アルベルト
クリスタルシティ クリスタルパレス テラス
ナイトハルト |
ここにいたのか。今日は 冷える。体に障るぞ。 |
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[ナイトハルト、ディアナに歩み寄る] | |
ナイトハルト | また思い出していたのか? |
ディアナ |
あの子が生きていると耳にし てから、世界中を捜し歩いた のに、いつもすれ違いで。 |
こうやって殿下の下で待っ ていれば、必ず会えると信 じていました。あの子はイス マスに戻り、そして… |
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私には会うべき人も、戻 るべき場所も、無くなっ てしまいました… |
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ナイトハルト |
どこへも行く必要な ど無い。さあ、中へ。 |
ディアナ | はい、殿下。 |
[雪が降ってくる] [ディアナ、上を見上げる] |
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ディアナ | 殿下! 雪が。 |
[ナイトハルト、上を見上げる] | |
ナイトハルト |
どうりで冷えるはずだ。 今年は早いな。 |
[ナイトハルト、視線をディアナに] | |
ナイトハルト |
どうした、寒いのか? 震えているぞ。 |
[ディアナ、俯く] | |
ディアナ |
…いいえ…この雪は エロールの贈物。とて も、素晴らしい… |
アイシャ
ガレサステップ タラール族の村
ニザム |
トアニオトニーサ、トアニオトエロール。 トアニオトニーサ、トアニオトエロール。 トアニオトニーサ、トアニオト… |
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もっと、おしとやかに 育てるべきだった。し かし、なぜ、あの子を。 まだ、子供なのに。 |
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ニーサよ、エロールよ、孫を連れ て行かないでください。代わりに この老いぼれの命を捧げます。 あの子を、お返しください… |
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[ニザム、空を見上げて立ち上がる] | |
ニザム |
ニーサよ、エロールよ、本当ですか? おお、あの子が帰ってくる! |
グレイ
パブ
吟遊詩人 |
空は黒く覆われ、やがて闇に なった。だが、闇はやがて輝く 太陽に振り払われた。 |
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おお、雄々しき勇者は、こ うして恐るべきサルー インに打ち勝った。 |
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[客、立ち去る] | |
男 |
詩人さん、あんたよく そんな見てきたよう な歌が作れるね。 |
吟遊詩人 |
はははは。皆さん、そう おっしゃいますな。 |
[男、立ち去る] | |
[吟遊詩人、上を見上げる] | |
吟遊詩人 |
見ていたよ、本当に。 君の戦いを! |
クローディア
メルビル エリザベス宮殿 皇帝の部屋 テラス
フェル6世 | クローディア、わが娘よ。 |
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皇帝の娘に生まれたのが不幸 の始まりだったのか。なぜお前 だけが、これほど運命にもてあ そばれねばならんのだ。 |
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お前がサルーインとの戦いに 赴くと知ったときに止めるべき であった。お前を永遠に失って しまうことになるとは… |
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[雪が降ってくる] [フェル6世、上を見上げる] |
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フェル6世 |
雪?メルビルに雪が降るとは、 何か良くないことが起きる前 触れか。これ以上悪いことが 起きるはずも無いが。 |
ジャミル
南エスタミル
[男と3人の子供が遊んでいる] | |
男 | 俺様はサルーインだ。 |
子供A | サルーインめ、かくごしろ! |
[子供達、男を追いかける] | |
子供B | 逃げるなー、サルーイン! |
男 | 痛ててててっ |
[奥でファラとファラの母が話をしている] | |
ファラの母 |
北エスタミルのお金持ちの お坊ちゃんだよ。こんないい 話はめったに無いよ。 |
ファラ |
やめとくれよ、母ちゃん。 あたいはそんな気無いよ。 |
ファラの母 |
ねえ、ファラ。あんたの気持ち は良く分かるよ。でもね、いくら 待っても、死んじまった人は 帰ってこないんだから。 |
[ファラ、振り返る] | |
ファラ |
そんなこと無いよ! あいつは 必ず戻ってくるよ。いつもみた いに、きれいな指輪かなんか 持って、帰ってくるよ… |
シフ
バルハラント ガトの村 ガトの家
ガト |
モンスターは消えた。湖もま た凍った。今年の冬も厳しい。 いつもと変わらん。 |
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[ガト、首を振る] | |
ガト | だが、シフがおらん。 |
[ガト、俯く] | |
ガト |
やはりバルハル族にはバルハ ラントが一番合っとるんだ。 帰って来い。帰って来い。 |
ホーク
パイレーツコースト 桟橋
海賊A(左) |
サンゴ海の海賊もすっかり 落ち目だな。なんでこんなこ とになっちまったんだよ。 |
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海賊C(右) |
ブッチャーの口車に乗せられて、 海賊が一致団結、海賊ご一行様 団体でお着きってな。馬鹿だった ぜ。おいらも足を洗うかな。 |
海賊A |
おい、冗談だろう、 お前まで。 |
海賊B(中央) |
俺は残るぜ。自由な海 賊以外に、俺は生き方 を知らねえんでな! |
海賊C |
でもな、リーダーが必要 だぜ。強いリーダーが。 |
海賊A・B・C | はぁーっ… |
バーバラ
パブ
[カウンターで男が2人飲んだくれている] | |
男A(左) |
やっぱ踊り子は踊らせ ておくべきなのだ。 |
男B(右) |
そうだ! 美しい女性に 戦いは似合わない。 |
男A |
戦いはおっさんや若僧に やらせておけばいいのだ。 |
男B |
そうだ! 美しい女性は 俺と飲んでくれ。 |
男A |
それなのにどうして、 あの人は戦いに行っ てしまったのだ。 |
男B |
そうだ! サルーイン のばかやろう、エロー ルのバカヤロウ! |
[吟遊詩人、カウンターの隅でギターを弾いている] | |
吟遊詩人 |
また見れますよ。 あの人の踊りが。 |