クシャーナ朝
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クシャーナ朝とは1世紀から3世紀にかけて、インドの西北部を中心に栄えた王朝です。
では、このクシャーナ朝について少し学んでいきましょう。
インドにおいて、最初の統一王朝だったのがマウリヤ朝でしたね。そのマウリヤ朝は第3代の王、アシューカ王が亡くなると徐々に衰退していくことになります。その後、インドでは不統一の時代が続きます。
そして、1世紀から3世紀にインドの西北部に栄えたのがクシャーナ朝です。
このクシャーナ朝の建国者は中央アジアから南下してきたイラン系の民族だといわれています。首都はプルシャプラ。現在では、パキスタンの北西部でアフガニスタンとの国境に近い地域ですね。
まぁ、このクシャーナ朝は現在のインドより大分、北寄りです。
この王朝で有名な王は2世紀頃に活躍したカニシカ王。クシャーナ朝の全盛期を築きました。カニシカ・・・。蟹、鹿・・・。覚え易いですね。しかし、残念ながら今の中学校では教えていないみたい。高校ならテストに出る可能性があるから覚えておきましょうね。クシャーナ・カニシカです。
クシャーナ朝が栄えた要因は、交易にありました。当時は、中国では漢の時代。西にはローマ帝国がありました。強力な2国に挟まれていましたが、それらの国を結ぶための絶好のロケーションだったんですね。ですから、東西貿易にて儲けがガッポリでたんです。
また、ガンダーラ美術といってギリシア文化の影響もありクシャーナ朝の人々は仏像を作るようになっていきます。それまでは、釈迦の姿はあまりにも尊いので描かれたり形にしたりはしてこなかったんだけど、ギリシア人の影響を受けて仏像を彫るようになっていったんです。
さらにクシャーナ朝で忘れてならないのは大乗仏教が成立したことです。もともと、釈迦の教えはあらゆるものからの執着心をなくし解脱すること。まぁ、個人で瞑想などの修行をして悟りなさいという教えですね。しかし、これは社会的ではない。自分だけ悟りを得られれば良いというのはどうなのか?もっと、大勢の人を救うべきではないか?という考えが生まれてきます。これが大乗仏教です。
この大乗仏教は後に中央アジアに伝わり、朝鮮半島に伝わり、そして日本にも伝わります。対して上座部仏教。つまり、原始的でオリジナルに近い仏教は主に南に伝わっていくことになります。
<マウリヤ朝
>グプタ朝
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