オーストラリア「キャニング・ストック・ルート」完全走破レポート!
2004年4月、世界最長のオフロード1本道、オーストラリアの
「キャニング・ストック・ルート」を走破したツアーレポートです!
1993年の『ヤマハTT−R250』によるキャニング・ストック・ルート走破より、数えて第4回目のチャレンジとなった今回のツーリング。実は大きく、はるかに高い目標を胸に携えてのチャレンジでした。 キャニング・ストック・ルートは、well(ウェル)と呼ばれる井戸が51箇所現存(↓)し、その全てを巡るように道が続いています。 しかしながら、今まで全ての井戸を巡ることに成功したことはありませんでした。また、残念なことに参加者全員が揃ってゴールの町ウィルナにたどり着いたこともありませんでした。 それには様々な理由があるのですが、現実問題として起きてしまうのが海外アドベンチャー・ツーリングたる所以なのでしょうか? 今年こそ、ラストチャレンジにして全てのwellを巡る!そして全員が揃って完走! 喜びのゴールと豪華なディナー、そして祝福の乾杯を目指すことを最大の目標としました。 そのためには入念な準備と練習、ライダーが毎日の走行に集中できるサポート体制。 そして余裕の走りの為に最高のコンペティションマシン 『2004モデル ヤマハ WR250F』 『2004モデル ヤマハ WR450F』と抜群の操縦安定性 『ヤマハ XT250(日本車名セロー)』を現地にて用意(↓)いたしました。 しかしながら、このキャニングストックルートをオートバイで走破するには ・ガソリン ・水 ・食料 ・テント ・寝袋 ・スペアパーツ ・日用品などなど といった、13日間のオフロード走行に必要不可欠な物資の運搬の問題があります。 そこでサポートカーの登用となります。 サポートカー2台(↓)にはオーストラリア人のスタッフが乗り込み、上記の物資や その他諸々の荷物をパズルのように詰め込んで我々オートバイ隊の後方を走ります。 また、ルート上で発生する数々のトラブルの解決や目的地の設定など指揮系統の中心でもあります。 サポート隊からは朝昼晩の食事のサービス(↓)も受けました。 朝と夜はコーヒーと紅茶を楽しむことができ、更に我々の口に合うよう周到な準備が されたメニューで、毎食お腹が膨らみました。 更に一日3回支給される甘いお菓子も特筆モノで、小麦をベースにチョコレートやヌガーで コーティングされている、甘いけれど栄養素に富んだものでした。これが毎朝、いつの間にか 我々のオートバイのシートに置かれます。 ただ、最終日はオフロード走行ではなかったので いつものお菓子が置かれておらず、旅の終わりを感じつつ少しさみしくもありました。 オーストラリアの広大な砂漠地帯を突き抜ける一本道ですから、路面は砂ばかり(↓)でしょうか? いいえ、意外にもそうではありません。 表面を覆っていた砂が風に運ばれて、硬い岩盤がむき出しになっていることがあります。 また、昔は大量にあった水が干上がった結果、水中の硫酸カルシウム(CaSO4)や塩(NaCl) などの成分が残ったことであたり一帯が白く、時には硬く、時にはグズグズと軟らかい路面になります。 砂利や粘土質の土など、日本の林道かと錯覚してしまう路面にも多く出会うことができます。 このように路面状況は一日の移動の間にも刻々と変化し、決して飽きることがありませんでした。 さまざまな路面状況により、もちろん転倒もあります。 それまでは調子よく走っていたのに、突然フロントタイヤが切れ込んで 転倒する場面などはありがちです。 国内・国外問わず、オフロードツーリングでは転倒しているライダーと オートバイを、周りの皆で協力しあって起こしたりすることが多いことでしょう。 このキャニングストックルートでは、前を走るオートバイが巻き起こす 土のホコリが安全走行の妨げになる事と、エアクリーナーという、空気を 取り入れる部分に大量の砂がつまってしまう事から、バイクの車両間隔は 通常100〜200mをキープします。 この状態で転倒してしまいますと転倒に気づいた後続車両が寄って助けに 行くのに大きな時間がかかってしまいます。 また、深い轍で転倒をした場合は、状況によっては後続車両がよけきれずに 転倒しているオートバイやライダーに追突してしまうことも考えられます。 これらの理由から、転倒時にはライダー自身がすばやく自力でバイクを起こす(↓) 必要があります。 また、その為にも特に女性は出発前の日本で「バイク引き起こし」の 練習もしていきました。 ストックルート走行中の転倒は、当初予想された回数よりずっと少なかったものの、 事前の練習の成果は確実に実ったようです。 さて、今回の大きな目標の一つに「全員が揃って完走する」ことがありました。 砂漠地帯だけでも1900km余りの道のりに加え、400kmのダートと舗装路の 移動区間があります。この行程を乗り切るにはライダーに技量と精神力と体力が 備わっていることが不可欠です。 しかし、これらが備わっていても残念ながら完走を阻害するもの、それが『ケガ』です。 走行中の転倒は珍しくありませんが、ダメージを負った部位やダメージの大きさが 問題です。当然ながらスピードが大いに乗っている時に転倒してしまえば、体への ダメージは勿論大きくなり、ネンザやスリキズ程度の軽傷から、手足の骨折といった 操縦不能な状態に陥ることが十分考えられます。 今回はヤマハWR250F/WR450Fといった高性能な車両を使用するということで 少々スピードを上げて走ってもサスペンションやエンジンが、ライダーを楽に、そして 安全にこの難しい路面をクリアさせてくれるものと、出発前から考えていました。 しかしながらスピードの出しすぎによる転倒と大ケガだけは避けねばなりません。 そこで出発前からメンバーの間では 「スピードは抑えて安全運転。 ...大人なんだから。」 との意識が自発的に芽生えました。 とはいえ、アクセルをワイドオープンできるシチュエーション(↓)では 各々の満喫方法が...あったようです。 この“世界でもっとも長いオフロード 2000km”を走破するために、我々が選択したオートバイは オフロードバイクのレースに特化した性能を持つヤマハWR250F/WR450Fです。 このオートバイは、もともと長距離を走るツーリングを前提としたマシンではありません。 荷物を載せるスペースが無かったり、ガソリンの容量が少なかったり、もちろんウィンカー も付いていません。エンジンや車体の、走るための性能はレースにおいて高順位を狙える 設定になっています。 そのWRシリーズに、公道走行や長距離ツーリングに対応するキットを組み込んで オーストラリアの厳しい条件下で広大な大地を駆け抜けよう(↓)という今回のツーリングは、 WRシリーズの耐久性と可能性を探るうえでのチャレンジでもありました。 ルート途中の転倒による小さな破損はありましたが、結果は...全車両がノートラブルで完走しました。 |
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