イルハン国
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13世紀頃のイスラム世界にもモンゴル勢力がやってくることになります。
イルハンという国がイスラム世界のど真ん中をドーン!と支配するのです。
ハンという名前が付く国は、あのチンギスハンの作ったモンゴル帝国から分裂して出来た国々です。日本史では、「元」が有名ですね。元寇で日本にも攻めてきましたからね。この頃のモンゴル帝国は、フビライハンの元、オゴダイハン、チャガタイハン、キプチェクハン、イルハンの5つに分裂していたんですよ。(ちなみに元はもっと東の方・・・)
それらの国が西アジアにもどんどん勢力を伸ばしてきたのです。イスラム勢力のど真ん中に座ったイルハン国は当初イスラム教を弾圧します。しかし、13世紀末になると当時の皇帝ガサン・ハンによりイスラム保護政策へと転換していくことになるんです。
文化なんかもイランの文化とイスラムの文化が融合しイラン・イスラム文化といわれるものが成熟しましたし、税の仕組みなんかもモンゴル式から変化させていきます。
モンゴル民族は、遊牧民族でしたので、この頃は人頭税や家畜税といった保有する家畜の数で税が決められていましたが、それを土地税(地租)へと変化させたんです。
これには皇帝ガザン・ハンを支えた宰相にイラン人のラシード・ウッディーンという歴史家の側面も持つ人物がいたのですが、その人の助言も大きかったようですね。ちなみにラシード・ウッディーンという人は「集史(しゅうし)」を編纂しました。モンゴル人はもともと歴史書を残すことをしてこなかったので、これはとても貴重な資料です。
イルハン国のみならずキプチャク・ハン国らもイスラム教を擁護したのでモンゴル帝国ではイスラム教が広まっていくことになります。
しかし、これらのモンゴル帝国も14世紀に入ると分裂、または地域が広大になりすぎたことによる各国の独立などで解体していくことになるのでした。
<セルジューク朝の時代
>ティムール朝の時代
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