ルネサンス 諸国のルネサンス
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前回は、主にイタリアのルネサンスについてお話しました。今回は、イタリア以外のルネサンスを見ていくとしましょう。
<ルネサンス@イタリアのルネサンス
ネーデルラント
イタリアについで15世紀前半という早い時期にルネサンスが起こったのは、ネーデルラント。どこじゃそこ!ってところですが、今のオランダですね。
このネーデルラントで活躍したのはファン・アイク兄弟。彼らは、写実性を高めた油絵の技法で有名です。あとは、ブリューゲル。この人は、「農民の踊り」で有名で農民画家などともいわれました。
16世紀には、エラスムスが「愚神礼賛(ぐしんらいさん)」を著述。これは当時のカトリック教会などを徹底的に批判、風刺したものです。とはいえ、彼は、敬虔なカトリック信者。腐敗していくカトリックを危惧しての批判だった訳です。エラスムスは、宗教革命の立役者であるルターにも影響を与えたといわれていますよ。
ドイツ
次は、ドイツです。ドイツでのルネサンスでは、デュラーは覚えておきたいところ。西洋絵画史上初めての自画像を書いたことで有名です。「4人の使徒」も作品では有名。
フランス
フランスでのルネサンスでは、医師でもあったラブレーの「ガルガンチュア・パンタグリュエル物語」が有名。長いタイトルですが、ガルバンチュアというのは、怪物といった意味が定着しているのでゲームなんかで聞いたことがある人もいるんじゃないかな。この作品は、当時の社会や文化なんかに対しての風刺を試みた作品です。
あとは、モンテーニュ。近代の哲学者にも影響を多く残している「随想禄(ずいそうろく)・エセー」という作品を残しています。エッセイという言葉がありますが、これが語源ですよ。
このモンテーニュをこよなく尊敬していたといわれるのが、17世紀の科学者でもあるパスカル。「パンセ」という作品の著者ですが、有名な言葉があります。「人間は自然の中でもっとも弱い、川辺に茂る葦である。しかし、その葦は考える葦である」。
ダ・ヴィンチもイタリアの人ですが、フランソワ1世によってフランスに招かれ、その際にモナ・リザも持っていっていますね。小さいから持っていきやすかったんですかね。でも、これ貴婦人から依頼を受けて制作し、すでにお金も貰っていたといいます。それなのに出来上がった作品を渡さずに持っていちゃったんですね。
イギリス
イギリスのルネサンスの先駆者といえば、チョーサー。イギリス庶民の物語「カンタベリ物語」を書いた人です。いろいろな階級や職業の話が展開されているので当時の庶民の感覚などを知ることができます。
次にトマス・モア。イギリスの16世紀前半の国王ヘンリ8世に仕えた大法官である彼は1516年に「ユートピア」という著書を発表しています。大法官というのは、法務大臣みたいなもんですね。
ユートピアという作品は、当時のイギリス社会を皮肉っている作品なんですけど、まぁ、理想郷とはこういったもんだ!ってことが現実の社会と比較して批判している訳です。この本は、ちょっと難しいんですけど、ぜひ読んでおいて欲しいですね。現代でも考えさせられる部分が多々ありますよ。
そして、その後、現れるのがシェークスピア。もう、この人は知ってますね。「ヴェニスの商人」といったコメディ?も作りましたが、代表的なもので有名なのは、やはり悲劇。「リア王」「マクベス」「ハムレット」「オセロ」は4大悲劇として有名ですよ。
「リア王」は、リアという王様が3人の娘に国を分割することにするんですけど、2人の姉が父親に尻尾を振るのに対して、末っ子のコーディリアは生意気なことばかり言う。怒ったリアはコーディリアを勘当しちゃうんですけど、最終的には、娘達に裏切られリアは、荒野をさまようことに・・・。そこで手を差し伸べたのはコーディリア。ですが、このコーディリアも最後には殺されてしまい、リアは彼女を抱き悲しみに叫びをあげる・・・。といった内容。
「ハムレット」では、「生きるべきか。死ぬべきか。」っていう台詞が有名ですね。
「オセロ」は、主人公が黒人でその妻が白人。どんでん返しが続くストーリなのでオセロゲームの語源となっています。
「マクベス」は、マクベスという将軍が己が王になるために国王を殺してしまうといったお話。
>シェイクスピアの4大悲劇の詳しいあらすじはこちら
あー。あと、忘れちゃならない悲劇が「ロミオとジュリエット」。まぁ、恋愛のお話なんだけど、2人の愛の盛り上がりの描写がすごいだけに悲しい最後がもう、いたたまれなくて、いたたまれなくて・・・。なんで、このシェイクスピアって人、こんなラストシーン考え付くんだろうって現在これだけ物語が溢れている世の中でも光ってしまう作品ですね。
このシェイクスピアと並んで当時人気があった劇作家。「ヴォルポワニ」とうい作品を残した人が「ベン・ジョンソン」。いや、マジでベン・ジョンソン。100メートル走の人じゃないよ。
スペイン
最後は、スペインのルネサンス。セルバンテスという名前を聞いてもピンとこないかな。でも、作品の名前はぜったい知ってるはず。「ドン・キホーテ」。お店の名前にもなっているものね。
スペインの騎士道を風刺したっていわれているけど、内容は騎士でもないドン・キホーテが騎士道物語に夢中になっているうちについには、自分が騎士だと思い込んでロシナンテという名前の馬にまたがって旅に出るっていうお話。
あとは、エル・グレコという画家も有名。「トレド風景」「オルガス伯の埋葬」といった作品が有名。
さぁ、ここまでは、文芸、美術、建築のルネサンスについてお話してきました。次は、ルネサンス期の科学についてのお話です。
>ルネサンスBルネサンス期の科学と三大発明
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