため、県地域防災計画の見直しに今後どう取り組んでいくのか。
今回の東北地方・太平洋沖地震では、想定を超えた揺れと津波が発生し、想像を絶する被害をもたらしました。本県においても、宇和海沿岸地域に津波警報が発令されましたが、その際の避難率は6.2%と低水準であり、決して避難が適切に行われたとは言えない状況にありました。もし、東北地方と同規模の津波が宇和海沿岸を襲っていたとしたらと考えると、背筋がぞっとします。
今後、30年以内には60%程度の確率で南海地震が発生すると言われていることから、今回の住民避難の状況を十分反省するとともに、これまでの想定にとらわれることなく、備えを万全にしておく必要があると痛感いたします。
また、本県には、四国唯一の伊方原子力発電所が立地しており、これまでの安全対策に加えて、緊急的にさまざまな安全対策が講じられていると聞き及んではおります。
県におかれては、今回の福島第一原発事故を考慮すると、万が一の場合に備え、原子力災害対策については十分検討しておく必要があります。
これまで本県の地域防災計画では、原子力防災対策を重点的に充実すべき地域、いわゆるEPZを原発から半径10kmの地域としておりますが、今回の事故では、国は半径20km圏内を警戒区域に設定したほか、20kmを超える圏域についても、計画的避難区域や緊急時避難準備区域を設定するなど、これまでの想定とは大きくかけ離れ、拡大した対策が必要とされており、既存の地域防災計画では対応は明らかに困難であります。
このため、今回の被災地における震災対策を十分検証していただき、災害予防、災害応急対応、災害復旧・復興対策などについてどのような課題があるのか、また、その課題にどう対応していくのかを検討するとともに、できるだけ早急に計画の見直しに取り組まなければならないと考えます。
【答弁者:知事】
防災計画の見直しについてでありますが、県ではこれまで、社会状況の変化に対応できるよう、必要に応じ、地域防災計画を随時見直してまいりました。
特に、今回、東日本大震災において甚大な被害が生じたことから、県民の生命、身体及び財産を守るため、風水害等対策編、震災対策編、原子力災害対策編の3編から成る県地域防災計画を全編にわたり見直すこととし、4月下旬に庁内に検討会を設置して、全庁的に課題の洗い出しに着手をしているところでございます。
また、県地域防災計画は、国の防災基本計画や原子力防災指針の見直しと整合性を図る必要があり、改正には一定の時間を要することになりますが、県民の安全・安心を確保するためには、国の見直しを待つことなく、現時点で考えられる対策はとりあえずすべて講じていく必要があるものと考えています。
このため、特に、今回甚大な被害をもたらした津波対策については、今後、宇和海沿岸地域の市町や愛媛大学等の専門家とともに津波災害対策検討会を設置し、そして、避難場所や避難経路等について実地検証を行い、課題の洗い出しや今後の対策を検討するほか、成果報告会を開催して、検討結果を広く県内全域に周知することとしております。
また、原子力災害対策については、関係市町及び防災機関等で組織する原子力防災対策検討協議会を設置し、国の原子力防災対策を重点的に充実すべき地域、いわゆるEPZの見直しへの対応を含め、当面取り組むべき対策を検討するとともに、広域避難訓練など、可能なものから速やかに取り組むこととしています。
これらの取り組みにより得られた結果を適切に反映させるとともに、国の動向も見きわめて、県地域防災計画の見直しに取り組んでまいりたいと思います。
3.県は伊方発電所の安全性をどのように確認しているのか。また、現在、定期検査中の伊方3号機の再起動についてどう対応していくのか。
福島第一原子力発電所においては、地震発生時に運転していた原子炉は自動停止したものの、想定を上回る津波によって非常用ディーゼル発電機も故障した結果、原子炉や使用済み燃料プールの冷却機能が喪失し、大量の放射性物質が放出されたと聞いております。さらには、複数の原子炉で燃料溶融が起こっていたという世界でも例を見ない深刻な原子力発電所事故となっています。そしてなお、現在においても収束に至っておりません。
知事におかれては、事故発生後、直ちに四国電力に対して、今回の事故の情報収集と分析及び安全対策の早期実施を要請されたほか、みずから伊方発電所を訪問され、現地で運転管理を行っている社員から耐震性等について直接説明を受けるとともに、非常用ディーゼル発電機など、今回の事故原因となった原子炉の冷却に関係する設備について確認されました。
また、その確認された内容を知事メッセージとしてわかりやすく県民に情報発信され、県民の安心感の醸成に努められております。
さらに、我々自由民主党愛媛県連が平成16年に県に要請して以来、積年の課題でありました四国電力原子力本部の県内移転についても、6月末の松山への移転を実現されました。原子力部門の最高責任者が松山に常駐することで、素早い対応が可能となると考えられ、県民の安心感の向上につながる第一歩と期待しているところであります。
私たち自民党県連としましても、不安や疑念を払拭させるため、四国電力に対して、万が一にも想定外という事態が起こらないよう、万全の安全対策を講じるよう強く要請するとともに、知事に対しても、引き続いて四国電力への指導をお願いしたところであります。
また、愛媛県議会では、改選直後の5月臨時会において、福島第一原子力発電所の事故の一刻も早い収束と原因究明や、原子力発電所の周辺住民の安全・安心の確保のため、会派を超えて「原子力発電所の安全対策の強化等を求める意見書」を提案し、議員大多数の賛成を得て採択し、国に要請いたしました。
さらに、四国4県議会正副議長会議においても、国や四国電力に対して、伊方発電所の安全性に関する要請を行っております。
四国電力においては、知事からの要請や国からの指示により、今回の地震で発生した津波の状況を踏まえたさまざまな緊急安全対策が実施されてきております。しかしながら、今回の地震において想定を超えた揺れがあったことを考えますと、津波対策とともに、地震の揺れに対する再検証も必要ではないかと思われます。
また、現在、定期検査中の伊方発電所3号機については、今後、再起動を考えた場合、県民の安全・安心のためにも、より一層の安全対策が要求されるものと考えております。
【答弁者:知事】
伊方3号機の再起動についてでありますが、国は、福島第一原発事故を踏まえて、すべての電源が喪失したとしても原子炉施設の冷却機能を確保するための緊急安全対策や、過酷事故が発生した際に迅速に対応する観点から、措置すべき事項を整理し、直ちに取り組むよう各電力会社に指示をしました。
四国電力は、この指示に基づき、電源車の配備などの緊急安全対策と水素爆発防止のための手順書の整備などの過酷事故対策を計画的に実施することとしており、原子力安全・保安院では、既に実施済みのものについては現地確認や審査を行い、適切であると判断をしています。
県としては、四国電力に対し、事故後直ちにあらゆる安全対策を国の指示を待つことなく積極的に実施するよう要請し、原子力安全・保安院の検査時に立ち会いするなど、その都度確認してきたところでございます。
さらに、伊方原発環境安全管理委員会において、安全対策の状況について国及び四国電力から説明を受けたところであり、今後、その実施状況の現地確認などにより、検証、評価していくこととしております。
伊方3号機の再起動については、浜岡原発のみ運転停止要請を行ったことを含めた、国の安全性に係る具体的な判断根拠、耐震安全性を初めとした四国電力の追加的安全対策への取り組み、そして、地元の同意の3つの観点から考慮する必要があるものと考えております。
四国電力に対しては、従来から国の基準を上回る独自の追加的安全対策を求め続けており、これまで通報・連絡のさらなる徹底、そして原子力本部の松山市への移転、亀浦変電所からの配電線の敷設による新しい電源ルートの確立等々について報告を受けておりましたが、さらに、昨日、安全上重要な機器についておおむね1,000ガル以上の耐震安全性を確保するなど、揺れに対する独自の対応策について誠実におこたえいただきました。
しかし、先日の経済産業大臣の原子力発電所の安全性や再起動に理解を求めるコメントには、国の具体的な判断根拠についての十分な回答がないことから、現時点では判断できる状況にありません。
今後、大臣には国の考え方をみずからの言葉で直接説明していただき、その説明内容や四国電力の取り組みについての伊方原発環境安全管理委員会の審議を踏まえるとともに、地元の意見をお聞きする中、これらを総合的に見詰めて判断をしてまいりたいと思います。
4.えひめ愛顔の助け合い基金の特色と、今後、基金を活用し、被災者等の支援にどう取り組んでいかれるのか。
本県からはこれまで、県被災地支援本部を中心に、物的支援として、県、市町の備蓄や民間企業からの物資の提供、また、人的支援として、医療チーム、緊急消防援助隊、保健師、養護教諭、一般行政職員等々、市町や民間の取り組みも合わせて延べ1,100名を超える人員の派遣、さらには、避難者への受け入れ支援として、県営住宅等への入居に当たっての家財等相当額の見舞金の交付など、全庁体制で被災地等の支援に取り組まれております。
しかしながら、国はもとより諸外国や本県を含めた各自治体による支援、企業、ボランティアなどによる民間ベースでの支援など、これらの懸命な支援にもかかわらず、被災地、特に津波被害を受けた沿岸部では、瓦れきの山が残されている状態であり、被災地への継続的な支援が求められているところであります。
今回の震災では、津波によって特に沿岸部が壊滅的被害を受けたことにより、震災による死者、行方不明者は2万人を大幅に超えることとなり、加えて福島第一原子力発電所の重大な事故が併発し、多くの方々が住みなれた家屋を離れ、長期の避難生活を余儀なくされております。
また、聞くところによりますと、本県にも福島県を中心に6月1日現在、102世帯、257人の避難者の方々が避難されているとのことであり、このような状況を目の当たりにいたしますと、被災者等に対しては、義援金のような一過性の支援ではなく、長期的な息の長い支援が必要であると考える次第であります。
そのような中、本県では、県民の被災者等への支援の思いにこたえ、継続的な援助に取り組むことができるよう、4月の専決補正予算に合わせて、えひめ愛顔の助け合い基金を設置されたことは、時宜を踏まえた的確な対応であったと思うところであります。
【答弁者:知事】
えひめ愛顔の助け合い基金については、6月22日現在で約8,600万円の寄附が寄せられています。
また、県市長会、町村会に基金の趣旨を申し上げましたところ、御賛同をいただきまして、それぞれ3,600万円、3,000万円の出捐をいただける予定と伺っており、多数の皆さんの温かい御支援にこの場をおかりして厚く御礼を申し上げたいと思います。
当基金の特色は、県民の皆さんの温かい支援の思いを迅速に、目に見える形で、また、長期にわたり継続的にお届けすることができる、県民総ぐるみによる被災者等支援の仕組みとして創設した点にあり、支援内容については、有識者等で構成する基金運営委員会の提言をもとに、被災者等のニーズに即した支援、愛媛らしい支援、思いやりあふれる支援を基本として、私みずからが訪問した被災県知事の御要望等も踏まえて検討を行い、当面の支援策として、今議会に12事業を提案させていただいているところでございます。
具体的には、本県への避難者に対する支援として、被災児童を夏休みなどに短期ホームステイとして受け入れる被災児童ホームステイ支援事業など、被災地における被災者への支援として、被災地の高校生等の本県への修学旅行費用を助成するとともに、県内の生徒とも交流を図る被災地学校修学旅行支援事業など、被災地の産業や被災者を元気づけるための支援として、風評被害に苦しむ被災地への観光を促進する被災地向け旅行商品造成支援事業や、宮城県内で開催されるイベントでのポンジュースの提供事業などを計画しているところであります。
今後とも、変化するニーズを的確にとらえ、被災された方々が一日も早く笑顔を取り戻せるよう、また、被災地の復興の一助となるよう、可能な限りの支援に取り組んでまいりたいと思います。
5.東日本大震災に際し、特に被災した児童生徒等に対し、これまでどのような支援を行ってきたのか。また、今後、どのような取り組みを行う予定なのか。
まさに国難とも言うべき大災害の中で、私が今一番心配なのは、被災した子供たちのことです。
今回の震災は、新入学や新学期を間近に控え、夢と希望に満ちあふれていたやさき、子供たちの暮らしを一瞬のうちに余りにもつらく苦しい日々へと変えてしまいました。家族をなくした子供、友達と離ればなれになり、なれない土地で過ごしている子供、今でも地震、津波の恐怖がよみがえる子供、このような子供たちを我々大人がしっかりと支え、不安やストレスを和らげ、健やかに、そして力強く生きていけるようにしなければなりません。子供は地域の宝、国の宝です。これからの新しい時代を担う子供たちを全力で支えていくことは、我々大人の責務ではないでしょうか。
先月放映された被災地、宮城県山元町からのテレビレポートの中で、校舎が大破し、近くの学校と合同で授業を再開した中浜小学校の井上校長の次の言葉が強く心に残りました。
地域を愛する心を、ずっと持ち続けさせていきたいということがあります。それには、やはり将来の希望を持たせて、できることをしっかりと目標を立ててやっていける子に育てていかなければならないというふうに思っています。
【答弁者:教育長】
県教育委員会では、被災した児童生徒等をしっかりと支えていきたいとの思いで、震災後、直ちに教職員やPTAに呼びかけ、約8,000万円の義援金を日赤を通じて届けたほか、被災地のニーズを踏まえた人的支援として、先遣隊を含め、11チーム、延べ49人の養護教諭等による2カ月間にわたる心のケア対策を初め、本県に避難している児童生徒への家庭訪問など、きめ細かな支援を行ってきたところであります。
今後は、養護教諭等の派遣により御縁のできました宮城県山元町の中学校等に、地元の希望にもこたえる形で、夏季休業中に補充学習などの教育活動支援を行うため、教員と愛媛大学教育学部の学生によるサポートチームの派遣や、8月からは養護教諭の長期派遣に取り組みたいと考えております。
さらに、本県に避難している児童生徒に対しまして、専門家によるカウンセリングや学用品提供、給食費援助のほか、修学旅行支援事業で来県されます生徒等と本県の子供たちとの交流にも取り組むなど、子供たちが笑顔で学校生活が送れるよう、できる限りの支援に努めたいと考えております。
県教育委員会としては、これらの支援活動や交流等を通じて、被災した児童生徒に寄り添うとともに、本県の児童生徒にも思いやりの心や生きる力をはぐくんでまいりたいと考えております。
6.東日本大震災は我が国経済に大打撃を与えていますが、県内経済への影響はどうか。また、震災を踏まえ、県内産業の支援にどう取り組むのか。
今回の大震災は、被災地に深いつめ跡を残したことを引き金に、我が国のサプライチェーン、供給網の寸断を招き、我が国経済全体に深刻な影響を与えました。車の運転制御に欠かせないマイコン生産で世界トップクラスを誇る半導体製造工場や、さまざまな石油化学製品の基礎原料となるエチレンの国内主力生産工場が受けた壊滅的な打撃、石油コンビナート火災、港湾設備、物流施設の損壊。想定外の事態ではありましたが、想定外の一言では済ませられない大きな衝撃でした。
部品、素材メーカーが集積する東北、北関東の被災が国内外の部品供給不足につながり、多くの産業の生産活動停滞へと波及した結果、トヨタ自動車では、一時、国内外の車両生産が通常の5割まで落ち込んだのを初め、エレクトロニクス業界など広い産業分野で大きな影響を受けたことは御案内のとおりであり、ことしの第1四半期のGDPが年率換算で3.5%減の大幅なマイナス成長となっています。
また、東京電力と東北電力管内では、7月から9月までの消費電力を15%削減するなど、節電目標が政府決定されたことにより、大企業では、省エネ設備や自家発電設備の導入などにより、ピーク時電力を抑制しようとしていますが、生産能力や稼働能力への影響などから、これら首都圏の企業と取引関係の多い県内企業にとっても、しわ寄せがあるのではないかとの懸念の声も聞かれるのであります。
このように、被災、物流、節電の3つの企業生産の制約がある中で、電力使用のピークである夏を迎えるわけですが、県内企業がいわゆる想定外の事態が起こっても経済活動を損なうことのないよう、できる限りの対策が必要であると考えます。
さらには、原子力発電所の事故に伴い、今治タオルの輸出がイタリア税関でとめられるなど、貿易面での影響や旅行のキャンセル、観光面での影響も危惧されるところであり、県におかれては、大震災に即応した産業界支援に速やかに取り組んでいただきたいと考えるものであります。
【答弁者:知事】
東日本大震災が本県経済に与える影響を速やかに把握するため、県では震災直後から約200社に対し県内企業の訪問調査を実施したところ、一部で代替生産や復興需要への期待感があるものの、発注先の操業停止や原材料、部品等の調達難による減産や設備投資の遅延、輸出に係る放射線検査への対応のほか、イベントや旅行等の自粛による消費減や風評被害による外国人旅行客のキャンセルなど、約6割の企業で何らかの影響が見られたところでございます。
このため、県では、4月から緊急経済対策特別支援資金の融資要件を緩和し、取引先の被災により事業活動に支障のある中小企業の資金需要に備える一方、民間検査機関と連携した放射線検査の円滑化や、中国、韓国の旅行社への安全性PRなどにも努めているところでございます。
さらに、今回の6月補正予算において、県単独で新たに公設試験研究機関へ放射線測定機器を配備するための経費を計上するとともに、海外メディアを活用した本県の安全性のPRや誘客促進に取り組むなど、震災の影響を最小限に抑えるための支援を積極的に進めることとしております。
また、あわせて、災害時に迅速に事業活動が再開できるよう、県内企業の事業継続計画、いわゆるBCPの策定支援を強化することなどにより、県内経済の回復と災害に強い県内産業づくりに取り組んでまいりたいと思います。
7.東アジア地域との観光についてどのように取り組んでいるのか。
風評被害に伴い、海外からの旅行客が減少している中で、国際観光の一層の促進を図ることが重要となっておりますが、中でも特に、我が国と近隣に位置し、本県とさまざまな交流がはぐくまれてきた韓国、台湾、中国などの東アジア地域との観光交流についてであります。
県におきましては、私ども議員の発議により制定されましたえひめお接待の心観光振興条例の基本理念に沿って、ことし3月、新たな愛媛県観光振興基本計画を作成し、「お接待の心でもてなす愛顔の愛媛」を本県観光の目指すべき将来像として、その実現に向けてさまざまな施策を講じられているところであります。
中村知事におかれても、これまで地域発展の起爆剤として観光に光を当て、話題性のある取り組みを次々と展開してこられました。
その一つが、松山市長時代から意欲的に取り組まれた「坂の上の雲」による物語性のある観光づくりであり、そのテレビドラマ化を実現され、同時期に放映された「龍馬伝」と相まって、本県のPRや知名度の向上に大きな貢献を果たされたことは衆目の一致するところであります。
また、国際観光の視点からは、平成16年に松山市と韓国・平澤市との友好都市提携を実現され、交流の輪が拡大していることを大変うれしく思っておりまして、私も、草の根運動として、毎年、平澤市民の方々との交流の機会を持ち、その中で本県のすぐれた観光資源の紹介もさせていただいているところであります。
さらに、知事は、台湾・台北市にある松山空港と本県の松山空港が世界に例のない同名空港であることに着目され、台湾の民間団体等との交流に注力された結果、多くの台湾の方々が本県を訪れるようになりました。
このように、知事は、卓越した先見性と行動力により国際観光の振興に取り組んでこられましたが、東日本大震災の発生により、韓国、台湾、中国など東アジアからの観光客の来訪が中断を余儀なくされる事態になっており、本当に残念で仕方ありません。
【答弁者:経済労働部長】
ソウル便、上海便の国際定期航空路を有する本県では、東アジア地域との観光交流の推進を県経済成長戦略2010の重点分野に掲げ、四国や瀬戸内各県とも連携しながら、各国のマスコミや旅行会社等に観光資源の紹介や旅行コースを提案しますとともに、モニターツアーの実施や交流活動への助成を行うなど、インバウンド、アウトバウンド両面からの対策を講じているところでございます。
こうした中、東日本大震災の影響によって、東アジア地域との交流機会が減少しましたことはまことに残念でございますが、今般、えひめ愛顔の助け合い基金に台北市の民間団体であります松山慈祐宮から寄附金が寄せられるなど、東アジア各国から被災地への温かい支援の手が差し伸べられていることはまことにありがたく、こうした活動を通して、今後、交流がさらに深まるものと期待をいたしております。
また、今回の震災に対する風評被害を払拭するため、職員による上海やソウルの現地旅行社等の訪問や香港、シンガポールの商談会への参加などを通して、安全・安心情報を発信しますとともに、今回の6月補正予算に韓国、台湾、中国のメディアを活用したPR事業を計上し、本県の安全性をさらに強く発信したいと考えておりまして、県内関係自治体や経済団体とも連携の上、一日も早い東アジア地域との観光交流の再開と一層の交流促進に取り組んでまいりたいと考えております。
8.今後の社会資本整備のあり方についてどう考え、どう取り組んでいくのか。
今回の大震災では、特に津波の被害が深刻であり、想定を超えた津波が防波堤などの防災施設を越えたため、海岸部の集落において壊滅的な被害が発生しております。中でも、岩手県の釜石湾入り口に設けられた、最大水深が63mで世界一深い防波堤としてギネスに認定された防波堤さえも、その7割が倒壊し、津波の高さの低減や市街地への津波の到達時間をおくらせるといった一定の効果はあったものの、津波を食いとめることはできませんでした。
また、東北地方から東京湾岸にまで及ぶ広範囲にわたって、埋立地等において液状化現象が発生し、道路や港湾施設、上下水道やガス、住宅などに大きな被害を及ぼしております。
今回の地震は、1,000年に一度の地震と言われておりますが、本県におきましても、南海地震の発生時には、東海、東南海地震との連動が懸念されております。
さらに、気がかりなことは、今回の地震で岩手県宮古市において国内観測史上最高となる38.9mの津波遡上高が東京海洋大学の調査で確認されましたが、その高さの理由は、本県南予地域と同じリアス式海岸の地形のため、津波が勢いを保ったまま急斜面にぶつかり、高さを増したとのことであります。
これらのことを考えますと、今後、東南海・南海地震が発生した場合には、本県においても今回と同様の被害が発生するのではないかと危惧しているところであります。
【答弁者:土木部長】
今回の東日本大震災においては、地震そのものも、また、それによる津波も、従来の想定を大きく上回った結果、未曾有の大災害が発生をいたしました。
特に津波に対しては、海岸保全施設が大きく損壊するなど、これまでの設計方針の適否が問われる反面、一方では、東北自動車道を初めとする道路網については、被災の翌日から緊急輸送路として機能するなど、改めてその整備の必要性が認識された一面もございます。
現在、国の中央防災会議等においては、今回の地震に対するさまざまな検証や対策の見直しが行われているところでありまして、地震によっては、減災の考え方の導入や、破壊、倒壊しにくい施設設計、また、多重的な防護機能の確保など、既に新たな視点から今後の防災対策が議論されているところであります。
県といたしましては、今回の震災を踏まえ、東南海・南海地震の発生が切迫する中、災害に強い県土づくりの必要性を改めて強く認識したところでありまして、今後は、今まで以上に県民の生命、財産を守る防災施設に軸足を置いた社会資本整備に取り組むこととし、南予への高速道路延伸など緊急輸送路の整備を進めるとともに、県独自の対策として、木造住宅の耐震化、さらに、津波に対しましては、今後、示されます新たな知見を踏まえ、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
先般も、知事を先頭に、国に対し、東日本大震災の復旧、復興に関する財源確保とともに、今後の大規模な地震に備える防災対策予算を本県へ重点配分すること、さらに、事業評価基準において、従来のB/Cに防災面での効果を加えることを強く要望してきたところでありまして、議員各位におかれましても、引き続きの御支援をお願いしたいと思っております。
9.新しい長期計画においてどのように愛媛の将来像を描こうとしているのか。
中村県政がスタートして半年余りが経過しました。知事におかれましては、この間、庁内での執務に加え、各種会合やさまざまなイベントに積極的に参加されるなど、精力的に激務をこなされております。
また、そのような多忙をきわめる日々にあっても、松山市駅前での朝の辻立ちを今なお続けている姿に、中村知事の政治家としての原点を垣間見る思いがするところであります。
さらに、政策面におきましても、就任後、日が浅い中での編成であったにもかかわらず、当初予算において公約の具体化に取り組まれたほか、今回の大震災へも迅速に対応するなど、スピード感を持った抜群の行動力を発揮しながら、県政のかじ取りを行っておられます。
その基本的な姿勢について、知事は、松山市長時代の経験から、首長の役割として、1つは、白いキャンパスに骨太の下絵をかくこと、2つ目に、その下絵に色をつけて絵を完成させる作業にできるだけ多くの方々に参加してもらえる明るい雰囲気をつくること、この2つを挙げられております。
このことは、行政の長たる者は、先見性を持ってリーダーシップを発揮しつつも、あくまで住民が主役の行政を進めるべきであるという考え方を表現したものであると理解しております。
そして、その姿勢に変わりがないことは、現在、検討が進められている新しい長期計画の策定過程においても、県民2,000人を対象にしたアンケートや、県外の方々まで含めた意見募集、さらには、さまざまな方の声を幅広く聞くための会合や懇談会を開催するなど、まさに2月議会で答弁されたとおり、胸襟を開いて率直に語り合う姿からも明らかであると感じております。
もとより長期計画は、今後の県政運営の基本方針を示すものであります。時代の流れに沿って、その内容や役割に歴史的な変遷はありましたが、私は、いずれの時代においても、県民生活に大きくかかわる重要な総合指針として位置づけられてきたものであると考えております。
【答弁者:知事】
これまでに開催した新長期計画策定会議や地域別懇談会等では、策定中の計画について、本格的な人口減少や急速な高齢化など社会の構造的な変化に加え、特に震災による被害からの再生・復興に向けた歴史的な転換期に直面する中で策定するものであり、従来の価値観や既存の制度、仕組みを改めて見詰め直すものにしてほしいとの声を多くいただいております。
このような意見を踏まえまして、おおむね10年後を見据えた未来ビジョンとなる基本構想では、「愛のくに 愛顔あふれる愛媛県」を基本理念に掲げ、新しい愛媛づくりに向けた県民へのメッセージも意識しながら、目指すべき将来像として、1、活力ある産業を創る「活き活きとした愛顔」、2、安全・安心の暮らしを紡ぐ「やすらぎの愛顔」、3、未来を担う人財を育む「輝く愛顔」、4、かけがえのない環境を守る「やさしい愛顔」の4つの愛顔づくりへの挑戦を盛り込みたいと考えております。
さらに、これら4つの愛顔づくりのベースには、新しい時代にふさわしい価値観を創造する視点として、大切さが再認識された心のつながりによる幸せの土台づくり、愛媛が誇る個性的な魅力の結集、未来志向を原動力にした新たな時代の開拓など、これからの愛媛づくりの方向性を示したいと考えております。
今後は、こうした考え方を基本に、県民の皆さんを初め、各界各層の代表者、県内市町の首長からの意見をさらに聞きながら、構想を練り上げ、厳しい時代の中でも夢や希望が持てる中村県政のビジョン策定を進めてまいりたいと思います。
10.本県の農業政策の基本指針となるえひめ農業振興プラン2011を踏まえ、本県農業の振興にどのように取り組んでいくのか。
県におかれては、本年3月末に、今後5年間の本県農業の振興に向けたえひめ農業振興プラン2011をまとめられました。今回のプランは、これまでの農業政策の継続を基本に、幾つか挙げられている目標数値にしても、5年後の農業産出額を21年数値の約1割増しの1,350億円としているように、一見すると必ずしも高い数値ではありませんが、その実現には多大な努力を要する目標が設定されています。
しかし、そのような中でも、従来からあります県内12の広域営農圏について、それぞれの地域性を背景とした振興策や具体的な目標が示されており、各地域の生産者にとっては身近に感じられるものになっているという点は評価したいと思っております。
今後は、このプランを基本に本県農業の振興を図っていかれると思いますが、我が国全体に目を向けてみますと、昨年の10月以降、我が国農業を取り巻く環境は、2つの事柄により、大きく変わろうとしております。
その一つは、関税撤廃を原則とするTPP交渉参加の問題であり、もう一つは、3月11日に発生した東日本大震災であります。
これらの課題については、国において、5月17日に日本再生に向けての政策推進指針が閣議決定されたところでありますが、当面は先送りされたTPP交渉参加の判断や、東日本の被災地の復興も含めた農林漁業の再生戦略などについて、現段階ではさまざまな要因が重なり合い、議論の行方が見えない部分が多くなっております。
このように、これまでにない複雑で不透明な状況にあって、さきに触れたえひめ農業振興プランを着実に推進していくためには、知事の強い意志と実行力、リーダーシップが不可欠であると考えます。
【答弁者:農林水産部長】
農業を取り巻く環境は、急速な高齢化の進展や担い手不足、耕作放棄地の増加や農村の活力低下など、依然として厳しいものがございますが、これに加え、森高議員のお話のTPPといった新たな問題も浮上しており、農業、農村の振興に向けた積極的な対応が求められているところでございます。
特に、本県は、日本一の生産量を占める柑橘や畜産を中心に、中四国では常にトップクラスの農業産出額を誇る農業県でございまして、地域経済の活性化を図る上からも、その振興は重要な課題となっているわけでございます。
このため、今回策定をいたしましたえひめ農業振興プランでは、農業者の減少や高齢化が避けられないという状況を直視し、1つには、担い手の確保・育成や生産基盤の充実などによる生産力の向上、2つには、えひめブランドの魅力向上と新たな販路拡大、六次産業化の促進などによる販売力の強化、そして3つ目には、農村の活性化、都市との交流推進などによる地域活力の発揮、この3つをプラン推進の柱に位置づけ、各広域営農圏での振興策を含め、今後、5年間に推進すべき取り組みを明らかにしたところでございます。
今後は、このプランの適切な進行管理のもと、市町やJAなどとも連携を密にしながら、消費者に支持される農畜産物の生産とあわせて、その出口戦略とも言えるもうかる農業の実現に向けた取り組みを強化し、農業を魅力ある産業として育成していくことで、本県の農業の振興発展に努めてまいりたいと考えております。
11.「知事とみんなの愛顔でトーク」について今後の御予定や抱負はどうか。
現在、知事が県民と直接意見交換する「知事とみんなの愛顔でトーク」を開催中と伺っております。
知事は就任に当たって、「みんなでつくろう、愛顔あふれる愛媛県」をスローガンに掲げ、就任後初めての12月議会において、「みんなでつくろう」の言葉に込めたのは、県民の皆さんと一緒になってふるさとづくりを進めていくという呼びかけであると述べられました。
愛媛という地域が活性化され、そこに住む県民が明るい笑顔を持って生き生きと生活していくことは、県民が県行政に求めている最大で最も基礎的な課題でありますが、それを実現していくためには、県民の理解、協力が不可欠でありまして、県民と一緒に県行政を推進していくと呼びかけられ、取り組まれていくことが肝要であると私も思っております。
【答弁者:知事】
去る5月19日の愛南町での開催を皮切りに、今治市や久万高原町で「知事とみんなの愛顔でトーク」を開催したところであり、ちょうど各地方局ごとに1巡目が終了したところでございます。
昨年、知事就任に当たって、「みんなでつくろう、愛顔あふれる愛媛県」をスローガンに掲げさせていただきましたが、このみんなでつくろうという言葉には、地域をつくるふるさとづくりは、住民の皆さんが主人公であり、その主人公である地域の皆さんとひざを交えて直接お話をさせていただくために開催したもので、タイトルにも、そのような思いを込めて、「みんな」という言葉を入れさせていただきました。
地域の皆さんからどのような御意見、御提言をいただけるんだろうかと期待しながら意見交換に臨ませていただきましたが、すべての会場で予定時間を1時間以上オーバーするようないろんな意見をいただきまして、参加者である地域住民の皆さんからは、特産品の販路拡大、農産物への鳥獣害対策、あるいは道路等のインフラ整備など、いずれも地域の切実な課題や問題について率直な御意見等を数多くいただき、有意義なディスカッションであったなと強く感じているところでございます。
2巡目については、私もできるだけ早く実施したいと考えており、7月下旬から8月上旬にかけて、各地方局ごとに四国中央市、伊予市、伊方町の3カ所で開催を予定しております。
私としては、1巡目同様、地域の皆さんから前向きな御意見をいただくとともに、現地視察なども交えながら、地域の課題や実態の把握に努めてまいりたいと思います。
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