＜翻訳＞
|
１．全体的な状況 ① うどん粉病、さび病、べと病が多発する。 ② 晩腐病。 |
・・・・ ・・・・ |
Ｂ 欠乏 Ｂ・Ｃａ欠乏 |
|
２．茎・枝の状況 ① 幹や枝に縦に裂開した傷跡がある。 ② 太くて軟らかい蔓（つる）になっている。 ③ 節間が徒長している。 |
・・・・ ・・・・ ・・・・ |
Ｂ 欠乏 NH4-N過剰とCa欠乏 NH4-N過剰とCa欠乏 |
|
３．葉の状況 ① 成長点付近の葉は黄味を帯びており、中・下位部の葉は太陽に向かい透かして見ると濃淡がある。 ② 葉脈は緑色だが、葉脈間が白黄緑化する。そのような症状が最下位部の葉から発生する。 ③ 葉の先端が黄化又は黄褐色になる。 ④ 葉の周縁が上向きのカップ状に湾曲している。（このような果は着色が悪い） ⑤ 平面であるべき葉の形が波を打ったように曲がる。 ⑥ 葉脈は緑色であるが葉脈の間は黄化または黄褐色化している。 ⑦ 葉の周縁から内部に向って、葉脈も含めて鮮明に黄色化している。このような果は糖度が低下する。 ⑧ 葉の表裏の同位置・同面積に黄褐色の斑模様が発生している。 ⑨ 朝方、葉の先端に結露しなくなる ⑩ 葉柄に不定形な褐色の斑点がある。 ⑪ 成長点が細く、小さくなる。 ⑫ 異常落葉する。 |
・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ |
Ｃａ欠乏 Ｍｇ欠乏 Ｋ 欠乏 Ｍｏ欠乏 Ｍｏ欠乏 Ｆｅ欠乏 Ｍｎ欠乏 Ｂ 欠乏 Ｂ 欠乏 Ｂ 欠乏 Ｚｎ欠乏 NH4-N過剰とCa欠乏 |
|
４．果実の状況 ① 着色が遅れる。着色が淡い。 ② 落花する。 ③ 幼果の時に落花する。 ④ 果が着色後、萎縮する。 ⑤ 自家受精し、果が肥大しない。 ⑥ 裂果（果の肩部から発生し裂部は褐色）。 ⑦ 裂果（果の底部）。 ⑧ 軟果。 ⑨ 酸味が抜けない。（呼吸作用の低下） ⑩ 糖度の低下。 |
・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ |
Ｍｏ・Ｆｅ・Ｃｕ欠乏 Ｂ 欠乏 Ｂ 欠乏 Ｂ ・Ｃａ欠乏 Ｂ 欠乏 Ｂ 欠乏 Ｃａ欠乏 Ｃａ欠乏 Ｍｇ・Ｆｅ・Ｍｎ欠乏 Mg・Fe・Cu・Mn・Zn欠乏 |
[ 対 策 ]
１． 硼素（Ｂ）欠乏
元肥として、１０ａ当り硼酸１ｋｇと、Ｍｏ欠乏対策として、モリブデン酸アンモニウム２０ｇを約２０㍑の熱湯（８０℃以上）にて、ポリ
バケツ内で溶かし、それを２００㍑以上に希釈して、動噴で全面均等に散布して良く耕起する。但し、年間２回以
内とする、微量要素（グリーンアップ）を継続して使用の場合は必要なし。
２． Ｋ欠乏
１０ａ当り硫酸加里２０ｋｇを追肥する。
３． Ｃｕ欠乏 （幼果のとき、または袋かけしている場合を除き、ぶどうの房のブルームを汚すような場合には葉面散布は禁止。）
定植後、本葉１０枚展開の時に３：３ボルドー液２００㍑を１０ａ当りとして葉面散布する。
『３：３ボルドー液の作り方』
硫酸銅（工業用）600ｇと消石灰（水酸化カルシウム＝化学用微紛）９００ｇを各々５０㍑の水にて良くかき混ぜながら溶解する、
この両方を混合すればよい。
４． 栽培中に生じたＦｅ，Ｃｕ，Ｚｎ，Ｍｎ，Ｍｏ，Ｂ欠乏
（幼果のとき、または袋かけしている場合を除き、ぶどうの房のブルームを汚すような場合には葉面散布は禁止。）
この場合は、微量要素（グリーンアップ）を１０００倍に希釈して潅注し、また、２０００倍にて葉面散布を行う。
＊土壌のＰＨ（ＫＣＬ）が６．８以上の場合は、主として葉面散布で、
＊ 〃 〃 ６．６～６．８では、葉面散布と潅注で
＊ 〃 〃 ６．５以下では、主として潅注で行う。
１０ａ当り、２０㍑／月を使用する。
５． Ｍｇ欠乏 （幼果のとき、または袋かけしている場合を除き、ぶどうの房のブルームを汚すような場合には葉面散布は禁止。）
硫酸苦土又は、塩化苦土の０．３％液（３Ｋｇ／１０００㍑）の葉面散布を４～５日おきに２～３回行う。（展着剤を規定量入れる）
６． Ｃａ欠乏 （幼果のとき、または袋かけしている場合を除き、ぶどうの房のブルームを汚すような場合には葉面散布は禁止。）
Ｃａ過剰でも、過少でも生じる。土壌の分析をしなければ判断し処置できない。
とりあえず、塩化カルシウムの０．３％液（３Ｋｇ／１０００㍑）の葉面散布を４～５日おきに２～３回行う。
７．ＮＨ４－Ｎ過剰
対策なし・・・・①未発酵堆肥は絶対に使用しない。
②栽培期間中、尿素やアンモニア態窒素を多く含む肥料は使わない。
③グリ－ンアップの葉面散布を週２回励行する程度の対策しかない。
へ戻る