グプタ朝
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グプタ朝とは、320年頃、チャンドラグプタ1世によって成立したインドの王朝です。
グプタ朝での創建者と聞かれてチャンドラグプタの1世を忘れちゃダメですよ。コレをなくすとインドで始めての統一王朝であるマウリヤ朝(前317〜前180年)の創建者になっちゃいますからね。
実は、このマウリヤ朝のチャンドラグプタとグプタ朝のチャンドラグプタ1世との間に血縁関係はないといわれているんですが、まぁ、同じ名前を名乗ることでのなんらかのメリットを狙ったのかもしれませんねぇ。
さて、このグプタ朝の最盛期はチャンドラグプタ2世の時代。今度は2世ですよ。ちょっとややこしいですね。在位は376年〜415年頃。北インドをほぼ制圧しました。しかし、その後、5〜6世紀にはローマ帝国が混乱におちいりグプタ朝も貿易の沈滞などを原因として衰退していくことになります。
そして、6世紀の半ばには中央アジアからやってきた遊牧騎馬民族エフタルによってついに滅ぼされてしまうことになります。
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4〜6世紀のグプタ朝領域 |
とはいえ、200年以上続いたグプタ朝。文化的には非常に重要な時代といえます。インドのシェイクスピアともいわれるカーリダーサの「シャクランタラー」という戯曲は有名。仙人に育てられた娘と王様とのロマンスですね。あと、純粋な文学ではないのですが「マヌ法典」も覚えておきましょう。これは、「なぜ宗教は存在するのか?」とか「宇宙とは?」など哲学的なお話。バラモン教やヒンドゥー教の説明みたいなことも書かれています。
数学的にも大きな発見がありました。「ゼロの概念」が生み出されたんです。ゼロなんて当たり前の考えだろ?発見でもなんでもないじゃん。とゼロの概念が子供の頃から当たり前に身近にあった私たちでは思ってしまいますが、これはスゴイ発見だったんですねぇ。普通に生活してたらゼロなんて思いつきませんもんねぇ。1.2.3と数字があれば十分です。まぁ、今でこそインド式の数学が注目を集めていますけど、古くからインドの数学的能力はすごかったんですねぇ。
また、グプタ朝の時代では5世紀に建てられた仏教の僧院ナーランダー僧院も有名です。「な〜らんだ〜、な〜らんだ〜♪」とチューリップの歌を思い描いてしまいそうな名前ですね。覚え易い!仏教の研究機関として建てられ多くの留学生を受け入れました。
<クシャーナ朝
>ヴァルダナ朝
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