簡易シミュレーション

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積極的に移民を進める星と、移民した先の惑星に留まり再移民しない星がある割合で生ずると、移民が行き渡らない地域が残ります。上は僕がパソコンでやった簡単なシミュレーションです。

移民する割合が50%(左)の場合、移民の波はすぐに収束してしまい、拡大しなくなります。60%(右)の場合でも、移民しない星に囲まれた空隙が生じます。

移民した星の子孫は全て再度移民する傾向が強いとしても、環境や宇宙災害などにより移民の継続が不可能になる場合もあるでしょう。その種の寿命内に発達する技術では移民可能な距離に未開拓の惑星がない場合も考えられます。

太陽系がこのような移民の空隙、宇宙の辺境の地に取り残されている場合には、宇宙人は一度も訪問してこないでしょう。悲しいことですが、これが現実的な答かもしれません。

次回は、無人の探査船について考えます。


シミュレーション
プログラムにはDOS-V版BASIC/98Pro.を使いました。
これはウェッブの著書で紹介されている「浸透説」とは少し違う設定です。

移民の前線では、移民する文化()としない文化()を一定の割合で発生させます。移民する文化は隣接する(この場合上下左右の)星へ移民を送ります。移民しない文化が生じた星はそこで止まります。既に殖民されている星には後からは移民しないとします。

移民したがる割合は左は50%、右は60%です。どちらも、最初は4箇所から発生させています。
移民する割合が50%の場合(左)またはそれ以下では、ある程度進んだ段階で前線が全て移民しない星ばかりになり、拡大が停止します。

右の60%では拡大は継続するようですが、所々に移民しない星で囲まれた空隙ができます。60%でもある程度拡がってから停滞する場合があります。

これは2次元のシミュレーションですが、3次元にし、「隣接する星」を「移民が到達可能な有限の距離にある星」としても同様な結果が出るでしょう。


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